SPARC/SolarisやSuperClusterが、SAPに最適な理由とは何ですか?ナビゲーター卒業、そして新世代へ

SPARC/Solarisの“新発見”を紹介する「SPARC/Solaris World」。今回は、米国のオラクル本社からSAPアカウント担当 バイスプレジデントを務めるゲルハルト・カップラーが来日したので、SAPのお客さまに対して、オラクルはどのようなテクノロジーを提供し、お客さまはどのような価値を享受できるのかを聞いてきました。

» 2016年09月20日 10時00分 公開
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今回は、米国のオラクル本社からSAPアカウント担当が来日

こんにちは。日本オラクルの増田佑菜(ますだ ゆうな:写真左)です。

今回は、米国のオラクル本社からSAPアカウント担当 バイスプレジデントを務めるゲルハルト・カップラーさんが来日し、セミナーを行うというので、日本オラクル 執行役員でクラウド・システム事業を統括する山本恭典との対談模様をお届けします。そして、最後に私の後輩女子、松崎穂波(まつざき ほなみ:写真右上)と吉田千華(よしだ ちか:写真右下)とセミナーに参加したので、その模様も少しだけ紹介します。

カップラーさんは、これまで18年以上SAPを担当し、オラクルのデータベース製品、中でもSAP社のアプリケーションを利用されるお客さま・パートナー企業さまのご支援のため、SAP社との契約や開発、製品管理、サポートにおける全責任を担っています。

SAPのお客さまに対して、オラクルはどのようなテクノロジーを提供し、お客さまはどのような価値を享受できるのでしょうか。


SAPプラットフォームのトレンドと事例

オラクル・コーポレーション SAPアカウント担当 バイスプレジデント ゲルハルト・カップラー

山本 グローバルでは、SAPのミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションを動かすプラットフォームとしてOracle SuperClusterが爆発的に売れていると聞いていますが。

カップラー 爆発的に売れているとまでは言えませんが、非常に堅調な売れ行きとなっています。パフォーマンスが非常に高く、ハードウェアとソフトウェアの融合に優れ、インフラの信頼性が高いことが受け入れられています。われわれはこの1年で、SAPのアプリケーションを動かすSPARC SuperCluster for SAP(以下、SuperCluster)に対して非常に大きな実績を残してきました。

山本 どのような地域でSuperClusterは使われているのでしょうか。

カップラー SuperClusterは、世界中で提供されていますが、特に普及率が高いのは米国です。アジアも、同様に成長してきていますね。もともと、大規模でミッションクリティカルな基幹業務で安定性が高い、Solarisのインフラを持っているお客さまが多いですから。

山本 実際にSuperClusterを使われているお客さまの事例を教えてください。

カップラー スペイン最大の鉄鋼メーカーであるCELSA GROUPは、「サプライチェーンを最適化して、鋼鉄の納期厳守を実現するために、SAP ERPの停止時間を減らしたい」と考えていました。Solarisで堅牢な基盤を構築できるSuperClusterとOracle Exadata Database Machineを使うことで、アプリケーションのパフォーマンスを3倍向上させ、人件費を65万6000米ドルも削減しています。

 またインドネシアの上場企業からは、「SAPソフトウェアを24時間365日に運用できる環境を保証してほしい」という難易度の高い要件がありました。「高パフォーマンス、高可用性、高信頼性を実現するSolarisおよびOracle Databaseによって、この要件を満たせる」とお客さまには判断していただきました。

 フランスの国際的な情報技術会社であるAtoSでは、SuperClusterによって劇的なパフォーマンス向上とコスト削減、迅速なサービス展開を実現しています。AtoSは、OSはSolarisのままでマルチテナントを利用できることからエンジニアドシステムであるSuperClusterを選択し、サーバを集約して運用コストとともにエネルギー消費も抑えています。

SAPユーザーにOracle SuperClusterが選ばれる理由

山本 SAPのお客さまにとって、SuperClusterの優位点は、どこにあるのでしょうか。

カップラー お客さまがSuperClusterを選ばれる理由は、1つのシステム上でSAPの環境と高速なデータベース環境を統合できるからです。そして、SPARC M7の基本性能が良いことも理由の1つでしょう。実際、SPARC M7はSAP社のベンチマークで非常に良い結果が出ています。そして、仮想環境の柔軟性が非常に高く、多くのコアを効率的に利用可能なため、ビジネス環境の変化に迅速に対応できるプライベートクラウド環境を構築できます。セキュリティ面も、お客さまが安心できる環境を構築できます。SolarisのセキュリティとOracle Advanced SecurityおよびOracle Database Vaultを組み合わせることで、システムの全てのレイヤーでの多層防御を行うことによってお客さまに堅牢性が高いセキュリティを提供できるのです。

 パフォーマンスや拡張性に限界を感じてWindows環境からSuperCluster環境に移行するお客さまもいらっしゃいますね。また、Oracle Database In-Memory(以下、In-Memory)によるデータベースの性能向上を期待されているお客さまも非常に多くいらっしゃいます。X86のシステムですが、実際社内の性能評価ではSAP HANAの約2倍の性能を確認しています。オラクルのハードウェアやデータベースの機能は、SAPのお客さまに非常に大きな価値を提供しているのです。

日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括 山本恭典

山本 やはりデータベースの優位性がSuperClusterについても注目されているのですね。SuperClusterは「Solaris版Exadata」という感じですね。SPARCそのものが非常に進化してきている中で、「Software in Silicon」として、セキュリティ機能やSQLがチップに埋め込まれるようになってきました。これらの機能は、SAPのお客さまにも必要になってくると思いますが、どのように考えていますか。

カップラー 非常に良い質問ですね。今、まさに「Software in Silicon」への対応に取り組んでいるところです。非常に素晴らしいコンセプトで、「Data Analytics Accelerator(DAX)」については12cで、そのテクノロジーを享受できます。「Security in Silicon」については、Solarisのサポートが関係するため実装には少し時間がかかると思いますが実現するでしょう。というのも、オラクルとSAP社は長期の契約を結んでおり、SAP社はSolarisの最新版をサポートすることになっているからです。例えば、2015年10月には、Oracle Solaris 11.3がリリースされていますが、これもSAPの最新バージョンでサポートされるようになるでしょう。これらは、SPARC/Solarisのお客さまからの要望があって実現しています。

山本 今後は、セキュリティ、データベースに加えて、Javaの性能がSAPのお客さまに有益になっていくと思いますが。

カップラー 私も、全く同感です。それぞれに対応する機能をできるだけ早くリリースしてほしい、とお客さまからSAPに要望が出ていると思います。

山本 Oracle Engineered Systemsには、他にもOracle ExadataやOracle Exalogicがありますが、なぜSuperClusterが選ばれるのでしょうか。

カップラー SuperClusterが選ばれるのは、今までSPARC/Solarisを使用してきて、その信頼性と可用性を自分たちのシステムの実績として高く評価していただいていることが第一の理由です。このようなお客さまは「SPARC/Solarisを引き続き使用したい」という希望を持たれています。また、Solaris/SPARCシステムでの互換性があるため、アプリケーションの移行が容易な点が、もう1つの大きな理由です。そして、Exadataの持っているデータベースの高速化とExalogicのJava環境が使用でき、データベースとアプリケーションを統合した環境で利用できるからです。また仮想環境を利用して、SAPのワークロードを安全に分離できることも、選ばれる理由の1つです。ですので、SPARC/Solarisを使われていた多くのお客さまは、「Linuxではなく、UNIXのプラットフォームにとどまりたい」と考えています。

山本 もともと、SAPはメインフレーム上で動いていたと思います。それがUNIXサーバに変わり、何十年もかけて安定化してきた中で、現在は、超高速で安定性があり、セキュリティレベルが高いOracle Engineered SystemsおよびSPARC/SolarisがSAPの今後のベストプラットフォームになると思っています。

カップラー 他のプラットフォームよりも、大きな優位性があると私も考えています。SAPでのSPARCのシェアは、非常に安定してきましたが、SuperClusterによって、さらに成長軌道に乗ってきました。さらに、堅牢性や拡張性、パフォーマンスが向上することによって、SAPのお客さまは、ますますSuperClusterに移行していくことになるでしょう。

SAPの真の意味での選択肢はSuperClusterとIn-Memory

山本 SAPは、Oracle Databaseではなく、他のデータベースや自社データベースのSAP HANAを推していますが、その中でもOracle Databaseのシェアが落ちていないということは、「お客さまに受け入れられている」ということですね。

カップラー SAPのお客さまは、保守的に考えている方が多く、実績のあるシステムとデータベースが選択される傾向があります。それだけではなく、機能やパフォーマンス面でも、Oracle DatabaseはSAP HANAに勝っていますので、比較した上でオラクルのデータベースを選ばれるお客さまも多くいらっしゃいます。

 われわれは、プラットフォームとデータベースのリーディングプロバイダーです。SAPがお客さまにSAP HANAという1つの道しか示さないのに対し、われわれはSAPとの長期のリレーションシップの中でそれ以外の選択肢を示し、お客さまの成長を支え、高いパフォーマンスを提供しようと考えています。

山本 具体的な例があったら教えてもらえますか。

カップラー In-Memoryの事例としては、ドイツの自動車部品メーカーBoschがあります。Boschは、SAP CRMのプラットフォームとして、SAP HANAではなくIn-Memoryを採用しました。

 これは、Active-ActiveクラスタリングのRACやIn-Memoryの技術で高いパフォーマンスを評価していただき、「アプリケーションを変えることなく、同じソフトウェアスタック上にとどまりたい」と考えたからです。われわれのプラットフォームをお客さまが選んでくれる理由の1つは、お客さまに選択肢を提供していることだと思います。

ハイブリッドクラウドを選択することが重要

山本 大規模なシステムインテグレーションを行っている複数のパートナーからは、「SAPのアプリケーションを使うなら、拡張性や信頼性の面を考慮すると、データベースの選択肢はOracle Databaseしかない」と聞いています。

カップラー われわれがお勧めするのは、最新のSuperClusterとSolarisです。市場の様子を見守ってもらえれば、5年後にはSuperClusterが最善な選択肢だと思っていただけると信じています。お客さまは、SAP NetWeaverにかなり大きな投資をしているので、SAP HANAのような未開の地に入るのではなく、SAP NetWeaverと互換性のあるテクノロジーが使われていくと考えています。

山本 SAPも「クラウド」を提唱していますが、オラクルにもクラウドがあります。お客さまにとってはどのような選択肢になるのでしょうか。

カップラー SAPのクラウドはインフラストラクチャクラウド(IaaS)ではなく、アプリケーションクラウド(SaaS/PaaS)です。オラクルは、インフラストラクチャクラウドとしてSAPをサポートすることを考えています。プライベートクラウドとしてSAPやその他のアプリケーションをサポートするインフラストラクチャのプラットフォームは、SuperClusterが最善だと考えています。欧州の大手ホスターが、「管理性や拡張性の高さから、SuperClusterはホスティング環境に最適だ」と考えていることからも、クラウド環境に最適ということが分かると思います。

山本 ありがとうございます。SAPは、ミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションであるため、プラットフォームの選択が非常に重要ですね。IT業界の潮流としてはクラウドが一般的になってきていますが、その前に「より快適でより安全な計算基盤」という、もっとベーシックな部分が見過ごされてしまっているような気がしています。SAPとSPARCによるIn-Memoryのさらなる高速化、そしてSPARC/Solarisによる、より安全なSAP環境を提供することで、オラクルはSAPのお客さまにとって非常に重要で価値のある選択肢を示しているのではないでしょうか。

カップラー 私たちにとっても、SAPとOracle DatabaseそしてSuperClusterで将来にわたって実現されていく価値は非常に楽しみです。SAPのお客さまにとって、Oracle for SAPが最も信頼性が高く、拡張性の高いプラットフォームであることを皆さんに知ってほしいですね。

※ 本編で紹介したように Oracle SuperClusterが、なぜSAPに適したセキュアアーキテクチャなのか、詳しく解説したホワイトペーパーをご用意しました。あわせてこちらからご覧下さい。

Oracle Database 12c for SAP 最新情報セミナーも取材

 「Oracle Database 12c for SAP 最新情報セミナー」に登壇したカップラーさんは、オラクルとSAPのこれまでの歴史を振り返り、長年のリレーションシップがある中で、多くのSAPユーザーがOracle Databaseを信頼してきたことを強調しています。そして、Oracle Database for SAPの特徴や優位性を説明し、SAP Business Suiteは10年後の2025年までサポートされていることや、Oracle Database 12c for SAPの認定ロードマップなどを話し、幾つかの事例を紹介していました。

 特に、カップラーさんが次のように強調していたのが、お客さまのことを本当に考えて提案されていると感じて印象に残っています。

 「SAP HANAのプロジェクトを始める前に、Oracle for SAPやIn-Memoryで課題解決することを考えてほしいですね。In-Memoryの方が、アプリケーションを変更することなく迅速に導入でき、導入コストを安く抑えることができ、導入することで、今後数年間、素晴らしい環境を実現できます」

 なお、私、増田は今回で本コーナー「SPARC/Solaris World」のナビゲータ役を卒業します。次回からのナビゲータは冒頭で紹介した、松崎と吉田に引き継ぎましたので、今後は2人のことを暖かく見守っていただければうれしいです。

 松崎「はじめまして松崎です。今後よろしくお願いします。増田先輩に負けないように体当たり取材もしていきます」

 吉田「はじめまして吉田です。今後は私たちがSPARC/Solarisの“新発見”を記事で紹介していきますので、よろしくお願いします」

引き継ぎの様子

ホワイトペーパーダウンロード

なぜ、唯一のSAP向けセキュアアーキテクチャーと呼べるのか?その理由が明らかに

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SAPとOracle Databaseに最適化された環境を提供するOracle SuperCluster M7の詳細を公開

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年9月30日

ナビゲータ紹介

日本オラクル入社2年目の吉田千華(よしだ ちか:写真左)と松崎穂波(まつざき ほなみ:写真右)です。クラウド・システムの営業部で日々業界のことや技術のことを勉強中です。 最近では、お客さまのもとにうかがってお話を聞く中でSPARC/Solarisの面白さを発見することもしばしば。このコーナーでは、私たちがお客さまにうかがったSPARC/Solarisの“新発見”を記事で紹介していきます。「SPARC/Solarisの魅力」をたっぷりお届けします!

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