安心安全に使えるコラボレーション サービス「Microsoft 365」には、企業電話サービスを提供するクラウド型 PBX の機能もあるんです。本稿では、スマホや在宅勤務でもオフィス内と同等の電話を利用できる電話システムのメリットを紹介します。
昨今、テレワークの需要が急速に高まり、Web 会議ツールやグループチャットなど、出社しなくても業務を遂行するための環境を急ピッチで準備する職場が増えてきていると思います。メールやチャットでも、必要な顧客や取引先と連絡を取り合うことはできますが、普段は電話でコミュニケーションしている相手の場合、テレワークになったらどのように引き続き連絡を取り合えばよいのでしょうか。
会社支給の携帯電話を貸与されている従業員は、引き続き携帯電話での通話が行えますが、テレワークする全ての従業員が携帯電話を貸与されていない場合も多いかと思います。従業員一人一人は携帯電話で仕事ができても、会社や部署の代表番号にかかってくる電話は、引き続き誰かがオフィスへ出社して、電話を取り次がなければいけないかもしれません。
このような課題に対応するために、クラウド型の企業電話システム(PBX)を導入する企業が増えています。
「Microsoft 365」の電話システム(Phone System)では、オフィスや店舗、リモートワーク、外出先など、さまざまな働き方をしている従業員でも、同じ電話環境を使って外線(一般公衆回線)/内線との通話を行うことが可能です。
例えば、昨日までオフィスで働いていた人が、急に今日から在宅で働くことになったとしても、PC やスマートフォンから Microsoft 365 へ接続できればオフィスの電話環境をそのまま自宅でも利用することができます。また、店舗で受けていた電話を一定期間対応できない場合でも、本社や外出先から直接電話を受け、顧客の電話番号へ折り返し発信することも可能です。
通常、移動や外出の多い従業員には、会社支給の携帯電話はスマートフォンを貸与することが多いと思いますが、最近のように急きょリモートワークが必要になった従業員には、購買や契約のスピードが間に合わない場合が多いのではないでしょうか。
Microsoft 365 の電話システムでは、クラウド型のサービス形態により、新規申し込みから1週間程度で利用を開始でき、端末を貸与しなくても普段利用している業務PCや個人所有のスマートフォンを企業電話として利用することが可能です。これなら、会社の電話も出社することなく対応することができるようになりますね。
Microsoft 365 の電話システムは、グループコラボレーションツールである「Microsoft Teams」と連携しています。チャットやプレゼンス(在席情報)と電話機能が連携することで、携帯電話や企業電話では得られない便利な使い方をすることができるのです。
例えば、オフィスにかかってきた電話に出て、自分は担当ではなかったので、他の方に代わってもらいたいことがありますよね。これまではオフィスを見渡し、担当者がいるかどうか、もしくは内線転送をして対応をお願いしたりしていたと思います。しかし、転送してみても実際はその方が会議や外出で離席しているのでつながらなかったり、そもそもテレワークをしているとオフィス内で助けを求めたりすることもできないですよね。
Teams と企業電話が連携していれば、まず対応してもらいたい人のプレゼンスを見てステータスを確認できます。[通話中]のステータスの人は今は別件対応中なので、新規対応は難しそうだったら、[連絡可能]の方に対応をお願いできないか聞いてみることができますね。かかってきた電話は保留にして、音声通話でも同僚に相談はできますが、Teams ならチャットでも相談が可能です。対応していただけそうだったら、直接顧客からの外線通話を同僚へ転送することで無事対応は完了。無駄な戻りもなく、迅速かつ効率的に顧客対応を完了することができます。
そもそも、こうした電話取り次ぎの仕事を、どんどん減らしていきたいと考える企業も増えてきています。
かつては顧客や取引先からオフィスへかかってきた電話は、3コール以内に受話しなければいけないというルールがありました。早く受話したとしても、結局は担当者が不在で折り返しの連絡になると、顧客は対応を待たされるし、取り次ぎのための人員確保も必要になります。
Microsoft 365 の電話システムでは、代表電話の取り次ぎを AI に任せ、顧客の要望に合わせて社員への電話を直接転送することもできます。対応可能な従業員のうち、ステータスが対応可能なものにだけ転送することもできますし、モバイル端末でも受話可能なので、出先でも対応することができます。
なるべく電話の折り返しのやりとりをなくし、顧客満足度を上げながら、取り次ぎ作業も簡略化することで、従業員はより価値を生み出す業務に集中する――。そんな電話の運用にまつわる効率化も、Microsoft の AI とコグニティブ サービスが実現してくれます。
電話システムを使う上で、基本的に必要なものはインターネット接続と Microsoft 365 のみです。電話回線を別途契約する必要はありません。
会社支給の端末を考えるのであれば、データ通信のみの契約をした SIM カードを入れたスマートフォンを従業員に持たせることで、低コストで社員に電話環境を提供することができます。もしくは、社員が個人で所有しているスマートフォンへ Teams アプリをインストールすれば、端末の追加コストはゼロで導入することもできてしまうんです!
大きく分けて導入の構成パターンは3通りあります。「(1)オンプレミス接続モデル」は、既存キャリアの固定回線の継続利用や、既存のオンプレミス型の PBX との相互接続を行いたい場合にメリットがあります。拡張性や導入までの手軽さを重視するのであれば、「(2)キャリアホスト型モデル」と「(3)通話プランモデル」がお勧めです。
来週新入社員が入るので10番号追加したい、来月の新規拠点導入の電話基盤を構築したい、といった場合にも即座に拡張、展開できます。拠点や自社のデータセンターへ回線や機器を設置しなくてもいいのも、クラウド時代のインフラとしての需要に応えることができる点ですよね。また、拠点の撤退や従業員の移動などがあれば状況に応じて縮退も可能。もちろん、(1)〜(3)のモデルは混在することもできるので、拠点や事業所の要件に応じて柔軟な電話環境を構築してください。
個人端末や社給端末に Teams アプリをインストールするだけで、スマホの内線/外線電話化ができるといっても、どこからでも利用できる環境でセキュリティを担保できるのか不安になったりしませんか。
Microsoft 365 では「Mobile Device Management(MDM)」の機能でデバイス丸ごと制御できますが、スマホ内線化で注目したいのは「Mobile Application Management(MAM)」での制御です。
Teams のようなコラボレーションツールをモバイルからも利用できるようにする上で、まず気になるのが社内機密情報の漏えいを防げるか、ですよね。会社の目の届かないところで従業員の不注意により、もしくは意図的に顧客情報や機密情報が社外へ持ち出されないように、Microsoft 365 の MAM では、会社で制御されたアプリからのファイルの保存やコピー&ペーストの無効化を制御することができます。もちろん、社用メールと Teams 間のやりとりのみ許可する、という設定もできますので、利便性を損なうことなく、モバイル環境で便利に安全に電話機能を含む Teams のコラボレーション機能を利用できます。
ID の乗っ取りや資格情報の漏えいに備えるためには、「Azure AD Premium」の「条件付きアクセス」を利用するのがお勧めです。多要素認証や認証済みデバイスからの接続のみを許可することで、万が一、会社の ID とパスワードが第三者へ流出したとしても、情報流出を防ぐことができます。こういった仕組みをオンプレミスの構成を必要とせず、クラウド上だけで短期間に構成、展開できるのが Microsoft 365 のセキュリティ機能なのです。
クラウド PBX やソフトウェア型の電話サービス(ソフトフォン)というと、電話の機能としては非常に簡素なものを想像される方も多いと思います。「もしもし、はいはいができて、後はせいぜい保留ができるくらいでしょ」というサービスもあるかもしれませんが、Microsoft の電話システムは企業電話に必要な機能は全て備えています。
機能 | Teams 対応 |
---|---|
自己保留・保留解除 | ✔ |
通話中の手動転送(ブラインド・コンサルタント) | ✔ |
自動転送 | ✔ |
不応答転送 | ✔ |
同時呼び出し | ✔ |
通話履歴 | ✔ |
発信者番号通知(変更) | ✔ |
着信音設定 | ✔ |
固定電話 | ✔ |
ボイスメール | ✔ |
キャンプオン | ✔ |
着信拒否設定 | ✔ |
代理機能(上司・秘書機能)・共有ライン | ✔ |
通話グループ・コールピックアップ | ✔ |
コールキュー | ✔ |
コールパーク | ✔ |
電話システムの機能一覧 |
例えば、転送機能。代表電話を受話して個別の従業員の電話に転送する場合は、直接すぐに転送することもできますし、いったん同僚に相談してから転送する取次転送(コンサルテーション転送)も可能です。他にも秘書が役員の代わりに電話の発着信を担う秘書機能や、複数人で着信(ライン)をシェアするシェアードライン アピアランス(マルチライン アピアランス)の機能、番号で保留して遠隔にある電話で保留再開してもらうパーク保留の機能も使えます。
小規模でのスタートもしやすく、大企業で展開してもさまざまな従業員の働き方にフィットした利用が可能ですね。
せっかく新しいツールを入れても、どれくらい利用してもらっているか、どんな環境で活用されているか、管理者側から確認できないと導入効果を具体的に報告できないですよね。Microsoft の電話システムでは、活用頻度のレポートやトラブルシュートに必要な情報も一覧で確認できるレポートが用意されています。
どのユーザーがどの宛先と通話したか、着信があったのか、総計での日にちごとの通話分数を確認することができます。
また、詳細のレポートを利用すると、全体の中でどれほどの割合で通話品質が良く、どれほどの割合で通話品質が悪かったのかをグラフで確認することが可能です。さらに、利用されたネットワークや場所の情報、デバイスや OS、アプリのバージョンなどで掘り下げて通話品質を確認することができるので、通話品質向上のために取り組むべき切り分けを行うことができるのです。標準の機能でこれだけの確認ができるので、管理者側の負荷も最小限に抑えることができます。
突然の在宅勤務の実施や外出が制限されることで、職場にも生活環境にも負担が増えるかと思います。急きょ発生した危機的状況を少しでも小さいコストで乗り切るためにも、部分最適でまずは電話のソリューションを一部切り取ることを考えてみてはいかがでしょうか。きっとこれを乗り越えた先にも柔軟な働き方を支える、重要なインフラになるはずです。
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年6月17日