日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部は、最新技術を利活用し、便利で豊かな暮らしであるスマートライフの実現に貢献する事業を展開している。これは、全ての人が働くことを中心に楽しく生活することを目指す事業でもある。
「全ての人に幸せを提供し、テクノロジーで支援する。それがわれわれのビジョンです」と話すのは、日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部 事業部長 執行役員の田屋秀樹氏だ。
スマートライフソリューション事業部には、5つの事業分野がある。
働き方改革となるワークスタイルイノベーション事業が扱うソリューションの一つが、人事総合ソリューション「リシテア」だ。多様な人財の働き方を支援し、先端のAIなどを活用してアナリティクスを行ったり、エンゲージメント改善にも役立てたりできる。日立グループはもちろん、大手製造業や運輸交通業など多くの企業に利用されている。
現状の課題に対処するだけでなく先を見据えたものであり、多様性への対応などにも取り組んでいる。またコロナ禍への対応で始まった日立ソリューションズの在宅勤務経験を生かし、将来の仮想オフィスの在り方やそのより良い運用のためにコミュニティー機能なども提供している。
ワークスタイルイノベーション事業では他にも、仮想空間を使った新たな展示会の実現、ペーパーレスや電子帳簿保存法(電帳法)への対応などに幅広く取り組んでいる。コロナ禍での日立ソリューションズの経験を生かしてソリューションにし、顧客にも提供している。働く環境を改善して残業などを減らし、働く人の生活を豊かなものにする。それを地球環境などにも配慮した形で実現するのが目的だ。
スマートライフソリューション事業部は、事業部メンバーたちの働きやすい環境作りにも積極的に取り組んでいる。
特に力を入れているのがスキルアップ支援だ。目の前の業務課題の解決だけでなく、将来的なキャリアを見据えて学べる機会を作り、制度として支援している。
「プロジェクトマネジメントやデータサイエンティスト、最近はAIなどについて学びたいとの要望が増えています。他にもコミュニケーション能力向上やプレゼン力などビジネス的なものもあり、みな積極的に学んでいます」(田屋氏)
日立ソリューションズに中途入社し、マーケティング担当として活躍している中川麻紀子氏(スマートライフソリューション事業部 ワークスタイルイノベーション本部 ワークスタイルイノベーション企画部 主任)は、入社後に「社員教育の体制がしっかりしている」という印象を持ったそうだ。スペシャリストを目指し学ぶ機会も、マネジメントにチャレンジするためのキャリアパスもあり、新卒、中途入社を問わずチャレンジしやすい環境が整えられていると中川氏は言う。
もう1つ力を入れているのが、社員同士の連携力強化だ。
技術力は先輩、後輩が一緒に働く中で継承する。とはいえコロナ禍もあり、肩を並べて働く機会は減っている。そのような際に有効なのが、プロジェクト終了後に必ず行っている「反省会」だ。足りなかったことが何かを明らかにし、結果を文書などでしっかり残して再利用できるようにしている。
1年目、2年目社員による「成果発表」もスキルトランスファーに役立っている。発表者は先輩社員の指導を仰ぎ、業務の考え方なども教わる。他にも全社レベルでの「ノウハウを共有し、今後に生かす取り組み」があり、失敗事例も共有している。「終わったことは変えられませんが、終わったことから未来は変えられます」(田屋氏)
もう少し柔らかい連携の場としては「気軽な雑談で情報収集ができる取り組み」がある。お茶を飲みながら会話するもので、部門間をまたいだつながりを作る場として大きく機能しているという。
日立ソリューションズは、自社製品も海外ベンダー製品も扱い、それらを組み合わせて新たな価値を創出しているため、各製品の担当部門が連携することが必要だ。「雑談の場に参加すると、他部署にいる人が何をやっているかが分かります。大きな会社は縦割りになりがちですが、横のつながりが生まれます」(田屋氏)
中川氏も、雑談による情報収集を有効活用している1人だ。
「雑談時の会話が業務のヒントとなることもありますし、1人ではできない業務をここで知り合った人に相談して一緒に始めることもあります」(中川氏)
中川氏は考え方もKPIも異なる他部署のメンバーと一緒に仕事をすることが多い。現在、RPA(PCのデスクトップ上の定型作業を自動で行うソフトウェアロボット)やiPaaS(クラウド、オンプレ問わずシステム統合できるプラットフォーム)といった業務自動化に関わるソリューションのマーケティングに携わっている中川氏にとって、社内連携は重要な役割を果たす。
さまざまなメンバーと仕事をするときは、共通のゴールを設定し、全体最適を考え、異なる立場を理解しながら同じゴールに向かう。そのときに、雑談を始めとしたコミュニケーションの場で培った連携力が生きるのだ。
前職の経験を生かし、今後はマーケティングの仕組みを整えていきたいと志をもって仕事に取り組む中川氏にとって、組織を超えた仲間の連携力は大きな武器となる。
学べる機会を増やし、コミュニケーションを活性化させたことで、社員にチャレンジする機運が生まれている。チャレンジする人が増えることが大事であり、その育成に田屋氏は取り組んできた。「昔はいろいろな条件をクリアしないと先に進めないことが多かったのですが、今は失敗してもよく、ハードルを下げてどんどんアイデアを出せるようにしています。この流れを次の世代にもつないでいきたいと考えています」(田屋氏)
スマートライフソリューション事業部のエンジニアの特徴を聞くと、「技術力」という答えが2人から返ってきた。
日立ソリューションズには、社会インフラをはじめとした「ものづくり」に取り組んできた高い技術力がある。日立グループはこれまで、PCからメインフレームまで、ハードウェアはもちろん、基礎となるOS、その上で動くデータベースやアプリケーションまで、全てを自前で作ってきた。そのため「何が来てもどのようなものかの想像が付きます。その上でさまざまな業界の知識もあるのでアレンジして最適化できるのです」と田屋氏は胸をはる。ものづくりのベースがあることで、オーダーメイド、カスタムメイドで顧客の要望にきめ細かく応えられるのだ。
1つの象徴的なエピソードがある。あるベンダーの製品に不具合が発生し、顧客業務が遂行できなくなったことがあったという。ベンダーは「次バージョンで対応する」というが、顧客業務は止められない。そこでスマートライフソリューション事業部のエンジニアが代替プログラムを作成して不具合を回避し、新バージョンが出るまで顧客の業務を支えたのだ。
「自分たちでイチから作ってきた技術があるので、この対応ができました。われわれには顧客にとって何が良いかを考え対応できる技術力がある。それが強みなのです」(田屋氏)
中川氏も仲間の技術力に絶大な信頼を寄せている。自信を持って顧客に提案できるし、結果にも表れている。品質を重視するため、ときには他社よりも提案価格が高くなり失注することもある。しかし、サポート力の高さや品質の良さが評価され、しばらくしてから改めて依頼が来ることも多々あるのだという。
スマートライフソリューション事業部で取り組んでいるユニークな取り組みが「PM(プロジェクトマネジャー)を支援する仕組み」だ。
PMは責任感が強く、トラブルや困りごとがあっても1人で抱え込んでしまう人が多い。そこで、プロジェクトの不調をいち早く察知し助けに入れるように仕組み化したのがこのサポートだ。
事業部には900人ほどのメンバーがいてプロジェクト数も多い。本人からの相談を待っていては、困っているPMを見つけるのは困難だ。そこで導入したのが「チェックシート」だ。スケジュールやコスト、顧客関係などを項目化したシートを定期的に配り、PMに「○(問題なし)」「△(状況が良くないが改善見込み)」「×(状況が悪い)」「★(直ちにサポートが欲しい)」で表現してもらう。
×や★があれば、事業部長直轄のPMサポートメンバーたちが支援に入る。PM経験者のベテランや志願者で構成された精鋭部隊だ。
PMサポートを始めたころは、×や★を付けることをPM本人が躊躇(ちゅうちょ)したり、PMの上司がいい顔をしないこともあったりしたそうだ。だが、不調の合図を早めに察知して対応することの重要性を何度も説き、やっと★を付けられる文化ができてきたという。「大変なときに大変だと言えることは重要です」(田屋氏)
田屋氏は「スマートライフソリューション」という組織名が素晴らしいものだと感じている。「人々の生活の仕方をどんどんスマートにし、働き方もスマートにする。技術が変わるとしても、10年後も同じ考えでやっていきたいです」(田屋氏)
社員を大切にし、かかわる全ての人を大切にし、顧客や社会のスマートライフの実現を応援する。それが日立ソリューションズの“らしさ”だ。
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提供:株式会社日立ソリューションズ
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2023年2月26日