DXの推進で避けては通れない「データ管理」に求められる4つの要件膨大なデータを生かすためには「ストレージの垣根をなくす」ことが重要

日々の業務や意思決定など企業活動と密接に関わっているデータ。DXやデジタル化の推進に伴い、多くの企業で扱うデータ量が増加の一途をたどっている。今後のストレージ戦略において、何を重視すればいいのか、どのような管理が有効なのか。デル・テクノロジーズに聞いた。

» 2023年03月29日 10時00分 公開
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「巨大な非構造化データ群」をビジネスで生かせるかどうかが重要

 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している。企業は、内外に存在する多様で大量のデータを活用して既存のビジネスや業務を改善、最適化したり、新しいビジネス価値を生み出したりする取り組みを進めている。こうした中で「ストレージに関わる課題」が浮き彫りになってきている。それは「非構造化データ」の扱いだ。

画像 非構造化データの管理問題

画像 デル・テクノロジーズの五十嵐修平氏

 基幹系システムや業務システムなどでやりとりされる「構造化データ」については、ほとんどの企業が強固なデータベース基盤を構築して管理している。ところが、音声、映像、電子メール、オフィス文書、各種システムやIoT(Internet of Things)センサーが発するログなど、DXやデジタル化において重要な非構造化データについては、管理が行き届いていないケースが多いという。

 デル・テクノロジーズの五十嵐修平氏(UDS事業本部 本部長)は「企業に内在するデータの80%が非構造化データだといわれる。この膨大で多様な非構造化データを活用することがDX実現の鍵になる。そうした背景もあり、巨大なデータ群を活用するためのストレージが求められている」と話す。

データ活用に向けてストレージに求められる要件――4つのポイント

 従来、非構造化データを扱うストレージといえば「NAS」(Network Attached Storage)や「オブジェクトストレージ」が代表的だった。「それらは優れたストレージではあるが、DX時代のストレージとしては、もう一段階進化させる必要がある」と五十嵐氏は指摘する。同氏はDX時代のストレージの基準として「拡張性」「パフォーマンス」「マルチプロトコル」「安心・安全」という4つのポイントを挙げる。

 拡張性はこれまでも重要な指標であったが、DX時代においては規模が異なるという。

 「日々生み出される大量の非構造化データを管理するにはTB(テラバイト)クラスの容量では不十分だ。近い将来、PB(ペタバイト)クラスのストレージを個々の組織が保有していくことになる。データの増えるスピードも予測が難しい。柔軟かつ迅速に拡張できる能力が求められる」(五十嵐氏)

 パフォーマンスも重要だ。五十嵐氏は「これまではNASもオブジェクトストレージも、パフォーマンスは二の次のように扱われていた節がある」と指摘。DX時代、データはリアルタイムに分析して活用することが当たり前になるため、巨大なデータを即座に活用できる性能がストレージには求められる。

 非構造化データが生み出される環境は、従業員のスマートフォン、工業機械に設置されたセンサー、外部のインターネットサービスなど千差万別だ。これらのデータを受け取るストレージも、さまざまな機器からデータを受け取れるようにできるだけ多くのプロトコルをサポートしていることが望ましい。

 データがビジネスに直結するようになると、その価値は大幅に上昇する。それはサイバー犯罪者にとっても同様だ。ランサムウェアなどを用いてデータを人質に取り、身代金を狙う犯罪者が増えることは容易に想像できる。ストレージ側で確実にデータを保護し、侵害されても即座に復旧できる機能を持つことで「ビジネス継続性」を高められる。

クラウドとオンプレミスの垣根をなくすマルチクラウド戦略

 NAS、オブジェクトストレージ以外では「クラウドストレージ」も選択肢になる。クラウドベースで簡単に利用でき、柔軟性も高い有用な技術だ。だが、「企業のデータ活用という点では注意が必要だ」と五十嵐氏は注意を促す。

 「パブリッククラウドはパフォーマンスやセキュリティの面で一定の制約があり、全てのデータの管理に最適化されているわけではない。当初は安価に見えても、データが大きくなったり、やりとり(データの送受信)が増えたりするとコストが肥大化する恐れもある。そういった面では将来的なコストを予測しにくい」(五十嵐氏)

 クラウドのメリットは大きく、DXやデジタル化の推進において欠かせない。だが、膨大な非構造化データの活用という視点では課題も残る。この課題の解決策としてデル・テクノロジーズが提案するのが、オンプレミスとクラウドの双方のメリットを生かす「マルチクラウド戦略」だ。

 クラウドサービスのメリットの一つに「必要なときに必要なだけリソースを利用し、料金も利用した分だけ支払えばいい」という利用形態の柔軟性がある。そのメリットをオンプレミスでも得られるのが、デル・テクノロジーズの「Dell APEX」だ。オンデマンドにリソースを拡張できるハードウェアをサブスクリプションで利用できるサービスで、言い換えれば「オンプレミスのリソースを“as a Service”形式で使える」ということだ。

 技術的にもマルチクラウド指向が進んでいる。2022年に同社が発表した「Project Alpine」は、「Amazon Web Services」(AWS )や「Microsoft Azure」「Google Cloud」といったハイパースケーラーのクラウドサービス上でデル・テクノロジーズのストレージソフトウェアを稼働させ、オンプレミスでもクラウドでもシームレスな接続と一貫した管理を提供する取り組みだ。

 「オンプレミスやクラウドを問わず、あらゆる場面でデータ活用を促進させる技術の獲得に取り組んでいる。2022年にはSnowflakeとの協業を発表し、デル・テクノロジーズのオブジェクトストレージに格納しているデータをSnowflakeデータクラウドで活用するための準備を進めている。また、優れたデータ仮想化技術を持つStarburst Dataとの協業も発表している」(五十嵐氏)

 もちろん、マルチクラウドと一言で言っても、企業によって最適な状態は異なる。デル・テクノロジーズは、事前のアセスメントやコンサルティングにも注力しており、自社に適したストレージの導入や運用、データの連携と活用について相談できる。

 「経営層からDX推進を指示されている担当者も多いだろう。すると、どうしても手元にあるシステム、個人や部門内が保有しているデータから何とかしようと試みる。しかしDXは、組織やアプリケーションをまたいだデータ活用を意識しなければ前に進めない。また、DXが進むに連れてニーズは変化する。単にデータをため込むのではなく、必要になったときに対象のデータにすぐにアクセスできる環境を準備しておくことが肝要だ。もちろんIT部門だけで解決できることではないため、経営層がしっかりとリードし、サポートすることも重要だ」(五十嵐氏)

4つのニーズを満たすデル・テクノロジーズのストレージ

 デル・テクノロジーズのスケールアウトNAS「Dell PowerScale」(以下、PowerScale)とオブジェクトストレージ「Dell Elastic Cloud Storage」(以下、ECS)は、上述した4つのニーズを満たすストレージソリューションだ。

画像 デル・テクノロジーズが提供する非構造化データソリューション

 PowerScaleは拡張性に優れておりPBクラスの容量を扱えるため、大規模環境でも利用できる。ECSについては技術上の容量制限はないという。PowerScaleのOS「OneFS」は、従来のDell EMC Isilonストレージよりも小規模でスタートできる。管理性も高く、ダウンタイムなしでのメンテナンスも可能だ。ノードごとに拡張できるため、容量だけでなくパフォーマンスもニーズに合わせて強化できる点も重要なメリットだ。

 PowerScaleは「SMB」(Server Message Block)や「NFS」(Network File System)といったNASとしての標準的なプロトコルはもちろん、分散データ処理技術ミドルウェア「Hadoop」で用いられる「HDFS」(Hadoop Distributed File System)やクラウドアプリケーションでよく用いられる「Amazon S3」といったモダンなプロトコルにも対応している。

 データを保護するためのセキュリティも重要な要素だ。デル・テクノロジーズはストレージ側からデータの安全性を高める施策を講じている。

 「PowerScaleは、Supernaのランサムウェア対策製品『Ransomware Defender』と連携する他、論理的に隔離されたエアギャップストレージ(Vault)にバックアップを保管できる。これらによってクリーンなバックアップデータを維持し、有事の際にもすぐにリカバリーできる、非常に強力なランサムウェア対策が取れる」(五十嵐氏)

画像 PowerScaleの特長

 今後もデル・テクノロジーズは、セキュリティ強化およびマルチクラウド対応に注力し、ストレージソリューションの進化を続けていく予定だ。優れたストレージ技術、データ管理技術を有するテクノロジー企業との協業も積極的に進めており、「データ処理や分析にかかるエコシステムを一層醸成していきたい」と意気込む。

 「データ管理について、もう一度『このままでいいのか』と再考してほしい。企業の中には膨大な量の非構造化データが眠っており、そこから確実に新しい知見を得ることができるだろう。デル・テクノロジーズのテクノロジーチームには、さまざまな業界で活躍し、現場のニーズをよく理解しているメンバーがそろっている。データをどう活用すればよいかストレージ戦略をどう検討すべきか分からないなら、まずは私たちに相談してほしい」(五十嵐氏)

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インテル® Xeon® Platinum プロセッサー搭載 Dell VxRailがもたらすメリット

 デル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計し、あらゆるコンポーネントの最適化と検証を経て出荷されるDell VxRailは、DXを実現する次世代ITインフラに新たなユーザ体験をもたらします。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年4月15日

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