ステップアップを目指して転職を考えるITエンジニアにとって、転職先の業務内容や労働条件はもちろんだが、新しい上司や同僚との人間関係やコミュニケーションも大いに気になるところだ。トヨタコネクティッドに転職した若手エンジニアが、入社から1年を振り返り、これらの点についてどのように評価しているのか、その“本音”を取材した。
トヨタコネクティッドは、安心安全で快適便利なドライブ体験をサポートするコネクティッドサービスをはじめ、世界中のコネクティッドカーから収集されるビッグデータを活用したモビリティサービスなどを手掛ける、トヨタグループのIT事業会社だ。
これまでは人材派遣やSIer(システムインテグレーター)への外注でエンジニアを確保し、開発業務を進めてきたが、方針を大きく転換。コア領域の技術力や開発力の向上とビジネスアジリティの向上を目指して内製化を推進し、ここ数年はエンジニアの中途採用に力を入れている。今回インタビューした2人も中途採用組で、まだ入社1年ほどの若手エンジニアだ。
27歳の安井海人氏は、前職が工場向け生産管理システム(パッケージ製品)の開発で、2023年11月にトヨタコネクティッドに入社。テレマティクスサービス部 テレマティクスサービス室にある開発グループに所属し、テレマティクスサービス「T-Connect」の海外向けのサーバ開発を担当している。
開発グループの拠点は名古屋市の本社に置かれ、十数名が所属している。現在は複数の開発パートナーに委託する形で、中東、南米、ASEAN(東南アジア諸国連合)向けの開発プロジェクトが動いており、委託先コントロールを含むプロジェクト管理が主業務だ。トヨタコネクティッドが内製化の方針を打ち出す中、安井氏は開発パートナーと共働で開発業務に携わる“新しい試み”の第1号となった。
「テレマティクス室配属後、室長との1on1面談で『もっと開発業務の経験を積んで技術を磨きたい』と要望を出したところ、『会社としてもちょうど内製化を目指しているところだし、これまで管理するだけだった委託先企業の開発現場に入ってもらおう』という話になりました。今はコーディングざんまいの日々です」(安井氏)
室長との面談を通じて自身の希望を実現した安井氏。週に1〜2回の室長面談、月に1回の部長面談など、全てのコミュニケーションがフラット&フレンドリーで、萎縮することなく思ったままを伝えられる“風通しの良さ”がある、と同氏は語る。ちなみに名古屋のオフィスに出社する際は、自席のすぐ後ろに部長が、隣には室長やグループマネジャーが座るが、上司と部下というより仲間同士という感覚で、活発にコミュニケーションができているという。
「前職では、自分の考えを述べた端から理詰めで否定されるなど、つらく悲しい思いをたくさん経験し、それも理由で転職に踏み切りました。トヨタコネクティッドでは全く逆です。どんな意見もまずは真剣に聞いて、異論があれば具体的に指摘してくれる現在の環境には本当に満足しています」(安井氏)
2024年8月には、開発パートナーと共働で開発業務に携わる“新しい試み”に2人目のメンバーが加わったそうだ。安井氏に期待されている役割は、見習いからスタートする新人を育成しつつ、現場で働くことで見えてきた開発パートナーの課題を改善につなげていくことだという。
30歳になったばかりという長谷川純平氏は、前職でケーブルテレビの企業グループが提供する新規IoTサービスの基盤構築および、その運用全般に従事していた。当時は構成がシンプルで基本的な運用業務しか担っていなかったことから、エンジニアとしての知識や技術力に不安を覚えていた長谷川氏だが、「面接後に、今の上司の皆さんから『入社後に勉強する覚悟さえあれば責任を持って育てます』と言っていただき、ここなら身を預けてもいいと思いました」とトヨタコネクティッドへの入社を決めた理由を語る。
2024年4月にトヨタコネクティッドに入社した後は、コネクティッド技術部 オペレーション室にて、T-Connectを含めグループが提供する各種サービスの運用改善を担当する。オペレーション室には、サービスを監視するチーム、定期的なメンテナンスを実施するチーム、運用の仕組みを構築するチームの他に、3チームの業務全てに関わる案件管理と業務改善を役割とする運用改善を行うチームがあり、長谷川氏はこのチームに所属する。
さらに、技術本部全体で推進しているDevOpsチームが一気通貫で運用まで行う取り組みを支援するサービスマネジメントオフィス(以下、SMO)でも、リーダーに任命されている。
上司との関係について、長谷川氏はこう語る。「私は東京のオフィス勤務ですが、同じオフィスの直属上司(グループマネジャー)はもちろん、名古屋にいる室長や部長とも、構えることなくいつでも気軽に思ったことを言い合える関係です。トヨタグループだけあって一つ一つの業務のレベルや難易度が高く、壁にぶつかることもありますが、ちょっとした悩みや困りごともめちゃくちゃ相談しやすいので助かっています。前職では全く想像もできなかった居心地の良さです」と、安井氏と同様に、極めてフラットでフランクなコミュニケーションに喜びを感じているようだ。
長谷川氏はトヨタコネクティッドの魅力として「勉強する機会の多さ」「業務の中で自主的に勉強する文化」を挙げる。技術本部でも、最低月1回はさまざまな講習や研修がある。部内書籍も豊富で、仕事を進める中で必要になってきた技術や知識を学び、学ぶことでさらに新しいことにチャレンジしたくなるそうだ。やらされ感を覚えることなく、勉強と仕事の両輪が自然にうまく回っている。
「業務が忙しくて勉強する時間がない……というのが一般的だと思いますが、ここでは勉強しながら仕事するのが当たり前です。各自が業務時間内で自主的に学び成長していく姿を目にして、自分もやってみようというモチベーションにつながっています」(長谷川氏)
会社としても、各種資格取得に力を入れている。単に費用負担するだけでなく、資格取得済みのメンバーが自分の経験を生かし、これから取得を目指すメンバーを支援するなど、上下関係を越えてエンジニア同士で教え合う文化もトヨタコネクティッドならではの魅力だ。エンジニアとして成長し続けるために、勉強と仕事を両立したい、資格を取得したい人には理想的な環境と言える。
最新技術への向き合い方も特徴的だ。トヨタコネクティッドでは、全社でAI(人工知能)の業務活用を推進しているが、それとは別に各部門に生成AIアンバサダーを置き、部門レベルでの啓発活動を行っている。
長谷川氏は入社直後に「面白いからやってみないか」と上司から提案を受け、コネクティッド技術部の生成AIアンバサダーとなった。専門の研修を受けた上で活用事例を紹介するなど「まずは使ってみようか」という雰囲気の醸成に奮闘しているが、ここでも前職との大きな違いに気付いたという。
「前職ではセキュリティリスクを必要以上に警戒しており、AI活用にブレーキをかけようとする傾向がありましたが、ここでは発想が真逆でした。安全にAIを活用するための専用環境が用意され、ルールやガイドラインも整っており、全員が安心してチャレンジできます。新しい技術に対応するスピード感が全然違うと感じました」(長谷川氏)
フラットな組織風土だけでなく、働きやすさを優先した制度や、トヨタグループならではの福利厚生にも満足しているという2人に、トヨタコネクティッドにおける今後のキャリアや展望を聞いてみた。
安井氏は、現在携わる「開発業務の内製化」を挙げた。トヨタコネクティッドで働くうちに、同社が長らく外部パートナーに依存してきたことによる技術レベルのばらつきや標準化されていない部分を課題に感じたという。
「今携わっているT-Connectに限らず、トヨタコネクティッドとしてシステム開発を全て内製化できるようにしたいですし、自分もそれができるエンジニアになりたいです。そうなれたときに、相変わらず自分で手を動かして開発しているか、それとも、これから入ってくる仲間に任せてさらに上流の仕事をする立場になるかはまだ分かりませんが、その時々で、やりたいこと、なりたい自分を追求して進んでいこうと思います。『トヨタコネクティッドはそれができる会社だ』と確信しています」(安井氏)
長谷川氏は、トヨタグループが提供するサービスの規模や社会的影響力を踏まえた上で、「何百万人ものユーザーを抱える巨大サービスの開発や運用に携われる経験は貴重でやりがいを感じています。こうした業務を通じて、誰かの安心や便利な暮らしに少しでも役立つことができればとてもうれしいです」と語った。
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提供:トヨタコネクティッド株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2025年3月5日