第1回 コマンド プロンプト入門(その1):Windows 2000 活用講座 Windows 2000 コマンドライン徹底活用(3/4 ページ)
GUIだけでは面倒な定型処理やシステムのメンテナンスも、コマンドラインを使えば効率よく作業できる。
コマンド プロンプトで使用するコマンドは、以下のような書式になっている。これをプロンプト文字(「C:\>」などという文字列)に続けて入力し、最後にリターン キーを押す。
コマンド名 [引数またはオプション...] <Return>
ここで、『[引数またはオプション...]』と書いた部分は省略可能なことを表わし、『<Return>』はリターン キー(もしくは「エンター キー」)を押すことを表わしている(以後の例ではリターン キーの表記は省略)。「コマンド名」は、基本的には、大文字でも記述してもよいし小文字で記述してもよい。これはWindowsのファイル名の名前付け規則に基づいており、どちらで指定しても、同じコマンドとして扱われる(例:「dir」コマンドと「DIR」コマンドは同じコマンドを表わす)。[引数またはオプション...]の部分も、基本的には「コマンド名」と同じく、大文字/小文字は区別されないものが多いが、場合によっては異なる意味を持つことがあるので注意が必要である。この連載では、「コマンド名」はすべて小文字で表わすことにし(通常、ユーザー入力は小文字で行われるため)、[引数またはオプション...]の部分は、大文字でも小文字でも同じ意味ならば、小文字で指定することにする。ユーザーによる入力を明確にするために、入力した部分には下線を引くことにする。
コマンドが外部コマンドの場合、上記の「コマンド名」にはファイル名の正しい指定(フルパス)が必要になる。このあたりは後で解説するので、ここでは単に、コマンドの名前を指定するものだと思っておいてほしい。
コマンド名の後ろにはスペース(半角の空白文字)を1つ以上置き、そのあとには引数やオプションと呼ばれるパラメータを並べる。引数とは、処理対象となるものの名前(ファイル名やディレクトリ名)や直接指定するデータなどである。そしてオプションとは、コマンドの動作条件などを指定するための文字列である。多くの場合オプションは、「/」(半角のスラッシュ記号)や「-」(半角のマイナス記号)で始まることになっている。Microsoftのコマンド プロンプトでは、オプションの開始を示す文字は伝統的にスラッシュを用いている(これはMS-DOSのころからの慣習である)。ただしUnix系では、オプションの開始文字としてマイナス記号を使うことが多く、Windows 2000版のものでも、マイナス記号で指定するプログラムもある(Microsoft以外から提供されるプログラムに多い)。また、どちらでも同じように受け付けられるようになっている場合もある。
このオプション開始文字は、シェルによって特別扱いされる文字になっている。例えば、ファイル名の一覧を表示するdirというコマンドを見てみよう。単に「dir」とだけ入力すると、「dir」を実行したフォルダ内にあるすべてのファイルやフォルダ名の一覧が表示される。しかし、
C:\>dir winnt
という具合に、「WINNT」という引数を付けて実行すれば、WINNTというフォルダにあるファイルの一覧を1行に1つずつ詳細なファイル情報を付けて表示し、
C:\>dir /w winnt
という具合に、「/w」というオプションを付けると、ファイル名やフォルダ名だけが、1行に複数個並べて表示される。つまりこのオプションを指定することにより、dirコマンドの動作が変わったわけである。また、オプション自体が引数を取ることもある。例えば
C:\>dir /o:d winnt
とするとファイルが日付順に表示されるし、
C:\>dir /o:s winnt
とすると、サイズ順にファイルが表示される。これは、「/o」オプションが「d」または「s」という引数を持ち、これにより、並べ替えに使う種類を指定している。ここで「/o」はorder(並べる)というオプション、「d(date)」は日付順、「s(size)」はサイズ順を表わす。
なおこのオプションや引数の書式は、あくまでもWindows 2000(およびWindows 9xやMS-DOS)におけるコマンドの基本的な原則にすぎない。実際にはコマンドによって、引数の指定方法やオプションの指定方法が決まっているし(中には変則的なものもある。Microsoft以外で作られたコマンドライン プログラムには、例えばUnix流のハイフンをオプション記号として使うものなどがある)、オプションと引数の区別も曖昧なことがある。Windows 2000で利用できるコマンドは、標準的に用意されているものだけでも数十個あるが、詳しくは次回以降で1つずつ取り上げて詳しく解説していく予定である。とりあえずコマンドの一覧やその使い方について簡単に知るには、コマンドラインで「help」コマンドを実行するか、Windows 2000ヘルプ([スタート]メニュー−[ヘルプ])にある「リファレンス」の「Windows 2000コマンド リファレンス メイン ページ」(Windows 2000 Server版では、「トラブル シューティングとその他の参照情報」−「その他の参照情報」−「Windows 2000コマンド リファレンス メイン ページ」)で解説されているので参照していただきたい。また各コマンドに対して、オプションとして「/?」を与えることで(例:「dir /?」と入力する)、簡単なコマンドやオプション、引数の解説が表示されるので、それをみるのもいいだろう。
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