気付きにくいREDOログの問題切り分けテクニック:Oracleパフォーマンス障害の克服(6)(3/3 ページ)
Oracleデータベースの運用管理者は、突発的に直面するパフォーマンス障害にどうやって対処したらよいか。本連載は、非常に複雑なOracleのアーキテクチャに頭を悩ます管理者に向け、短時間で問題を切り分け、対処法を見つけるノウハウを紹介する。対象とするバージョンはOracle8から9iまでを基本とし、10gの情報は随時加えていく。(編集局)
REDOログ・ファイルの追加方法
REDOログ・ファイルを追加するには、リスト6のSQLを使用します。
SQL> ALTER DATABASE ADD LOGFILE('ファイル名') size ファイルサイズ;
REDOログ・ファイルの変更方法
現在使用しているREDOログ・ファイルを削除し、新たにファイルサイズの大きいファイルをメンバーに追加する場合、STATUSがCURRENTまたはACTIVEのファイルに削除コマンドを発行するとエラーが発生しますので、リスト7のコマンドでログ・スイッチを強制的に発生させ、STATUSをINACTIVEにします。
SQL> ALTER SYSTEM SWITCH LOGFILE;
そして、リスト6のコマンドを発行し、必要なファイルサイズでメンバーを追加します。
(3)チェックポイントの発生するタイミング
ログ・スイッチが発生するのは、
- ログ・スイッチ時
- 管理者によるコマンド要求時
- 動的初期化パラメータで設定した値に達したとき
- ABORTオプション以外のデータベースのシャットダウン時
- 表領域のオフライン設定時、オンライン・バックアップ開始時
のタイミングとなります。注目すべきは、動的初期化パラメータの設定値です。チェックポイントはデータベース・バッファ上のデータをディスクに書き込む、非常にサーバリソースを消費する負荷の高い処理です。通常は1時間に1回くらいが適正であるとされています。
下記の動的初期化パラメータはインスタンス障害発生時に回復を行う際の時間を想定した値とします。つまり、回復時間を想定し、その時間でインスタンス障害から回復ができるようにチェックポイントを発生させることになります。この回復時間が短いと、その分チェックポイントが発生しパフォーマンス障害の原因となります。
初期化パラメータ項目
- LOG_CHECKPOINT_INTERVAL
このパラメータにより計算されたREDOログ・ブロック数以下のブロックがインスタンス回復時に読み込まれるようにチェックポイントを発生させます。 - LOG_CHECKPOINT_TIMEOUT
このパラメータで指定された秒数以下でREDOログ・ブロックが回復中に読み込まれるようにチェックポイントを発生させます。 - FAST_START_MTTR_TARGET
このパラメータで指定された秒数でインスタンス回復が行われるように、上記のLOG_CHECKPOINT_INTERVALとFAST_START_IO_TARGETの2つパラメータが内部的に自動設定されます(Oracle9iから追加されたパラメータ)。
次回は「設定」項目のカーソルを取り上げます。(次回に続く)
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