こんな新人は勘弁してくれよ?:こんな新人は勘弁してくれよ?(2/2 ページ)
先輩エンジニアが一緒に働きたいというのは、どんな新人なのか。@IT自分戦略研究所で行ったアンケートから、先輩エンジニアの本音が分かる!?
プログラミングセンス対やる気と明るさ
あなたが新人を1人指導しなければならないとしたら、次の2人のうちどちらを選びますか。
(3)プログラミングセンスは抜群だが、目を合わせずあいさつもできず、とても客先には出せなさそうな新人
(4)明るくほがらかでやる気もあるが、プログラミングセンスがゼロの新人
あなたならどちらを指導する?
一方はプログラミングセンス抜群だが、人間性に問題がありそうな新人だ。もう一方はやる気はあって明るいが、プログラミングセンスは「ゼロ」の新人だ。極端な質問ではあるが、どうしても指導しなければいけないとしたら、どちらが選ばれるのか。
結果は、プログラミングセンス抜群の新人を選んだ人が34.6%、明るくほがらかでやる気もある新人を選んだ人が64.7%。ほぼ1対2の割合で明るくほがらかでやる気もある新人の方が多く選ばれた(図2)。
それぞれの理由を見てみよう。プログラミングセンスが抜群の新人を選んだ人は、「あいさつは教えられるが、プログラミングはセンスがないと成長できない」「仕事をするうえで必要なのは業務遂行能力」などを理由として挙げた。
「性格は変えられる」「ヒューマンスキルも訓練次第で習得可能」という意見も多く、「せっかくのセンスや技術を生かせないともったいないので、教育してコミュニケーション能力や営業力を身に付けさせる」「コミュニケーションの大切さを教えたい」という力強い発言も。一方で、「客先には出せなさそう」なことを理由に、プログラミングセンス抜群の新人は選べないという意見も多かった。
明るくほがらかでやる気もある新人を選んだ人は、「やる気さえあれば仕事はできるようになる」「技術はいずれ身に付く。コミュニケーション能力の方が重要」のような意見が大多数だった。センスのなさをカバーする方法としては、「サンプルプログラムを渡す」「ベースとなるプログラムを作っておき、それを変更させる仕事を割り当てる」などが挙げられた。
「ヒューマンスキルのない人は将来的には不必要な人材」「コミュニケーション能力に欠けるのは社会人として致命的」という厳しい意見があった。「話もできないのでは、仕事以前に一緒にいるのが嫌になりそう」「周囲にいい影響を与えない」というのは、仕事外の人間関係までを考えた意見だ。
「新人のときにプログラミングセンス抜群でも、先にいくほど伸びない人は多い」という鋭い指摘も見られた。
意外だったのは、「プログラミングセンスは努力次第で身に付く」という意見が多かったこと。全部で19件あった(「センスは先天的なものなので教えられない」という意見も15件あったが)。センスのない人はほかの分野でカバーするものか、と考えていたため、少し驚いた。これは本人や、かつて指導した新人で実績があったのだろうか。
これに対して、ある程度挙がるのではと思っていた「プログラミングセンスがなければこの業界は辞めた方がいい」という意見は、2件しかなかった。
結論
やる気と明るさで、プログラミングセンスのなさもカバーできる!
こんな意見も
プログラミングセンス抜群の新人支持
「自分に合った役割で個性を発揮できればいいと思う」
「作業効率は何ものにも代えがたい」
「きっかけがあれば人は変われる。自分がそうだった」
やる気と明るさの新人支持
「この業界、やはりコミュニケーションが一番大事」
「努力でカバーできないほどのセンスを要求される……そんなところには自分だっていられません」
「プログラミングセンスなんて必要なし。たかがプログラミング」
堅実派対職人派
あなたが新人を1人指導しなければならないとしたら、次の2人のうちどちらを選びますか。
(5)指示された仕事はやり、まあまあの品質のものができるが、それ以上のことは絶対にやらない新人
(6)やりたくない仕事はいい訳をしてやらないが、やりたい仕事ではものすごい成果を出す新人
あなたならどちらを指導する?
一方は、指示には従い成果物もまあまあ(こちらを勝手に「堅実派」と命名)。しかし、それ以上のことは絶対にやらない新人。もう一方は何と、仕事をえり好みをする新人。しかし自分のやりたいことではものすごい成果を出す(こちらを「職人型」と勝手に命名)。
「答えるのが難しい」「迷った」という意見が一番多かったのはこの質問だった。
結果を見てみよう。堅実派を選んだ人が50.0%、職人派を選んだ人が47.1%。ほとんど同数である(図3)。
図3 この質問の回答はほぼ拮抗した。指示された仕事はやり、まあまあの品質のものができるが、それ以上のことは絶対にやらない新人を選んだ人が50%で、やりたくない仕事はいい訳をしてやらないが、やりたい仕事ではものすごい成果を出す新人を選んだ人が47.1%という結果に
選んだ理由はそれぞれどのようなものだろうか。堅実派を選んだ人は、「指示されたことをきちんとこなすのが会社員の務め」「新人にはいろいろな仕事に挑戦してほしい」「むらがある人より、コンスタントに成果を出す人の方が信頼度が高い」など、ある種のまじめさを評価したようだ。
「業務量を計算できる」「扱いやすい」など、管理のしやすさを重視したコメントもあった。
指導の方法としては「指示をきちんと出す」「指示の内容を高度にする」「品質が80%なら、指示する仕事の量を多くする」などが挙げられた。
「えり好みするなんて問題外」なので、堅実型新人を選択するという意見も数件あった。多かったのは「いい訳は嫌いだから」問答無用でこちら、という理由。「いい訳を聞いている時間がもったいない」「周りのモチベーションを下げる」など。
職人型新人を選んだ人の意見を見てみると、「自分の得意分野を認識できているのはいいことだ」「向き不向きがはっきりしている方が仕事を振りやすい」などのほか、「意欲がありそう」「今後伸びる」など、将来の成長を期待してという理由が多かった。
そのためか、特に具体的な指導方法を答えた人が多かった。大別すると「やりたくない仕事をやりたくなるように意識を変える」「命令してやらせる」「できるだけやりたい仕事を割り当て、長所を伸ばせるようにする」の3つ。「意識を変える」というコメントが最も多く、16件あった。
「意識を変えれば絶大な戦略になる」「会社にとって素晴らしい人材になる」という意見のほか、「細かく指示を出すより、意識を変えるように指導する方が楽しい」と、指導の楽しさや面白さに着目したコメントも多かった。「成功すればお互いに達成感を得られる」「自分のマネジメント力につながる」のように、新人の成長だけでなく自分の成長も考慮して回答した人もいた。
結論
まじめさを重視するか、長所を伸ばすことを重視するか。やはりいい訳人間は嫌われる
こんな意見も
堅実派支持
「新人には『ものすごい成果』は求めない」
「応用力のない人も駄目だけれど、指示に従わない人は論外」
「やりたくない仕事は誰がやるのか。おれか?」
職人派支持
「人間的に面白そう」
「何でも適材適所。普通の人間はいくらでもいる」
「指示されたことしかできない人は、最終的に使えない人間になってしまう。そんな新人いりません」
今後もアンケート記事を
@IT自分戦略研究所では、今後も読者の皆さんにアンケートを行い、それを基に記事化したいと考えている。希望するアンケートなどがあれば、jibun@atmarkit.co.jpあてに要望を送っていただきたい。
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