OpenPNEを社内に“そっと”インストール
それでは、実際にOpenPNEをインストールして社内SNS環境を構築してみましょう。
社内に入れても大丈夫?
前述のとおり、OpenPNEはPHPLicenseによって配布されているオープンソースのSNSプログラムです。PHPとMySQLを利用して動作しています。PHPLicenseはGPLに比べて非常に制約が少なく、改造したソースコードを公開する必要がないため、ライセンス料を心配せずに導入できます。
環境面においても、外部に接続できないイントラネットにインストールしなければならない場合にも正常に動作するように作られています(携帯電話からはアクセスできなくなります)。
OpenPNEは無料で利用できるので、社内に“そっと”インストールするにはとても適しているといえます。
本格的な導入前の「テスト稼働」
自分1人でどれだけ頑張っても、社内SNSを成功させることはできません。メールサーバが利用できないかもしれません。取りあえずはテスト稼働だと割り切り、最小構成でインストールをしてみましょう。とにかく、まずはインストールして早く社内SNS運営の仲間を誘うことが重要です。
空いているマシンとOSを準備
ネットワーク
今回は社内ローカルネットワーク環境にインストールします。外部からのアクセスは必要ありませんが、メールサーバへの通信、DNSサーバへの通信は必要になります(社内に接続されているPCと同じネットワーク上の権限があれば、基本的には導入可能です)。
ハードウェア
社内SNSでの利用ケースでは、最大でも400名ぐらいでしょう。CPU1GHz以上、メモリ256Mbytes以上のマシンを準備します。HDDは40Gbytes程度あれば、当面は十分でしょう。
OS(CentOS 4.4 ServerCD)
OpenPNEは専用のサーバ用OSだけでなく、通常社内で利用されているWindowsやMacOSX上でもインストールできるように設計されています。しかし、こうしたOSには、OpenPNEのようなサーバ型プログラムをブロックするファイアウォールやウイルスソフトが導入されているため、その影響でOpenPNEが動作しないことがあります。
今回はフリーで提供されているRed Hat LinuxのクローンOSであるCentOS上にOpenPNEをインストールします。ここではCentOS 4.4 ServerCDをCentOSのWebサイトからダウンロードし、インストールを進めます。
編集部注:CentOSについて詳しく知りたい読者は、Linux Tipsの「Red Hat Enterprise Linux互換のCentOS」をご参照ください。
OpenPNEをセットアップ
OpenPNEのセットアップは「OpenPNEドキュメント」の「セットアップ」でガイドされています。詳細なセットアップ方法はドキュメントサイトを参照してください。
1:OpenPNEのダウンロード
OpenPNEはなるべく最新の安定版を利用するようにしてください。現在の最新版はOpenPNE 2.8.1です。OpenPNEダウンロードサイトからダウンロードします。
2.9.xといったバージョンのOpenPNEもありますが、開発版で安定していません。社内で利用する場合は、なるべく安定したバージョンのOpenPNEを使いましょう
バージョン番号の表記「X.Y.Z」(例:2.8.1)のうち、Y(例だと、8)が偶数のものが安定版です)。
2:OSとミドルウェアのセットアップ
「OpenPNEミドルウェアセットアップ」を参考にして、OSとApacheやMySQLなどのミドルウェアをセットアップしましょう。
編集部注:MySQL+Apache+PHPの環境構築について詳しく知りたい読者は、Linux Squareの今から始める MySQL入門の第1回「MySQL+Apache+PHPをインストールしよう」をご参照ください。
3:OpenPNEのセットアップ
最後に、OpenPNE本体をセットアップします。「OpenPNEセットアップ」を参照してセットアップしてください(セットアップドキュメントはダウンロードしたOpenPNEの中にも同一のものが同梱されています)。
MWareを使って簡単にインストール
OSやミドルウェアの設定が難しい場合は、仮想マシンを使う方法もあります。OpenPNEプロジェクトでは、あらかじめセットアップされたVMWareのOSイメージファイル「VM4PNE」をこちらで配布しています。VMWarePlayerかVMWareServerを導入して、利用してください。
編集部注:VMWareの導入について詳しく知りたい読者は、Linux Tipsの[エミュレータ]をご参照ください。
インストールするための最後の手段
どうしてもインストールができなかった場合は、最後の手段として、So-netが提供する「OpenPNE So-net Edition」やOpenPNEがデフォルトでインストールされているレンタルサーバを利用する方法もあります。まずは、とにかく社内SNSを始めて使い始めることが重要です。正式に導入が決まるまでは、すでにセットアップ済みのOpenPNEを利用するのもお勧めです。
社内SNSをより楽しく、便利にするには?
OpenPNEのインストールが終わった後は、いよいよSNSの運営に入ります。社内SNSを成功させるためには、対象となるスタッフ全員が日常的にSNSを利用することが重要です。SNSを日常的に使う土壌ができた後、「楽しさ」や「つながり」といったSNSならではの価値が生まれてくると思います。
次回は、OpenPNEと外部アプリケーションの連携をテーマにして、社内SNSをより便利にしていきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.