社内SNSを知っていますか? 文字通り、会社内で主にイントラネットを使って利用するSNS(Social Networking Service)です。イントラ/社内ブログがSNSになったものともいえます。SNSといえば、日本ではmixiやモバゲータウンが有名ですね。
編集部注:SNSそのものについて詳しく知りたい読者は、Master of IP Networkの5分でネットがわかるシリーズ第7回、「2006年のネット界を席巻したSNS」をご参照ください。
現在、その社内SNSが大人気となっています。これまで登場した新しいコミュニケーションツール(携帯電話メール、インスタントメッセンジャー、ブログなど)は、小規模なITベンチャーなどが最初のユーザーになることがほとんどでした。ところが、社内SNSに関しては、こうした企業ばかりでなく、早い段階から大企業の一部門で導入するという事例を多く耳にします。これは非常に興味深いことです。大企業にこそ、社内SNSを必要とする事情があるのかもしれません。
また、筆者はOpenPNEという、無料で配布されているオープンソースのSNSプログラムの活動を通じて100以上のSNSの運営に関わっています。これまでOpenPNEで作られたSNSは、趣味やファンクラブ・地域をテーマにしたものが中心でした。ここに来て規模の大小問わず多くの企業が積極的に社内SNS導入を進めている背景には、それなりの理由があるはずです。
本連載では、OpenPNEを使って社内SNSをいかにして構築し、利用するかを解説していきます。セットアップやシステム運用といった技術面だけでなく、SNSの運営面についても積極的に取り上げていくことで、社内SNSの可能性を研究していきたいと思います。4回の連載のうち前半2回を小規模な企業内での利用法、後半2回を大企業の社内での利用法として、それぞれ手嶋屋の手嶋、NEC小林が担当させていだたきます。
日本でSNSといえば、前述のmixiやモバゲータウンといったエンターテインメント性の強いものが主流です。SNSを社内で使って、果たして会社の活動に役立つのでしょうか?
普通に考えたら、上司には会社の中に遊びのツールを入れると思われかねません。筆者個人としては、「社内にSNSを入れてコミュニケーションが活発になり、会社が楽しくなればいいじゃないか」といった程度に考えていますが、よりスムーズに社内SNSを導入するためには、ある程度の意味付けや理論武装をしておいた方がいいかもしれません。
筆者はSNSを「人間関係をWebサービス上で表現すること」と定義しています。実際に、図2のようにあらゆる組織でSNSが使われる可能性があります。
今後、人間関係が重要な要素になる組織には、必ずSNSが必要になるはずです。
もし、上司を説得する必要があるならば、海外でビジネス利用されているSNSである「LinkedIn」や「ecademy」などの例を挙げてみることもお勧めします。IBMもLotusNotesにSNS機能を導入することを発表しているので、このあたりも十分説得の引き合いに出せるのではないでしょうか。
次ページでは、小規模な企業内での利用法の例として、手嶋屋での社内SNSの使われ方を紹介します。説得材料としてお使いください。
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