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Silverlight開発を始めるための基礎知識.NETを知らない人でも分かるSilverlight入門(1)(1/3 ページ)

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編集部注本稿はSilverlight 1.0の入門連載です。Silverlight 2アプリケーションの開発の仕方について詳しく知りたい読者は、連載「Silverlight 2で.NET技術をカッコよく使おう」をご参照ください。また、最新版のSilverlight 3に関しては、記事「Silverlight 3、ここがすごい!」をご参照ください。

 次世代のRIA(Rich Interactive Application:表現力/操作性に優れたアプリケーション)技術として脚光を浴びているマイクロソフトのSilverlightですが、まだまだ事例も少なく、資料も日本語ではほとんど用意されておりません。そのため、言語としては多くの優れた機能と可能性を秘めているSilverlightの恩恵を受けることが簡単ではありません。

 そこで、本連載では初心者から中級者を対象にSilverlightが持つ機能について分かりやすく解説していきます。また、「マイクロソフトの技術というと、.NETを知らないと学習できないのでは?」「.NETを知らないと難しそうだ」という読者にこそ読んでいただきたい連載です。

「Flashのライバル?」 それだけではない

 Silverlightといえば、Flashの対抗馬であることが世間的には騒がれておりますが、決してそれだけの能力ではありません。Silverlightの真の機能は既存のマイクロソフト技術やほかの標準技術と融合することで発揮されます。

 もちろん、Silverlight単体でも優れた機能を持っておりますので、それらについて連載内で順を追って説明していきますが、まずは当連載をお読みになる前にSilverlightに関する基本的な内容について、特集記事「Silverlightは次世代のJavaScriptフレームワーク?」にまとめてありますので、ご覧いただければと思います。

覚えておきたいSilverlightの特徴を2つ

 読んでいただけましたか? 次からは実際にSilverlightの開発環境と実行方法について解説し、サンプルアプリケーションを作りながら言語構造の説明を行っていきますが、読み進む前に覚えておいてもらいたい特徴は、以下の2点です。

  1. Silverlightは標準技術をベースとしているため、標準技術との親和性が高く、連携も容易に行えること
  2. Silverlightはベンチマークでネイティブ環境のJavaScriptより300〜1000倍の速さであるということ

 この2点はSilverlightの特徴として大きな点であるのですが、忘れられがちな特徴です。Silverlight自身はFlashのような単体技術ではなく、ほかの技術との連携による「共存共栄」の形で存在します。

 そして、ユーザーエクスペリエンスという考えによる「直感的な操作性とインタラクティブ性」と「デスクトップアプリケーション並みの速度」による特徴を持つ新しい技術であるということが最大の特徴です。

Silverlightの開発環境はすでにいろいろある!

SDKがあればテキストエディタだけでもできる!

 Silverlightを開発するうえで最低限必要となるのは以下のSDK(ソフトウェア開発キット)です。

  • Microsoft Silverlight 1.0 SDK
  • Microsoft Silverlight 1.1 SDK(※執筆時点(2007年11月)では“Alpha Refresh”バージョン)

編集部注:その後「Silverlight1.1」は「Silverlight 2」に名称を変更しました。Silverlight 2について詳しく知りたい読者は、連載「Silverlight 2で.NET技術をカッコよく使おう」をご参照ください(2008年10月16日)。

 本連載では基本的に、正式版となっている1.0を使用していきます。

 Silverlightはコンパイル不要で動作しますので、SDKさえあればテキストエディタでも開発できます。

ツールがあった方が便利!

 しかし、Silverlightの言語特性上、開発効率を考えると開発やデザインのためのツールを使用することが通例です。Silverlightに対応しているツールは以下のとおりです。

  • Microsoft Expression Blend 2(執筆時点(2007年11月)では“September Preview”バージョン)
  • Microsoft Visual Studio 2008 + Microsoft Silverlight Tools for Visual Studio 2008(Visual Studio 2008は執筆時点(2007年11月)では“Beta 2”バージョン)

 ここで紹介したツールはすべてSilverlight公式サイトのメニューから[ツール]をクリックすると各製品のダウンロードページへのリンクが表示されます。

編集部注:Microsoft Expression Blendについて詳しく知りたい読者は、Insider.NETフォーラムの記事「Vista時代のWindowsアプリ・デザイン・ツール」をご参照ください。

オープンソースもあるよ!

 ほかに、オープンソースとして一部機能に対応している製品がありますので、併せて紹介します。

  • Spket IDE:XAMLコードインテリセンス(コード補完機能)、実行プレビュー
図1 Spket IDEのサイトトップページ
図1 Spket IDEのサイトトップページ

 Spket IDEには、WindowsとLinuxで動作するスタンドアロンとEclipseで動作するプラグインが存在します。EclipseはMac OSXでも動作しますので、Mac OSXでSilverlightを開発する場合、現時点ではこのツールを使用するしかありません。

SDK・Webブラウザ用プラグインのインストール

Silverlight 1.0 SDKのインストール

 Silverlight公式サイトのメニューから[ツール]をクリックし、表示される「ツール&リソース」ページで「Microsoft Silverlight 1.0 SDK (ソフトウェア開発キット) (英語)」をクリックします(図2)。

図2 Silverlightサイト(「ツール&リソース」ページ
図2 Silverlightサイト(「ツール&リソース」ページ

 クリックすると、ダウンロードサイトへ遷移しますので、後は指示に従ってダウンロードを開始します。(ダウンロードの際に、そのままインストーラファイルを「開く」を選んでもいいですし、「Silverlightv1.0SDK.msi」ファイルを任意のローカルフォルダへ保存してから実行しても構いません。)

 「Silverlightv1.0SDK.msi」ファイルを実行し、インストーラを起動し、インストーラの指示に従ってインストールを行います。

 これでSilverlight 1.0を開発する準備は整いました。次は、実際に開発する前にSilverlightアプリケーションの実行方法を解説します。

Silverlightを実行するには?

 Silverlightアプリケーションを実行するには、Webブラウザにプラグインをインストールする必要があります。プラグインがインストールされていない状態でSilverlightアプリケーションを実行すると、インストールを促すアイコン(図3)が表示されるので、指示に従いSilverlightプラグインをインストールしてください。

図3 Get Microsoft Silverlightアイコン
図3 Get Microsoft Silverlightアイコン

 Silverlightのランタイムにも1.0と1.1が存在し、1.1は1.0のすべてを含むため、1.1がインストールされていれば、1.0で作成されたSilverlightアプリケーションを実行できます。逆に、1.0しかインストールされていない環境では1.1で作成されたアプリケーションを実行できません。その際はアップグレードする必要がありますので、注意が必要です。

 次のページでは、Silverlightで作成したサンプルを見ながら、そのコーディングの仕方を解説します。

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