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コンテンツ業界が求めるのは「権利関係が分かる人」「ビジネスモデルに落としこめる人材が不足している」

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 「デジタルコンテンツの世界において、制作を担うクリエイターの育成は盛んに行われている。新しい流通の仕組みを担うエンジニアもたくさんいる。しかし、権利関係を理解し、ビジネスモデルに落としこめるビジネス領域の人材育成は進んでいない」――デジタルコンテンツの配信関連事業を行うメディアラグの代表取締役社長 藤井雅俊氏は、産業能率大学が5月13日に開催したマスコミ懇談会で、現在のコンテンツ業界で求められる人材像について語った。

 同大学では2007年度から、情報マネジメント学部に「コンテンツビジネスコース」を設置し、コンテンツビジネス分野の教育に力を入れてきた。今回新たに、デジタルコンテンツビジネスにかかわる教育開発・研究を行う「デジタルコンテンツラボ」を4月1日に開設した。藤井氏は同研究所の客員研究員として参加している。


メディアラグ 代表取締役社長 藤井雅俊氏

 藤井氏はデジタルコンテンツ業界の現状について、「制作と流通の垣根が崩れてきた。その結果、権利関係を中心とした新しいビジネスモデルのあり方が模索されている。しかし、コンテンツを制作するクリエイターの中にも、音楽や映像といったコンテンツの新しい流通サービスを生み出すエンジニアの中にも、この部分(新しいビジネスモデル)をプロデュースできる人材は少ない」と説明。携帯電話を通じた音楽配信を例に取り、キャリア側がそれぞれ独自の規格を採用している現状では、従来のコンテンツ制作側は対応し切れず、ビジネスがいびつになっていると主張した。

 こうした現状において、求められる人材は「制作も技術も理解しながら、コンテンツをビジネスモデルに落としこめるプレイヤー」だという。クリエイターの育成は盛んで、エンジニアは新しい流通サービスを開発し続けているのに、こうしたビジネスプレイヤーの育成は進んでいない現状を危ぶんだのが、同研究所への参加の理由であると説明した。

 特に、オンライン上のコンテンツ流通が盛んになった現在、著作権を始めとした権利関係について、「送信可能化権など近年導入されたものまで含めると、すべて把握している人材は、制作・技術いずれにもほとんどいない」と強調。同大学では、こうした人材の教育開発・研究を推進していくという。

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