「出社中心」「生成AIほぼ必須」が4割超 企業がITフリーランスを求める本当の目的と「三重苦」の課題:“単に人をそろえる人月モデル”の終焉
エンが運営する「フリーランススタート」は、ITフリーランスを活用する企業515社を対象に実態調査を実施した。2026年の国内ITフリーランス市場規模は、1兆2209億円に達すると予測されている。
エンが運営するフリーランスエンジニア向け案件検索エンジン「フリーランススタート」は2026年6月10日、ITフリーランスを活用する企業を対象とした「ITフリーランスに関する実態調査」の結果を発表した。調査はマクロミルによるネットリサーチで、2026年3月23日と24日の2日間にわたって515社を対象に実施した。
2026年、ITフリーランスを求める企業の動向
今後の活用方針
今後の活用方針については、「今後(も)活用は増やしたい」と回答した企業が66.4%に上った。
活用満足度
活用への満足度は「満足している」(33.8%)と「やや満足している」(43.1%)を合わせた76.9%が肯定的な評価を示した。
活用目的
活用目的では、「特定の開発スキルを持ったエンジニアが見つかったため」(50.7%)が最多で、「特定の業界経験を持ったエンジニアが見つかったため」(45.2%)、「正社員での採用がうまくいかないため」(30.7%)と続いた。
正社員転換オファーの状況
正社員転換については「制度として積極的に正社員転換を行っている」が30.5%、「制度はないが、個別にオファーすることはある」が46.0%で、7割超の企業で正社員転換の可能性があることが明らかになった。
“三重苦”の課題
活用時の課題の上位3位は「契約終了・離脱のリスク(定着率の低さ)」(47.6%)、「情報セキュリティ管理の難しさ」(47.4%)、「スキルやパフォーマンスのミスマッチ」(46.6%)となった。
契約終了の理由
契約終了の理由の上位3位は「報告・連絡・相談などのコミュニケーションに難があった」(48.0%)、「期待した成果物・スキルレベルに達していなかった」(39.2%)、「チームのカルチャーや雰囲気に馴染めなかった」(37.5%)となった。
求める勤務スタイル
求める勤務スタイルで最も多かったのは「リモート中心(週1〜2回出社)」(51.5%)で、「出社中心(週3〜4回出社)」(42.1%)、「フルリモート」(24.7%)と続いた。
今後の勤務スタイルの受け入れ意向
「『週5日フルタイム』以外の稼働(週3〜4日や時短など)の受け入れは可能ですか?」という質問に対しては、「現在は週5日(フル稼働)が必須だが、今後は週3〜4日や時短などの受け入れもしていきたい」(31.3%)という回答が最も多かった。
生成AIの活用方針
生成AIの活用方針については、「業務効率化のため、活用を強く推奨・必須としている」が42.7%、「セキュリティルールを守った上であれば活用を許可している」が48.0%と続いた。合計で9割以上の企業が生成AIの活用に前向きなことが分かった。
月次発注単価の変化
月次発注単価は「上がった(5万1円以上)」が17.1%、「上がった(1円〜5万円)」が55.7%で、合計7割超の企業で発注単価が上昇した。
ITフリーランス市場規模の動向
2026年のITフリーランス市場規模は1兆2209億円と見込まれる。2016年の7641億円から約1.6倍に拡大した計算だ。
背景にはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、新興IT企業の急成長、テレワークの定着などがあるとエンは分析している。将来予測では2031年に1兆3795億円に達し、デジタル人材全体に占めるフリーランス比率は15.5%超、ITフリーランス人口は約17万2873人となる見通しだという。
2028年以降は人口の伸びが緩やかになり、2031年にはほぼ横ばいで推移するとみられる。
エンは「単に人員数をそろえる人月モデルから、高い生産性と専門性を持つ人材への集中という質的転換が本格化しつつある」と指摘。「DXの本格化や業務の高度化を背景に、ハイスキルなデジタル人材に対するニーズは一段と強まると予想される。量的な確保が難しくなる中で、必要なスキルを備えた人材をいかに見極め、適切なプロジェクトにアサインするかが、企業の競争力を左右するポイントとなる」と分析している。
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