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FCoE製品は年末に、ブロケードが描くデータセンターの将来ファイバチャネルは今後も成長する

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 米ブロケードコミュニケーションズシステムズは6月末、今後の企業データセンターに向けた同社のビジョンを明らかにした。次世代イーサネット上でファイバチャネルのプロトコルを動かすFibre Channel over Ethernet(FCoE)に対応する製品としては、2008年末にボックス型のスイッチを提供開始の予定。これに続いて、同社のダイレクタおよびデータセンター・バックボーンスイッチ用のブレード型スイッチを、2009年中ごろに提供開始する。サーバ用のホスト・バス・アダプタ(HBA)もブレード型スイッチと同時期に提供開始するようだ。

 ボックス型、ブレード型ともに、基本的には次世代イーサネットのConverged Enhanced Ethernet(CEE)スイッチだが、FCoE情報に基づくスイッチング機能を備え、さらに既存のファイバチャネルとFCoE間のトランスレーション機能を搭載する。


米ブロケード データセンター・インフラストラクチャ部門 ワールドワイド・プロダクトマーケティング・ディレクター マリオ・ブランディーニ氏

 ブロケードはファイバチャネルによるストレージ・ネットワーキングをビジネスの柱にしてきたが、世界中のサーバの80%はまだ共有リソースに接続されていない。FCoEのような新しいプロトコルは、まだつながれていないサーバの接続を促せる可能性がある、と米ブロケードのデータセンター・インフラストラクチャ部門 ワールドワイド・プロダクトマーケティング・ディレクター マリオ・ブランディーニ(Mario Blandini)氏は説明する。「FCoEには、ブロケードのこれまでの技術との相乗効果がある。新たなビジネスというよりも、これまでのビジネスを補完するものだ」。

 FCoEでは標準化作業が進行中の、低遅延でフローコントロール機能を備えた次世代イーサネットを物理層・データリンク層に用い、この上でファイバチャネルによる通信を行う。サーバにとっては、次世代イーサネットによるデータ・ネットワーキングと、FCoEによるストレージ・ネットワーキングが1枚のアダプタで行えるようになる。このためケーブルの数が大きく減るのがFCoE利用のメリットの1つだ。イーサネットというネットワーク管理者にとって親しみやすい技術を使うことによる管理や運用面での取り組みやすさも、メリットとして指摘される。また、次世代イーサネットとその上で動くFCoEは、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)におけるInfiniBandの後継となる可能性もある。

 FCoE対応製品は投入するものの、今後5年以上にわたり、エンタープライズ顧客におけるストレージ・ネットワーキングの主要な選択肢は、これまでどおりファイバチャネルだろうというのがブランディーニ氏の考えだ。

 次世代イーサネットのCEEと、その上でのFCoEの利用は、前述のようにサーバにとってはケーブルの数を減らせるメリットがある。しかし、ストレージ・システムにとってはこうしたメリットはない。従ってストレージ・ベンダがFCoEのインターフェイスを提供するのは、2012年ごろになるだろうとブロケードでは予測する。

 CEE製品の価格がファイバチャネル製品に比べて大幅に低くなれば、CEEの普及が進む可能性がある。しかし低遅延イーサネットは一般のネットワーキングには特に必要とされず、企業・組織のデータセンター内や製造業における設備の制御に用途が限られるため、当初はファイバチャネル製品よりも価格が高くなると見られている。

 CEEは10Gbpsで標準化が進んでいるが、ファイバチャネルでは8Gbps対応の製品が出そろっており、16Gbpsの標準化作業も始まった。2012年には16Gbps製品が登場する見込みという。このため高速なストレージ接続を求めるユーザーは、引き続きファイバチャネルに投資するだろうという。

 「FCoEも上位層はファイバチャネルであり、既存のファイバチャネルと変わらない。接続技術の動向にかかわらず、ブロケードは自社の技術を生かしていくことができる」とブランディーニ氏は話した。

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