X Window System の仕組みと設定:実践でも役立つLPICドリル(4)(1/4 ページ)
本連載は、Linux 認定試験 LPICに対応しています。一般的なLinuxユーザーレベルのトピックは省略し、システム管理とサーバ管理の内容を取り上げています。また、LPIC対策だけでなく、関連するトピックについて系統的な理解を問う問題も出題しています。連載の特徴は、対象となるプログラムのバージョンを可能な限り明記していること、比較的新しくまとまった解説がまだ少ないトピック、重要だが理解しにくいトピックを優先して取り上げていることです。問題を解き、その解説を読むことにより実践でLinuxを活用できる力を身に付けます。
実践でも役立つLPICドリル バックナンバー
- 第1回 表示結果から読み解け! ハードウェア構成の調査
- 第2回 RPMによるパッケージ管理を理解する
- 第3回 ファイルシステムの管理と保守
- 第4回 X Window System の仕組みと設定
- 第5回 Linuxカーネルのコンフィグレーション手順
- 第6回 Linuxシステムの起動と停止の手順
- 第7回 Linux印刷システムの仕組みと設定
- 第8回 Linux時刻管理の仕組みと設定
- 第9回 Sambaのユーザー認証とファイルアクセス権の設定
- 第10回 DNSセキュリティの設定
- 第11回 Apache&Squidアクセス制御/ユーザー認証の設定
- 最終回 OpenSSHの認証手順
■今回のディストリビューション: CentOS 4.4、Fedora 8
問題を解く鍵 【1】【2】
このトピックに関連した設定や試験問題を解く際には、以下の項目がポイントになります。
【1】X Window Systemの特徴と構成要素を把握しておく
X Window Systemは、クライアントとサーバがXプロトコルで通信するネットワーク型のウィンドウシステムで、次のような構成になっています。Xサーバ、ディスプレイマネージャ、ウィンドウマネージャなどの主要なコンポーネントの機能と、それらが参照する設定ファイルについて理解しておくことが必要です。
X Window System
現在、主要なLinuxディストリビューションで使用されているのは、X.Org Foundation(以下、Xorg)で開発されているX Window Systemです。
Xサーバ、ディスプレイマネージャxdm、ウィンドウマネージャtwm、基本的なXクライアント、Xライブラリ、フォントファイルなどから構成されています。XorgのコンポーネントだけでX Window Systemは動作します。
統合デスクトップ環境
統合デスクトップ環境はディスプレイマネージャ、ウィンドウマネージャ、メニュー、パネル、アプリケーションなどを統一的なデザインと操作性で提供します。主要な統合デスクトップ環境にはGNOMEとKDEがあります。
クライアントアプリケーション
X Window Systemを立ち上げたときに表示されるグラフィカルなアプリケーションがクライアントプログラです。
Xサーバ
ビデオカード、モニタ、キーボード、マウスなどのハードウェアを制御します。キーボードやマウスの入力をクライアントに送信し、クライアントからのリクエストにより画面に表示を行います。
ディスプレイマネージャ
グラフィカルなログイン画面を表示して、ユーザー認証を行います。Xサーバとデスクトップ環境を起動します。
ウィンドウマネージャ
ウィンドウのサイズ変更、移動、削除、ウィンドウメニューやマウス操作を管理します。ウィンドウマネージャにより、ウィンドウフレームのデザインや操作方法が決まります。
ウィンドウマネージャは、twm、metacity、kwin(初期バージョンの名前はkwm)、 sawfish、fvwm、enlightenmentなど、いろいろあります。ユーザーは好みのウィンドウマネージャをインストールして使うことができます。
【2】X Window Systemの立ち上げシーケンスを把握しておく
Xの立ち上げシーケンスはランレベル3の場合とランレベル5の場合とに大別されます。
(1)ランレベル3で立ち上げ、テキストベースでログインしてから、startxあるいはxinitコマンドでXサーバとクライアントアプリケーションを起動する。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Xが起動し、xtermが表示されたらコマンドラインからウィンドウマネージャtwmを実行する。metacityやkwinなど、ほかのウィンドウマネージャを起動することもできます。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
代表的な統合デスクトップ環境にはGNOMEとKDEがあります。統合デスクトップ環境GNOMEはgnome-sessionが起動します。GNOMEではmetacityが標準のウィンドウマネージャとして使用されます。
統合デスクトップ環境KDEはstartkdeが起動します。KDEではkwinが標準のウィンドウマネージャとして使用されます。
設定によって、どのデスクトップ環境を使用するか、あるいは単にtwmのようなウィンドウマネージャを直接起動するかを選択できます。
[GNOME]
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
[KDE]
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
[twm]
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
(注)上記シーケンスは分かりやすくするために簡略化して主要部を書いたものです。実際のシーケンスはもう少し複雑であり、またディストリビューションによっても若干異なります。
(2)ランレベル5で立ち上げ、ディスプレイマネージャからログインする。ディスプレイマネージャがXサーバとクライアントアプリケーションを起動する。
/etc/inittab -> ランレベル5 -> ディスプレイマネージャ
代表的なディスプレイマネージャにはgdm、kdm、xdmがあります。どれを使用するか設定によって選択できます。
ディスプレイマネージャからログインした後、Xサーバと統合デスクトップ環境/Xクライアントが起動するシーケンスはランレベル3の場合と同じになります。
[ gdm -> GNOME ]
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
[ kdm -> KDE ]
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
[ xdm -> twm ]
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
(注)上記シーケンスは分かりやすくするために簡略化して、主要部を書いたものです。実際のシーケンスはもう少し複雑であり、またディストリビューションによっても若干異なります。
このシーケンスは一般的な例ですが、ほかに gdm -> KDE、kdm -> GNOME、xdm -> GNOME、xdm -> KDE といった設定も可能です。
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