フラッシュバックリカバリの基礎知識:Oracleトラブル対策の基礎知識(4)(1/3 ページ)
前回は領域に関する問題「セグメント拡張時のエラー」について紹介しました。本稿では、フラッシュリカバリ領域について学びたいと思います。
フラッシュリカバリ領域とは?
連載バックナンバー
今回の主な内容
- フラッシュリカバリ領域とは?
- フラッシュリカバリ領域を利用するための設定
- 初期化パラメータの設定
- アーカイブモードとフラッシュバックデータベースモードの有効化
- フラッシュリカバリ領域がいっぱいになったときの回避方法
(関連キーワード:ORA-02097、ORA-19802、ORA-38706、ORA-38707)
フラッシュリカバリ領域とは、バックアップの自動化を実現するためにOracle10g R1から新機能(フラッシュバックリカバリ機能)として用意された格納領域です。
以前のバージョンでは、アーカイブログやバックアップの出力先として、それぞれ任意のディレクトリやテープデバイスを指定し、管理を行う必要がありました。
フラッシュリカバリ領域には、アーカイブログファイル、RMAN(Recovery Manager)を使用して取得したバックアップファイル、フラッシュバックデータベース機能(データベース全体を指定された時点の状態に戻す機能)で使うフラッシュリカバリログが格納され、1カ所で管理が可能となり、指定されたサイズ内で自動的に管理がなされます。
この機能を利用した場合のメリットとしては、以下のマニュアルに記載がありますので参考に抜粋します。
自動ディスクベースバックアップおよびリカバリ: フラッシュリカバリ領域
異なるバックアップおよびリカバリ関連ファイルを作成するコンポーネントは、互いを認識しないか、データの格納先になるファイルシステムのサイズを知りません。自動ディスクベースバックアップおよびリカバリを使用すると、フラッシュリカバリ領域を作成して、バックアップ関連ファイルの管理を自動化できます。ディスク上の場所と、記憶域の上限を選択し、保存方針を設定してそのバックアップファイルがリカバリに必要な期間を制御すると、データベースによって、バックアップに使用する記憶域、アーカイブREDOログ、同じ記憶域内にあるデータベースのそのほかのリカバリ関連ファイルが管理されるようになります。不要になったファイルは、Recovery Managerが新しいファイル用の領域を要求したときに削除されます。
フラッシュリカバリ領域を使用すると、バックアップ関連ファイル用のディスク領域を手動で管理したり、ファイルのタイプごとに使用する領域を調整する必要が最小限になります。フラッシュリカバリ領域を使用可能にして、バックアップの管理を簡略化することをお勧めします。
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