フラッシュバックリカバリの基礎知識:Oracleトラブル対策の基礎知識(4)(2/3 ページ)
前回は領域に関する問題「セグメント拡張時のエラー」について紹介しました。本稿では、フラッシュリカバリ領域について学びたいと思います。
フラッシュリカバリ領域を利用するための設定
フラッシュリカバリ領域を利用するためには以下の設定が必要です。
(1)初期化パラメータの設定
以下の2つの初期化パラメータの設定が必須です。
a:DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE
フラッシュリカバリ領域の最大サイズを指定します。
デフォルトでは0に設定されているため、フラッシュリカバリ領域を利用するためには必ず任意のサイズに設定しなければなりません。
b:DB_RECOVERY_FILE_DEST
フラッシュリカバリ領域の位置を指定します。
デフォルトはnullとなっていますので、フラッシュリカバリ領域を利用するためには必ず任意のディレクトリを指定しなければなりません。
以下に、spfile使用時、
DB_RECOVERY_FILE_DEST → '/home/oracle/flash'
DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE →4G
とした場合の具体的なパラメータ変更例を記載します。
DB_RECOVERY_FILE_DESTは、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEを依存パラメータにしているため、先に設定しようとするとORA-02097、ORA-19802エラーが発生します。そのため、必ず先にDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEを設定してから、DB_RECOVERY_FILE_DESTを設定してください。
spfileでなくpfile使用時は、init>ORACLE_SID<.oraへ書き込み、インスタンスを再起動してください。
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なお、アーカイブログファイルの出力先として、既存の管理方法で指定するパラメータであるLOG_ARCHIVE_DEST_nと、DB_RECOVERY_FILE_DESTに異なるディレクトリを同時に設定した場合は、LOG_ARCHIVE_DEST_nの値が優先されてしまうため、注意が必要です。この場合はLOG_ARCHIVE_DEST_nをコメントアウトして対処します。
(2)アーカイブモードとフラッシュバックデータベースモードの有効化
この作業は、フラッシュバックデータベース機能を有効にするために行うものなので、フラッシュリカバリ領域にフラッシュリカバリログを出力する場合には必要な作業ですが、アーカイブログファイルまたはバックアップファイル(もしくは両方)の出力先としてのみ使用する場合は必須ではありません。
以下に、作業例を記載します。
この作業はデータベースをマウントした状態で行う必要があります。また、アーカイブログモードで運用されていることが前提となります。非アーカイブログモードで有効にしようとした場合は、ORA-38706、ORA-38707エラーが発生するため、必ずアーカイブログモードにしてからフラッシュバックデータベースモードを有効にしてください。V$DATABASEビューのFLASHBACK_ON列が「YES」になっていることで確認できます。
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