VMware Infrastructure 3のネットワーク機構[前編]:VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編(7)(2/4 ページ)
連載「VMware Infrastructure 3徹底入門」では、VMware Infrastructure 3のコンセプトやアーキテクチャといった、いわば理論的な部分を紹介した。新連載の「VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編」では、実際の設計から導入、運用までを紹介する。今回はVI3環境における仮想マシンのネットワーク構成方法を説明する
仮想ポートの接続タイプ
VMware ESX環境においてネットワーク機構を利用するオブジェクトには以下の3種類がある。
- 仮想マシン
- VMkernel
- サービスコンソール
これらはすべて仮想スイッチ経由で外部ネットワークとの通信を行うが、仮想スイッチ側はそれぞれに対応した種類の仮想ポート、もしくは仮想ポートグループを構成することになる。これらの仮想ポートの接続種類のことを「接続タイプ」と呼ぶ。それぞれの接続タイプについて以下に解説する。
1. 仮想マシン
これは前節までの説明の通りである。仮想マシンに構成された仮想NICを接続するため、仮想スイッチ側ではグループ化された仮想ポートを構成する。これを「仮想マシンのポートグループ」と呼ぶ。
2. VMkernel
VMkernel自身に対してもネットワークインターフェイスを構成することができる。これはインストール時には作成されないため、必要に応じて追加構成することになる。VMkernelに構成されたネットワークインターフェイスの接続先となる仮想スイッチ側の仮想ポートのことを「VMkernelポート」と呼ぶ。
VMkernelインターフェイスは以下のネットワークトラフィックなどに利用される。
- iSCSIソフトウェアイニシエータ利用時のネットワークトラフィック
- NFSデータストア利用時のネットワークトラフィック
- VMotion利用時のネットワークトラフィック
- Distributed Power Management利用時のWakeup-On-LANトラフィック
従って、共有ストレージ装置との接続方式としてiSCSIソフトウェアイニシエータを利用する場合、もしくはNFSを利用する場合はVMkernelインターフェイスを構成することが必須となる。またVMotionやDPMを利用する場合も必須となる。なおiSCSIソフトウェアイニシエータでは、ターゲットのディスカバリや認証など、管理系のトラフィックにはサービスコンソールが利用され、実際のI/OデータトラフィックにはVMkernelインターフェイスが利用されるという方式になっている。
3. サービスコンソール
サービスコンソールにも専用の仮想NICが構成され、IPアドレス等が割り当てられている。サービスコンソールに構成された仮想NICの接続先となる仮想スイッチ側の仮想ポートのことを「サービスコンソールポート」と呼ぶ。
VMware ESXのインストール時にIPアドレスやネットマスクなどを入力したが、これは実際にはサービスコンソール用仮想NICの構成パラメータを入力した、ということができる。サービスコンソールの仮想NICを複数個構成することも可能である。
これら仮想ポートや仮想ポートグループは単一の仮想スイッチ上に複数同居させることができる。また、単一の仮想スイッチ上に複数のポートグループを作成することも可能となっている。
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