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日立、新ブレードPC製品でシンクライアントの第2段階へ統合的なソリューションを推進

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 日立製作所は5月18日、クライアントブレードの新製品「FLORA bd500」を発表した。5月19日に販売を開始する。

 これは「ブレードPC」とも呼ばれるジャンルの製品。エンドユーザー用のPCをブレードとして実装。ブレードサーバのようなシャーシ内で稼働する。エンドユーザーはこれを、シンクライアント端末から遠隔操作する。


日立 エンタープライズサーバ事業部 事業部長 山本章雄氏

 日立は2005年に「FLORA bd100」を発表し、この市場に参入しているが、日立 エンタープライズサーバ事業部 事業部長 山本章雄氏は、「(同)ビジネスは第2段階に入った」と話した。ユーザー企業では、クライアント集約が全社導入や大規模導入に移行しつつあることから、新製品では集約度の向上を最大のテーマとしていることを説明した。

 FLORA bd500は5Uのシャーシ(同社では「ベースユニット」と呼ぶ)に40のクライアントモジュールを収納することができる。標準的な42Uのラックでは、最大320のクライアントモジュールを動かせる計算になる。bd100に比べ、2.3倍の集約率だという。

 日立はこの集約率を実現するため、シャーシ背面中段に大きな開口部を確保し、ここに空冷ファン最大5個を集中配置した。また、前面最下部には独立したスリットを設け、ここから背面下段に配置した最大5個の電源装置に直接冷気を送るようにした。


FLORA bd500は5Uのベースユニットに40のクライアントモジュールを収納できる

 省電力機能としては、ベースユニット上で稼働するクライアントモジュールの数に応じて、不要な電源装置をオフにすることができる。また、ベースユニット単位で、業務時間帯以外は電源オフにするなどの設定を可能にしている。

 一般的に、シンクライアント・ソリューションにはブレードPC型、ターミナルサービス型、仮想PC型の3方式がある。しかし「1つ1つは必ずしも100点の解ではない」(山本氏)。そこで日立は2009年1月、「統合型」のソリューションを提供していくと発表した。3つの方式をエンドユーザーの業務形態に応じて組み合わせ、最適な環境を提供していくというものだ。

 日立はこの「統合型」ソリューションで、シトリックス・システムズの「XenDesktop 3.0」が持つ「Desktop Delivery Controller」という機能を、認証および接続管理に採用している。3方式を単一の仕組みで、統合管理のもとで提供でき、さらに1人のユーザーが動的に複数の方式を使い分けられるという点で、現在最も優れているからだという。

 日立では、XenDesktopと組み合わせてbdシリーズを操作するためのソフトウェア、「FLORA bd Link」を提供している。これはクライアントモジュールを物理的に管理するための製品。同ソフトも今回、機能強化され、エンドユーザー端末からクライアントモジュールをリセットできるようになった。

 日立はさらに、比較的小規模な環境での導入を容易にする「オールインワンパック」を、6月末までに販売開始すると発表した。これは、接続管理のためのXenDesktop、そして認証サーバの機能を果たすActive Directoryを、それぞれクライアントモジュール上にインストール・設定して、FLORA bd500に組み込んだ状態で出荷するというもの。初期導入コストの軽減やシステム構築期間の短縮化を狙う。

 日立はクライアント集約ソリューション関連事業で、2006〜2008年度に累計で160億円を売り上げた。今回の新製品投入や、今後のクラウドサービスとしてのシンクライアント環境の提供などにより、2009〜2011年度は累計で350億円に増やすことを目標としている。

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