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マッシュアップを超えたマッシュアップを−Mashup Awards 5表彰式レポートD89クリップ(13)(2/3 ページ)

リクルート主催による「Mashup Awards 5」の表彰式が開催された。前回を上回る応募作品数と高いクオリティのなか、数々の賞が決定した

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ソーシャルメディアの荒野で闘うペラペラキャラ

サービス名:SocialCombat V
作者:MEX(たき工房 media extension)
URL:http://socialcombatv.com/

 「SocialCombat V」は、Twitterなどのソーシャルメディアのアカウント(ユーザー)同士でバトルを繰り広げるというゲーム。アクションゲームではなく、アカウントに付随するさまざまな情報をパラメータとして利用するステータスバトルゲームだ。「バーコードバトラー」「オシャレ魔女ラブandベリー〜DSコレクション〜」のようなものである。

派手な演出とともにソーシャルメディアのアカウント同士が、なぜか闘うことに
派手な演出とともにソーシャルメディアのアカウント同士が、なぜか闘うことに

 Twitterなどのアカウント情報を登録すると、ユーザーは小さな島に放たれ(ツーイーター島やミークシー島などがある)、アイコンがペラペラの3Dキャラとなって、ただひたすら闘い続ける。ただそれだけなのだが、これが意外に面白くてハマル。闘いの勝ち負けや強さの基準があいまいなところも逆にいい。

「強いヤツはいねーかー」と、つぶやきながら、島の中で猛者を求めてさまよい歩く
「強いヤツはいねーかー」と、つぶやきながら、島の中で猛者を求めてさまよい歩く

 マッシュアップとはWeb APIを組み合わせることだが、SocialCombat Vでは「ソーシャルメディア同士のマッシュアップ、交流」がテーマとなっている。Twitterユーザーとmixiユーザーとの闘いなど、元のサービスとはまったくかけ離れた独自の世界を新たに生み出すしているところがとても面白い。

 今後は、サービスとしてのソーシャルメディアももちろんだが、iPhoneやAndroidなどのモバイルも1つの勢力として追加していきたいという。

3Dグラフィック担当、サーバ担当、Flash担当という役割分担で開発したというMEXの3人
3Dグラフィック担当、サーバ担当、Flash担当という役割分担で開発したというMEXの3人

 ちなみに、SocialCombat Vの利用APIには「天気予報(天気予報API)」がある。これを使ってユーザーの登録地域の天気が反映されるようになっており、雨が降っていると島にも雨が降るというこだわりようだ。

iPhoneを媒介に電脳の海原へ旅立つアバター

サービス名:TRAVATAR
作者:ワンパク
URL:http://travatar.1pac.jp/

 「TRAVATAR」は、アバター(キャラ)が旅する(トラベル)というiPhoneアプリの作品。一般的にアバターとは、ユーザーの分身としてネットワークゲームなどで使われる。これをTRAVATARでは、固有のキャラ(トラバター)としてユーザーのもとから旅立ち、ほかのユーザー(iPhone)を転々としながら30日間電脳世界を巡るというものだ。iPhone同士がすれ違うことでアバターは移動し、勝手に旅をする。ユーザーは、アバターの現在位置を確認したり、ほかのユーザーが送り出したアバターを迎え入れたりする。

TARAVATERで作ったアバター。旅だったアバターが現在どこにいるかといった情報を確認できる。地図やメッセージ機能もある
TARAVATERで作ったアバター。旅だったアバターが現在どこにいるかといった情報を確認できる。地図やメッセージ機能もある

 その仕組みは、近いエリアのユーザー間でアバターを移動させるというもので、iPhoneから位置情報がサーバに送られて、処理が行われる。アバターの移動は、ユーザー同士の距離だけでなく、アプリを起動するタイミングや偶然条件なども交えて、自然に交換が発生するように工夫しているという。

プレゼンターとして登場したのは、前回最優秀賞に輝いた山健太郎氏。以前は個人で活動していたが、今年からワンパクに参加したという。iPhoneアプリ開発はTRAVATARのために勉強したそうだ
プレゼンターとして登場したのは、前回最優秀賞()に輝いた山健太郎氏。以前は個人で活動していたが、今年からワンパクに参加したという。iPhoneアプリ開発はTRAVATARのために勉強したそうだ

 iTunesのApp Storeでは6万7000以上のダウンロードがされているが(2009年11月時点)、サーバの負荷で思うように動かない場合も多いとのこと。試す際は気長に構えておくとよいだろう。

 アバターがiPhoneを媒介として旅をするという世界観の設定やキャラクターのデザイン、ユーザーインターフェイスの設計など、「さすが前回最優秀賞」と思わせる完成度。極め付けはプレゼン用に作られた紹介映像で、テレビCMとして流しても違和感がまったくない出来栄えだった。

ほかのユーザーのアバターがやって来ることもしばしば。入れ替わり立ち替わりやってきては、ひと言残していく。登録すると「トモバター」となり、自分のアバターと同じように、いつでも状態を確認できるようになる
ほかのユーザーのアバターがやって来ることもしばしば。入れ替わり立ち替わりやってきては、ひと言残していく。登録すると「トモバター」となり、自分のアバターと同じように、いつでも状態を確認できるようになる

 今後の展開については、Twitterと連携してTwitterクライアントとしての機能も備えたものや、アバターが訪ねた先の御当地キャラクターを登場させるもの、国際化などアイデアは尽きないという。

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