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第3回 Hyper-Vライブ・マイグレーションの構築手順Hyper-V 2.0実践ライブ・マイグレーション術(4/5 ページ)

ライブ・マイグレーションの構築手順を、システム構築から各種設定まで解説。マイグレーションにかかる時間も計測した。

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 以降は、WSFCマネージャでの作業が中心となる。

Step.4 CSVのセットアップ

 Hyper-VとWSFCをセットアップしただけでは、ライブ・マイグレーションに必要なCSVがまだ利用できない。仮想マシンをCSV領域に格納するには、CSVドライバをロードし、ディスクをCSVにマウントする必要がある。

4-1 CSVの有効化
 最初に、CSVドライバをロードして有効化しよう。

 WSFCマネージャで、クラスタの概要画面を開くと[クラスターの共有ボリュームの有効化]という項目があるはずだ。こちらをクリックすると、下記のような警告メッセージが表示されるので、内容を確認して[OK]ボタンをクリックしよう。


CSVの有効化
CSVはWSFCマネージャから有効化することで利用できるようになる。
  (1)WSFCマネージャで、[クラスターの共有ボリュームの有効化]をクリックする。
  (2)[クラスターの共有ボリュームの有効化]ダイアログで[上記の通知を読みました。]にチェックを入れて、[OK]ボタンをクリックする。

4-2 CSVにディスクをマウント
 CSVを有効にすると、WSFCマネージャ上に[クラスターの共有ボリューム]という画面が追加される。

 操作ペインに現れる[記憶域の追加]からダイアログを開き((1))、CSVにマウントしたいディスクを選択((2))しよう。正常にマウントが完了すると、一覧にディスクが表示((3))される。


CSVにディスクをマウントする
CSVを有効化すると、追加される[クラスターの共有ボリューム]の画面から操作する。
  (1)[操作]の[記憶域の追加]を選択する。
  (2)CSVにマウントしたいディスクを、リストにチェックを入れることで選択する。
  (3)正常にマウントが完了すると、一覧にディスクが表示される。
  (4)現在の所有者を確認する。

 CSVボリュームのマウント・ポイントは「C:\ClusterStorage\VolumeN」(N=1,2,…)となる。マウントを完了すると、どのノードからもアクセスできるようになるはずだ。ただし、上に掲載した警告メッセージのとおり、CSV領域へのアクセスは現在Hyper-V関連のプロセスからのみサポートされている。理由なくこのパスにアクセスするのは避けるようにしよう。また、CSV領域はアンチウィルス・ソフトウェアのスキャン対象外に設定しておく必要がある。(マイクロソフト サポート技術情報 KB961804

Step.5 仮想マシンの作成

 CSVボリュームの準備ができたら、仮想マシンを作成しよう。

 通常、仮想マシンの作成はHyper-Vマネージャの[仮想マシンの新規作成ウィザード]から行うが、WSFCによるクラスタ構成の場合はWSFCマネージャ経由でこのウィザードを立ち上げよう。また、ウィザードを起動する際に処理ノードを選択するが、ここは格納するCSVボリュームの所有者ノードを選択した方がよい。これは第1回で解説したとおり、非所有者ノードから仮想マシンを作成すると、I/Oが内部ネットワークを経由してしまい、非効率となるためだ。CSVボリュームの所有者は上画面の(4)で確認できる。


[仮想マシンの新規作成ウィザード]はWSFCマネージャから起動する
ライブ・マイグレーション構成で仮想マシンを作成するには、(1)から新規作成ウィザードを立ち上げる。処理ノードは格納するCSVボリュームの所有者ノードを選択しよう。既存の仮想マシンをライブ・マイグレーションの対象にするには、(2)から高可用性ウィザードを立ち上げればよい。

 仮想マシンの新規作成ウィザードの進め方については、次の記事を参考にしてほしい。仮想マシンの格納場所をCSV領域に変更するのを忘れないようにしよう。


[仮想マシンの新規作成ウィザード]の画面
仮想マシンの格納場所をCSVボリュームのマウント・ポイント((1))に変更する。

 仮想マシンの作成が完了すると、「高可用性ウィザード」が自動実行されるはずだ。これによって、作成した仮想マシンがWSFCで管理されることとなる。

 なお、Hyper-Vマネージャから作成した仮想マシンでライブ・マイグレーションを行うには、WSFCマネージャで[サービスまたはアプリケーションの構成]を実行する(「1つ前の[仮想マシンの新規作成ウィザード]はWSFCマネージャから起動する」画面の(2))。これによって、高可用性ウィザードが立ち上がり、既存の仮想マシンをWSFCに登録することができるようになる。


[高可用性ウィザード]の画面
WSFCマネージャ経由で仮想マシンを作成する場合、このウィザードは自動的に実行される。しかし、Hyper-Vマネージャ経由で作成した仮想マシンについては、このウィザードを手動で実行しないとライブ・マイグレーションが行えない。

 高可用性ウィザードが完了したら、WSFCマネージャに戻ってみよう。[サービスとアプリケーション]の画面に作成した仮想マシンが登録されているはずだ。あとは、この仮想マシンに対してゲストOSをインストールすればよい。

 なおライブ・マイグレーション環境の場合、仮想マシンの電源操作・自動開始制御には、Hyper-VマネージャではなくWSFCマネージャを利用しよう。Hyper-Vマネージャを利用すると、WSFCが誤って障害と検知したり、自動開始が正しく行われなかったりすることがある。


仮想マシンの登録が完了した状態
ライブ・マイグレーション構成の場合、仮想マシンや電源操作・自動開始制御についてはWSFCマネージャ((1))から実行しよう。

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