【Windows 11】なぜディスクの使用率が100%? 犯人をファイル単位で特定できる「リソースモニター」徹底活用:Tech TIPS
PCの動作が重くなったり、不調を感じたりしたら、多くの人はタスクマネージャーを起動して、CPUの使用率やメモリの使用量が異常に高くなっていないかどうかを確認するのではないだろうか。しかし、タスクマネージャーの示す情報だけでは、具体的に「何」が原因となっているのか分からないことも多い。そこで活躍するのがWindows 11の診断ツール「リソースモニター」だ。本Tech TIPSではリソースモニターを起動する方法から使用法まで解説しよう。
対象:Windows 11
Windows 11の診断ツール「リソースモニター」徹底活用
PCの動作が重くなったり、不調を感じたりしたら、多くの人はタスクマネージャーを起動して、CPUの使用率やメモリの使用量が異常に高くなっていないかどうかを確認するのではないだろうか。しかし、タスクマネージャーの示す情報だけでは、具体的に「何」が原因となっているのか分からないことも多い。そこで活躍するのがWindows 11の診断ツール「リソースモニター」だ。本Tech TIPSではリソースモニターを起動する方法から使用法まで解説しよう。
PCの動作が重くなったり、不調を感じたりしたら、多くの人はタスクマネージャーを起動して、CPUの使用率やメモリの使用量が異常に高くなっていないかどうかを確認するのではないだろうか。しかし、タスクマネージャーの示す情報だけでは、具体的に「何」が原因となっているのか分からないことも多い。
ここで真価を発揮するのがWindows 11の診断ツール「リソースモニター」だ。これは、タスクマネージャーのパフォーマンス機能を専門的に特化させたツールであり、より細かな情報を得ることができる。本Tech TIPSではリソースモニターを起動する方法から使用法まで解説しよう。
リソースモニターを使うべき理由
リソースモニターがタスクマネージャーよりも優れている点は、「どのプロセスが具体的に何をして悪さをしているか」を特定できる点にある。
例えば、ディスクの使用率が高くなっている場合、タスクマネージャーはディスク全体の使用率(%)と、各プロセスが使うディスクの転送速度(MB/秒)という大まかな情報しか示さない。
一方、リソースモニターの[ディスク]タブを開くと、どのプロセスがディスクを使っているか、どのファイルにアクセスしているか、どれだけの読み書き速度(I/O)が出ているか、といった情報が確認できる。
これにより、PCの動作が重い原因が、バックグランドで実行されているウイルススキャンなのか、特定のアプリケーションの不具合なのかを、ファイルの挙動からピンポイントで突き止められるのだ。
リソースモニターではプロセスがアクセスしているファイルが確認できる
リソースモニターでは、各プロセスがどのファイルにアクセスし、負荷が高くなっているのかが確認できる。タスクマネージャーにはない機能だ。なお、画面はストレステストツール「Prime95」を実行して、意図的に高負荷状態を作っている。
同様にネットワークにおいても、リソースモニターで[ネットワーク]タブを開くと、プロセスごとの送受信バイト数だけでなく、通信相手(IPアドレス)やパケット損失(%)などの極めて詳細な情報が得られる。
これにより、ユーザーが知らないうちに大量のデータを送信しているアプリケーションや、通信速度が遅い原因となっているサーバとの接続まで特定できる。隠れたバックグラウンド通信を見つける便利なツールだ。
リソースモニターではプロセスの通信相手も確認できる
各プロセスが通信している相手(IPアドレス)が確認できる。大量のデータを送信しているアプリケーションや、通信速度が遅い原因となっているサーバとの接続まで特定可能だ。
リソースモニターは、CPU、メモリ、ディスク、ネットワークの全ての情報を、グラフとプロセスリストで同時に表示できる点も大きなアドバンテージだ。これにより、ディスク使用率が100%になったとき、その影響でCPUが待機状態になっていないかどうかなど、リソース間の相関関係を即座に把握できるため、高度な診断を可能にする。
リソースモニターの具体的な使い方
リソースモニターを起動するには、タスクマネージャーで[パフォーマンス]タブを開き、右上の[…]メニューを開いて、[リソースモニター]を選択する。また、[Windows]+[R]キーを押して[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「名前」入力ボックスに「resmon」と入力して[Enter]キーを押してもよい。
初回の起動直後に表示される[概要]タブでは、右ペインの「ビュー」に「CPU」「ディスク」「ネットワーク」「メモリ」の各グラフが表示される。ここを見て、使用率が高くなっている項目が、多くの場合PCの不調の原因だ。
例えば、CPUの使用率が高い場合は、左ペインで[CPU]タブを開き、「プロセス」欄を展開、「平均CPU」列をクリックして並べ替えると、CPUの使用率が高いプロセス(処理)が見つけられる。そのプロセス名を右クリックすると、以下のようなメニュー項目が表示されるので、[オンライン検索]を選択して、Web検索でどのようなプロセスなのかを調べたり、場合によっては[プロセスの終了]を選択して強制的にプロセスを終了させたりすればよい。ただし、プロセスを強制終了すると、未保存のデータが失われる可能性もあるので慎重に実行してほしい。
| メニュー名 | 機能 | 説明 |
|---|---|---|
| プロセスの終了 | 選択したプロセスを強制終了 | タスクマネージャーの[タスクの終了]と同じ機能。応答しないアプリケーションを止めたいときに使用 |
| プロセスツリーの終了 | 選択したプロセスとその子プロセスをまとめて終了 | ブラウザ本体と、そのタブごとのサブプロセスを一括終了するなどの際に使用 |
| 待機チェーンの分析 | プロセスが「応答なし」になる原因を調べる機能 | どのプロセスやスレッドがリソースを待機しているかを可視化する。原因となっている別のプロセスだけを終了させれば、アプリケーション自体を終了しなくても復旧できる場合がある |
| プロセスの中断/再開 | 選択したプロセスを一時停止/再開 | CPU使用率が高いプロセスを一時的に止めたいときなどに使用 |
| オンライン検索 | 選択したプロセス名をインターネットで検索 | 不明なプロセスが何なのかを調べる際に使用 |
| リソースモニターの「プロセス」欄の右クリックメニュー項目 | ||
なお、この右クリックメニューが表示可能なのは、各タブの「プロセス」「ディスク活動のプロセス」「ネットワーク活動のプロセス」欄だけなので注意してほしい。
プロセスを終了する(1)
負荷が高いプロセス名を右クリックし、メニューで[プロセスの終了]または[プロセスツリーの終了]を選択すると、そのプロセスを強制終了できる。また、プロセスによっては、別のプロセスの待機待ちの場合もある。そのような可能性がある場合は、[待機チェーンの分析]を選択する。
プロセスを終了する(2)
画面では1つのスレッドが待機待ちになっているが、プロセスによってはツリー状態で表示されることもある。待機状態のスレッドにチェックを入れ、[プロセスの終了]ボタンをクリックすると、そのスレッドのみを終了できる。これによりアプリケーション自体を終了しなくても復旧できる場合がある。
このように項目ごとにタブを開き、使用率が高いプロセスを探すことで、PCの動作が重くなったり不調になっていたりする原因を調べることが可能だ。
【トラブル別】リソースモニター実践診断テクニック
もう少し具体的なトラブル例を挙げて、リソースモニターの使い方を解説していこう。
CPU/ディスク使用率100%の原因を特定する
Windows 11のマウスポインターの動きが遅くなったり、ストレージのアクセスランプが点灯しっぱなしになったりした場合、CPUやディスクの使用率が異常に高くなっている可能性がある。
このような場合、リソースモニターを起動し、[概要]タブを開いた状態で右ペインの「ビュー」に表示されている「CPU」と「ディスク」」の各グラフを見て、使用率が高いものを確認する。
例えば、「CPU」のグラフが100%に近い状態であれば、何らかの処理によってCPU使用率が高くなっていることが分かる。そこで、[CPU]タブを開き、「プロセス」欄を展開、「平均CPU」列で並べ替えて、使用率が高いプロセスを確認する。
プロセス名(「イメージ」列)を見て、見当が付かないものならば右クリックメニューの[オンライン検索]を選択して、BingによるWeb検索を実行して、どのような処理のプロセスなのかを確認するとよい。Web検索では分からなかった場合は、その検索結果ページ上部にある[Copilot検索]タブを選択するとよい。どのようなプロセスなのかが分かりやすく示される。
特定のアプリケーションが何らかの原因でCPU使用率を高めているような場合は、該当するものを閉じるなどすればよい。ウイルススキャンが実行されている場合は終了するまで待てばよい。
アプリケーションがハングアップしているなどの理由で、閉じれらない場合は、リソースモニターの右クリックメニューで[プロセスの終了]または[プロセスツリーの終了]を選択して、プロセスを強制終了する。
何のプロセスなのかを調べる(1)
プロセス名を見ても何のプロセスなのか分からない場合、不用意に終了してしまうとシステムが不安定になる可能性がある。そのような場合は、プロセス名を右クリックし、メニューの[オンライン検索]を選択する。
何のプロセスなのかを調べる(2)
既定のWebブラウザが起動し、Bing検索でプロセス名の検索が実行される。ただ、検索結果では分からないことも多い。そのような場合は、[Copilot検索]タブを開くとよい。プロセスに関する情報が表示されるはずだ。英語で表示された場合は、「フォローアップを尋ねる」の入力ボックスに「日本語に翻訳して」と入力すればよい。
同様にグラフで「ディスク」の使用率が高い場合は、[ディスク]タブを開き、「ディスク活動」欄を展開、「読み取り」列または「書き込み」列の数値が大きいプロセスが使用している「プロセス」や「ファイル」を確認する。例えば、「OneDrive.exe」の数値が大きな場合は、同期によって頻繁にディスクへの読み書きが実行されていることが分かる。この場合は、同期が終了するまで待てばよい。
また、特定のファイルへの書き込みの数値が高い場合は、どのようなファイルへの書き込みが多いのかを「ファイル」列を見て確認し、もしOSのログファイルへの書き込みが原因ならばシステム的な問題があると診断できるし、ページファイルへの読み書きが多い場合は物理メモリが不足していると判断できる。
ディスク使用率が高い場合
ディスク使用率が高い場合は、「ディスク活動」欄を展開し、「合計」列で並べ替える。「ファイル」列を確認し、どのファイルへのアクセスが多いのかをチェックする。ここで「ページファイル」へのアクセスが多いのであれば、物理メモリ量が足りず、スワップが生じてディスク使用率が高まっていることが分かる。
特定のアプリケーションの通信状況を監視する
セキュリティ上の懸念があるアプリケーションや、大量のデータをダウンロードしているアプリケーションがあるかどうかを確認したい場合は、リソースモニターの[ネットワーク]タブを使う。
「ネットワーク活動のプロセス」欄で怪しいアプリケーション(イメージ)にチェックを入れる。「TCP接続」欄を展開すると、チェックしたアプリケーションがどのリモートアドレス(IPアドレス)と、どのポート番号で通信しているのかが確認できる。
怪しいアプリケーションに対して、この作業を繰り返すことで不審なサーバとの通信が特定できる。本来、外部サーバへの通信が必要ないアプリケーションや、インストールした覚えのないアプリケーションで「リモートアドレス」欄にIPアドレスが記載されている場合は注意が必要だ。
特定のアプリケーションの通信状況を確認する(2)
「TCP接続」欄を展開すると、チェックしたアプリケーションがどのリモートアドレス(IPアドレス)と、どのポート番号で通信しているのかが確認できる。不審な通信先がある場合は、マルウェア感染が疑われるので即座にウイルススキャンを実行しよう。
マルウェア感染の疑いがある場合は、即座にウイルスチェックを実行し、感染していないことを確認しよう(ウイルスチェックについては、Tech TIPS「【Windows 11】「もしかしてウイルス感染?」の不安を即解消、インストール不要のウイルス駆除ツール『悪意のあるソフトウェアの削除ツール』を呼び出す技」参照のこと)。
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