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本当にこの会社でよかったの? 内定ブルーを解消する理系学生のための「就活」お悩み相談室(6)(1/2 ページ)

いよいよ就職活動が本格化する。面接や自己分析などがうまくいかなくて、悩む場面も多くなるだろう。学生相談を担当するカウンセラーが、就活生の悩みに答える。

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今回の相談:「これって内定ブルーですか?」

 5月末、ようやく内定を1つもらいました。はじめは本当にうれしかったのですが、だんだん不安になってきました。

 内定をくれた企業では、自分のやりたいことができそうだけど、企業規模が小さいことが気になります。残業はそれほど多くないという話を聞いていたのですが、先輩社員に聞くと「はじめのうちは残業していた」といわれました。「この会社で本当にいいのか……」という考えが頭を抜けなません。もう少し就職活動を続けて、他の会社を受けた方がいいのかどうか迷っています。しかし、内定承諾までもう時間がありません。何を基準にして決断すればいいのでしょうか?

(数学部5年 N.Oさん)



 早くも6月になりました。就職活動を続ける人にとっては、秋募集に備えて準備を万端にしておく季節。内定が出た人にとっては、やっと勉強に集中できる環境が整ったところだと思います。

 とはいえ、念願の内定をもらったのにもかかわらず、複雑な気持ちになることがあります。いまや学生の3分の1が陥るといわれている「内定ブルー」です。今回は、内定ブルーについて考えてみましょう。

内定が決まったけれど……

 内定ブルーに陥る時期はさまざまありますが、早い人では「内定通知を受け取った数時間後から数日後」に、憂うつな気分がに襲われるといいます。

 「本当にこの会社でよかったのだろうか。もっといい企業があったのではないか」

 「自分はこの職務に適性があるのだろうか。他業種を見て回らずに、いま決めてしまっていいのだろうか」

 「思いのほかハードな仕事だったり、職場の人と合わなかったりしたらどうしよう」

 「まだ気力をふりしぼれば、就職活動を続けられるかもしれない。いや、もう気力を使い果たして無理かもしれない……」

 上記のように「本当にこれでいいのだろうか……」という考えが頭の中でぐるぐる回ってしまい、かといってどんなに考えても結論が出ず、悩みの渦中にはまってしまうようです。

 内定は突然、あっという間に出ます。これまで就職活動を頑張ってきた期間と比べると、あまりにあっけなくて拍子抜けしてしまうほどです。一生の仕事(転職ができる世の中とはいえ、最初に入る企業は重要な意味を持ちます)を決めようとしているのですから、突然の進路決定に戸惑うのは当然です。悩んで「ブルー」になるのは、駄目なことではありません。あまり思い詰めすぎないで、いまの悩みが未来につながるよう、「建設的」に考えてみることにしましょう。

何が内定ブルーの原因か?

 これまでの就職活動は内定したい会社への「一方通行の思い」でしたが、内定が出ると、会社と自分の間に「相互関係」ができます。内定をもらったということは「良くも悪くも、会社との関係を現実的に受け止める段階に入った」と考えてみてください。

 ここで改めて、会社や自分の考えを見つめ直してみましょう。

 まず、「プラス面」について。いま自分が「この会社はここがいい」と思っているプラスの条件は、入社後もそのままあなたの満足感につながるでしょう。「通勤が楽」「やりがいのある仕事である」「社風が合う」「給与に満足している」など、自分にとってメリットであることを、簡単に手放さないようにしたいものです。内定をもらって、自分を人材として評価して期待してくれたことも、ほかの会社にはない重要なプラス要因です。

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