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フレームリレーの基本を学習するネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(35)(2/2 ページ)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。

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正解

 d

解説

 正解は選択肢dのDLCIです。LMIタイプとしては、Cisco、ANSI、Q.933Aがあります。デフォルトはCiscoです。Cisco IOS11.2以降では、ルータはフレームリレースイッチが使用しているLMIタイプを自動検出できます。

フレームリレーのトポロジとNBMA

図2 フレームリレーのトポロジとNBMA
図2 フレームリレーのトポロジとNBMA

 図2のように、フレームリレーのトポロジがスター型の場合、拠点からのルーティングアップデートがほかの拠点に伝わらない可能性があります。拠点Aからのルーティングアップデートを、本社ルータが受信したとします。しかし、スプリットホライズンのルールにより、拠点Aからのルーティングアップデートは、拠点B、拠点Cに伝播されません。スプリットホライズンは、「ルーティングアップデートを受け取った方向に返さない」というものです。これではルーティングテーブルが完成されません。

 そこで、図2の本社ルータでは、サブインターフェイスというインターフェイスを作成し、この問題を回避します。サブインターフェイスには、ポイントツーポイントサブインターフェイスと、マルチポイントサブインターフェイスがありますが、ルーティングアップデートの問題を解決するのは、ポイントツーポイントサブインターフェイスです。

フレームリレーの基本設定

図3 フレームリレーの基本設定
図3 フレームリレーの基本設定

 図3の拠点1 ルータAの設定を行います。ルータAのSerial0/3/1インターフェイスを、2つのサブインターフェイス、Serial0/3/1.9、Serial0/3/1.10に分けます。Serial0/3/1インターフェイスには、IPアドレスは設定せず、フレームリレーのカプセル化の設定を行います(フレームリレーヘッダを付け、パケットを包むイメージから、カプセル化と表現することがあります)。IPアドレスはサブインターフェイスに設定します。この構成では、各PVCにサブネットが必要です。サブインターフェイスには、DLCIの番号も設定します。

Router(config)#interface serial0/3/1
Router(config-if)#no ip address
Router(config-if)#encapsulation frame-relay
Router(config-if)#exit
Router(config)#interface Serial0/3/1.9 point-to-point
Router(config-subif)#ip address 10.140.9.1 255.255.255.0
Router(config-subif)#frame-relay interface-dlci 309
Router(config-fr-dlci)#exit
Router(config-subif)#interface Serial0/3/1.10 point-to-point
Router(config-subif)#ip address 10.140.10.1 255.255.255.0
Router(config-subif)#frame-relay interface-dlci 310
Router(config-if)#exit

 Inverse ARPを使用しない場合は、リモートIPアドレスとローカルDLCIを対応付けるコマンドが必要です。以下は、ローカルDLCI100を、リモートIPアドレス172.31.1.2に対応付けるコマンドです。

Router(config-if)#frame-relay map ip 172.31.1.2 100 broadcast

 フレームリレーの設定と動作を確認するには、show frame-relay pvcコマンドを使用します。

DLCI = 309, DLCI USAGE = LOCAL, PVC STATUS = ACTIVE, INTERFACE = Serial0/3/1.9
  input pkts 3409          output pkts 3425         in bytes 370214
  out bytes 376504         dropped pkts 0           in pkts dropped 0
  out pkts dropped 0                out bytes dropped 0
  in FECN pkts 0           in BECN pkts 0           out FECN pkts 0
  out BECN pkts 0          in DE pkts 0             out DE pkts 0
  out bcast pkts 3385      out bcast bytes 372820
  5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
  5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
  pvc create time 02:55:32, last time pvc status changed 02:44:10

 上記の1行目を見ると、Serial0/3/1.9インターフェイスのPVCは、DLCI番号309です。PVCステータスはACTIVEと表示されています。ACTIVEとは、エンドツーエンドでPVC接続が確立されている状態です。

 2行目以降には、送受信したパケットの統計情報や、輻輳通知パケットの情報などが表示されています。

確認問題3

問題

 フレームリレーマップを設定するコマンドで、正しいものを1つ選択してください。

a.interface-dlci 100

b.encapsulation frame-relay

c.frame-relay map ip 100 172.31.1.2 broadcast

d.frame-relay map ip 172.31.1.2 100 broadcast

正解

 d

解説

 正解は選択肢dです。選択肢aは、サブインターフェイスにDLCI番号を対応付けるコマンドです。選択肢bは、フレームリレーのカプセル化を設定するコマンドです。選択肢cは、DLCI番号とリモートIPアドレスの対応付けが逆です。

筆者プロフィール

内藤佳弥子(ないとうかやこ)

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。IT業界でヘルプデスク、ユーザーサポートを経てトレーナーになる。現在は、Cisco認定トレーナーとして、CCNA、CCNPのコースなどのCisco認定トレーニングコース、ネットワーク系オリジナルコースを担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら


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