本連載では、iOS(iPhone/iPad/iPod touch)、Android、Windows Phoneなど、さまざまなスマートフォンのプラットフォームに対応するために、各スマホプラットフォーム同士のアプリ移植はもちろん、HTML(HTML5含む)+JavaScriptのWebアプリからのネイティブアプリ変換、Adobe AIR(以下、AIR)/Flashアプリ、デスクトップPC向けのアプリからの移植テクなども紹介する予定です。
第1回から数回は、先日国内でも販売が開始されたスマートフォン「Windows Phone」向けのアプリを今後開発していこうと考えているさまざまなタイプの開発者さん向けに、iOS、Android、Windows Phoneのアプリ開発経験がある筆者が独断と偏見で、簡単なWindows Phoneアプリ開発への移行をアドバイスします。
第1回は.NET開発経験のあまりない方、未経験な方向けに、Windows Phoneアプリを作るためのアドバイスをし、他のプラットフォームからの移行について解説します。
まずとにかく、Windows Phoneアプリを作ってみたい人は
「技術はとにかく手を動かしてサンプル作成」派の方は、下記@IT記事を参考に、すぐにアプリを開発してみることをお勧めします。
最初のページを読むのもツライという方は、下記リンクの無料ツール「Windows Phone SDK 7.1」をインストールして、すぐ上記記事の2ページ目のアプリケーション開発手順に進んでください!
・Windows Phone SDK 7,1をインストール(※上記記事公開直前の2011年9月23日にSDKのRCが外れています)
インストーラをダブルクリックするだけで多数の開発ツール(上記記事参照)がインストールされます。
コラム Windows Phoneアプリ開発環境のスペック
Windows Phoneアプリ開発はエミュレータベースであれば特に開発者ライセンス登録といったことは必要ありません。ただし、さくさく開発するにはPCのスペックの要求が比較的高いのに注意する必要があります。
以下に、筆者の開発環境を簡単に紹介します。
- OS:Windows 8 Professional 64bit版
- CPU:Intel Core i7 2.80GHz
- メモリ:8.00 Gbytes
Windows Phoneアプリ開発の場合、開発ツールの特性上しっかりとしたデスクトップPCを準備する必要があると思います。最近発売しているWindows 7 PCやMacBook Airなどであればエミュレータ含めサクサク動作します。
Windows Phoneアプリ開発の10の特徴
Windows Phoneアプリ開発の特徴を独断と偏見でいくつか挙げてみます。
- C#/VB(Visual Basic)で開発ができる
- Visual Studio 2010による開発の生産性が高い
- Expression Blend 4による画面開発の生産性が高い
- 無料のハンズオンセミナが頻繁に開催されている(2011年10月時点)
- マイクロソフトによる各種日本語による技術サポートが受けやすい
- クラウドコンピューティング環境「Windows Azure」との連携用ツール「Windows Azure Toolkit for Windows Phone」が用意されている(iOS用やAndroid用もあるが)
- 開発を支援するコンポーネントがある(Infragistics NetAdvantage for Windows Phoneなど)
- 日本語技術ドキュメント、技術ノウハウはWeb上には少ない
- Windows Phone Marketplace審査前に自分でプレ審査できるツールが用意されている
- Windows Phone Marketplace審査で却下された際に、開発者目線で問題を指摘してくれる
開発言語、開発環境周りに関しては今回はあまり取り上げませんが、他のプラットフォームで開発した経験のある人であれば皆さんスムーズにWindows Phoneに移行可能です。
また、他のスマホプラットフォームに比べると、提供企業から技術支援を直接受けられるというのは大きなメリットではないでしょうか。MSDNの掲示板、Twitterのハッシュタグ「#wp7dev_jp」などマイクロソフトの技術者もチェックしている場が多くあるので、技術的な問題点が解消しやすい環境になっています。
次ページでは、Windows Phoneアプリ開発の概要を説明します。
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