プログラムを「どや!」と発表し合う、明治大学アブノーマルプログラミング:UXClip(7)(1/3 ページ)
「人を驚かせ、笑わせ、楽しませる」というコンセプトに基づき、アブノーマルなプログラミングを発表し合うイベントABProをレポートする。
ABPro(普通じゃないプログラミング発表会)とは?
ABProは「人を驚かせ、笑わせ、楽しませる」というコンセプトに基づき、アブノーマルなプログラミングを発表し合うイベントだ。ひと言でいえば、自分の作った「人に見せるための、何か他とは違う」プログラムを「どや!」と発表し合う会である。驚くべき作品を披露し合い、互いの技術とアイデアをたたえ合うお祭りだ。
明治大学の宮下研究室(ディジタルコンテンツ学)で、夏休みのプログラミング自由研究発表会として、2008年から行われていたものが、だんだん「普通じゃない」度を増していき、2010年から「普通じゃないプログラミング発表会(ABPro)」としてオープンなイベントとなり、今年で5年目を迎える。
オープンになってからは、参加者が他の参加者を連れてくるようになり、年々イベントの評判が広がり、それに伴って発表の内容もバラエティに富んできている。今回は予定されていただけで43人、当日の飛び入りやビデオでの発表を含めると50人以上が登壇する大イベントになった。
どういうものが「人を驚かせ、笑わせ、楽しませる、アブノーマルなプログラム」なのか、発表された作品を見ていこう。
抱腹絶倒のジョークプログラム
ゴミ箱めがけて一直線!
のっけから発表されたのが、「起動すると、デスクトップ上のあらゆるアイコンがゴミ箱めがけて移動し始める」という「昇天プログラム」。
ゴミ箱をつかんで動かすと、アイコンは必死に追いかけてきて、とにかくゴミ箱に入ろうとする。次々とアイコンがゴミ箱に入っていき、最後にはデスクトップに何もなくなる。
デスクトップに大量の蚊が……
他にも、デスクトップアイコンが大量の蚊に変身し、それらをツブすプログラム
アイコンがすべて落ちゲーに!
デスクトップがいきなりパズルゲーになり、フォルダアイコン、Firefox、Chromeのショートカットアイコンなど、デスクトップ上のアイコンが一定数並ぶと消え、上から新しいアイコンが落ちてくる、「ぷよぷよ」や「テトリス」「パズル&ドラゴンズ」のようなゲームが楽しめるプログラム
アイコン同士が戦い始める!
ネットワーク上の2台のPC内のアイコンが互いに攻撃を始め、弾を発射して相手のPCのアイコンを消滅させていく「ICON_Wars」など、あぜんとするプログラムがいくつも発表された。
Old MacintoshやDOSの時代によく見られたような、何となく懐かしい感じがするデスクトップのジョークソフトを、今の時代の大学生が作っているのが衝撃的。インターネットやソーシャルメディアが普及してから、この手のジョークソフトはWebやスマホアプリに流れて昔ほどは見なくなった感があり、かえって新鮮に感じる。
普通じゃない「つくってみた」
ABProには
・自分で作ったこと(イベントの性質的にグループ制作より個人中心)
・会場でデモできること
というレギュレーションしかなく、「どういうものを作れ」といった決まりはない。発表されるプログラムは各自が得意なさまざまな言語で書かれ、プログラミングとフィジカルなものを組み合わせた電子工作も発表される。
キーボードが電光掲示板に!そして走る!
キーボードを使ったイルミネーションを作る電子工作。大量のキーボードに対してCapsLock、NumLockなどの信号を送ることで、キーボードの右上にある3つのLEDをイルミネーションさせる。
これだけでなく、ワイヤレスキーボードに対してCapsLockなどの信号を送り、それを光センサで読み取ることで、「無線通信されるキーボードからの信号を受けて動くラジコン」まで披露。入力装置であるキーボードを出力装置として使う誰得なHackだ。
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