Hardening One、8時間に渡る戦いの結果は?:川口洋のセキュリティ・プライベート・アイズ(43)(1/3 ページ)
前回のコラムでは、「Hardening One」開催に至るまでの狙いと準備の様子をご紹介しました。続けて今回は、10月27日と11月2日に行われたイベント本番の模様をお届けします。
こんにちは、川口です。ずいぶんとコラムの間が空いてしまったと思ったら、今度は連続しての公開です。
前回のコラムでは、“ITシステムの総合運用能力”を競うイベント、「Hardening One」開催に至るまでの狙いと準備の様子をご紹介しました。続けて今回は、10月27日と11月2日に行われた本番の模様をお届けします。
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そのときStarBEDが動いた――「Hardening One」の夜明け前
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1212/10/news015.html
Hardening Project
http://wasforum.jp/hardening-project/
いざ、Hardening Day!!
前回のコラムでご紹介したとおり、「Hardening One」は、「Hardening Zero」から大幅にパワーアップして、10月27日に都内某社のオフィスをお借りして行われました。開場時間になると参加者が次々に部屋に入ってきて、競技開始に向けて机や椅子、LANケーブルのセッティングを始めます。
まず実行委員長の門林先生から、Hardening Oneの「開会宣言」が行われました。続いて、評価チーム「kuromame6」を代表して、私が競技ルールの説明を行いました。
オープニングのドラが鳴り響くと競技開始です。参加者は一斉に競技資料に飛びつき、その内容を読みながら競技環境のStarBEDに接続します。
大きなトラブルもなく、各参加チームはStarBEDに接続します。前回から接続方式を少し変更したのですが、やはりHardening Zeroに参加したことのあるチームは比較的早く接続できるようです。
実はこのStarBEDの環境は、SSHサーバを踏み台として使って内部の競技環境に接続します。そのため、SSHのポートフォワードの使い方に慣れているかどうかが作業効率に大きく影響します。多数のサーバ、多数のサービスをポートフォワードする必要があり、これらの作業をいかに効率よく行うかが勝負の分かれ目です。
そして今回も、kuromame6が、参加者の環境にさまざまなイベントを発生させます。kuromame6はStarBED技術チームとともに会場の隅に陣取り、ディスプレイや会話を盗み(見|聴)されないように座っています。
個人的には前回MacBook Air 1台だけで苦労したので、ディスプレイの大きいWindowsノートパソコンも持参し、2台体制で対応しました。やはり普段から使い慣れているWindowsということと、ディスプレイが大きいマシンを用意したことで作業効率がよくなり、正解でした。また、システム構築準備でヘロヘロになっていましたが、レッドブル2本と会場で配られていた「パワーの源」で乗り切ることができました。
お昼ご飯はHardening Projectから参加者全員に提供された「石巻爆速復興弁当」です。3種類あり、どれも石巻の海の幸で作られています。私はとてもおいしくいただきましたが、競技参加者の中には2時間(!)かけて食べた人もいるようで、お弁当を味わうどころではなかったようです。確かに、実際のインシデント対応中にのんびりご飯を食べている暇はありませんから、仕方のないところかもしれません。
Hardeningに参加しつつ、復興に貢献……イベントのPR、クロスメディア戦略、あらゆる要素を加味して、「魅せる」イベントにショウアップするために暗躍したのが、いわゆる「セキュリティ界のオッサンども」からなる鉄壁のファシリテーション軍団、「イロマメセブン」です。上記の写真のように、イロマメセブンのファシリテーション力とkuromame6の技術力が激突・融合して、Hardening Projectは成り立っています。
また今回も、Zeroに引き続き、たくさんのスポンサーのご協力がありました。Hardening Dayの競技進行中はUstreamでスポンサーの方を交えたトークタイムを設け、「セキュリティ診断」「Windows 8」などのテーマを設けて座談会も行いました。このあたりは会場に来ることができない視聴者の方を意識した放送構成になっています。
実は、Hardening Projectのテーマとして「観客の視点」を大事にしたいということがあります。ただ、競技そのものを「見せる」という点ではまだまだ課題があります。「競技の見せ方について、こんなアイデアがあるぜ」という方、ぜひご連絡をお待ちしています。
この日、8時間に渡る競技を終えた参加者は解散後、それぞれのチームで反省会を行っていたようです。Hardening Projectメンバーも打ち上げのお店に消えていきました。
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