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Hardening One、8時間に渡る戦いの結果は?川口洋のセキュリティ・プライベート・アイズ(43)(2/3 ページ)

前回のコラムでは、「Hardening One」開催に至るまでの狙いと準備の様子をご紹介しました。続けて今回は、10月27日と11月2日に行われたイベント本番の模様をお届けします。

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運営裏話

 参加者は大変な思いをしたかもしれませんが、Hardening Dayというイベントそのものは大きな障害もなく、無事に終わることができました。中でも、StarBED技術チームが一番胸をなでおろしていました。

 しかし、その裏には、無事に開催できたのが奇跡と思えるほどの苦労があったのです。

 前回お話ししたとおり、Hardening OneはZeroに比べてシステム環境を拡大したので、ギリギリまでシステム構築作業を進めることになりました。Hardening Zeroの教訓と経験を生かして、前回よりは早めに準備を始めたのですが、それでも構築が追い付かず、参加者の環境が正常に稼働したのはHardening Day前日の22時でした。

 得点集計を行うクローラシステムに至っては、正常に稼働したのは何と競技開始5分前。以下のチャットのログがクローラシステムの動作確認をしているときの様子です。これをご覧になれば、どれほど綱渡りだったか、その一端を垣間見ることができるでしょう。

クローラマシンの動作確認中
クローラマシンの動作確認中のログ

 実はクローラマシンを動かす仮想マシンを、競技開始直前、処理能力を上げるために別のハードウェアに移設していました。移設後、クローラマシンの仮想マシンが起動したのが9時33分。その後もネットワークの疎通確認に追われ、10時3分の時点でも名前解決ができないことが判明。しかし、その1分後には /etc/resolv.conf を修正し、正常に稼働できる状態に持っていったことがログから分かります。

クローラマシンのCPUとメモリをパワーアップ
クローラマシンのCPUとメモリをパワーアップ

 さらにお昼の時間帯には、クローラマシンのCPU(1コア→16コア)とメモリ(4GB→16GB)の増強が行われました。12時26分にマシンをシャットダウンして設定を修正し、12時27分にマシンが起動しています。12時30分にはクローラのパワーアップが完了し、上野さんが歓喜の声を上げることになりました。わずか4分の早業です。

 StarBED技術チームがkuromame6の目の前の席に座っていたこともあり、このようにマシンパワーの増強を一瞬で行うことができました。クローラマシン以外に、攻撃に使用するLinuxマシンのパワーアップも瞬時に行ってもらいました。

 実際にやってみると分かるのですが、8チーム分の環境に同時にイベントを発生させるためには、相応のマシンリソースが必要になります。そして同時に、それをコントロールする人も必要です。StarBEDチームによる運用能力が、運用能力を競うHardeningイベントを支えてくれました

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