ノマド・ワーカーのためのVPNクライアント設定入門:運用(4/5 ページ)
外出先から社内のネットワークに安全な形でアクセスする際に、インターネットVPNを利用することが一般的。そこでインターネットVPNを利用するためのクライアントのセットアップ手順などについて解説する。
iOSのVPNクライアントの設定
iOSのVPNクライアントは、L2TP/PPTP/IPsecによるVPN接続をサポートしている。メニューの項目名など、iOSのバージョンによって若干異なるものの、基本的な操作方法は同じだ。以下では、iOS 6.1のiPod touchをベースとして解説する。
VPNの設定は、[ホーム画面]−[設定]−[一般]画面で、[VPN]をタップする。[VPN]画面で[VPN構成を追加...]をタップし、次の[構成を追加]画面で、「L2TP」「PPTP」「IPSec」のいずれかのプロトコルを選択し、サーバなどの設定を行う。
[F]
VPNの[構成を追加]画面
接続先のトンネリング・プロトコルを選択し、サーバやアカウントなどの情報を入力・設定する。
(1)トンネリング・プロトコルを選択する。
(2)サーバやアカウントなどの必要な情報を入力・設定する。PPTPの場合の設定内容については、下表を参照していただきたい。
PPTPの場合、以下のような設定を行う。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
説明 | 分かりやすい接続名 |
サーバ | VPNゲートウェイのネットワーク・アドレス。「vpn.example.jp」といったFQDNか、またはIPアドレスで指定する |
アカウント | 認証に用いるユーザー名。ドメイン名が必要になる場合は、<ユーザー名>@<ドメイン名>で入力する。<ドメイン名>\<ユーザー名>で指定すると認証エラーになるので注意 |
RSA SecurID | RSA SecurIDのオン/オフ。Windows ServerのRRAS機能を利用している場合、通常はオフ |
パスワード | 認証に用いるパスワード。セキュリティ上、空白にしておき毎回入力するようにする |
暗号化レベル | 「自動」「最大」「なし」から選択可能。通常は「自動」にしておけばよい |
すべての信号を送信 | 通常は「オン」。ただし接続確立に失敗する場合「オフ」を試してみるとよい |
iOSのPPTPの設定 |
設定が完了すると、[設定]−[一般]−[VPN]の画面にVPNのエントリ(「説明」に入力した名称)が追加される。この画面の一番上にある「VPN」を[オン]にすると、VPN接続が開始される。VPN接続が確立されると、画面左上の[Wi-Fi]アイコンの隣に[VPN]アイコンが表示されるようになる。
接続中の[VPN]の画面
設定したVPN接続を開始する場合、この画面の「VPN」を[オン]にすればよい。接続が確立されると、「状況」に接続中の時間が表示され、[Wi-Fi]アイコンの右隣に[VPN]アイコンが表示される。
(1)設定したVPN接続のエントリ。
(2)ここを[オン]にするとVPN接続が開始される。切断するときは、[オフ]にすればよい。
(3)VPN接続中は、[VPN]というアイコンが[Wi-Fi]アイコンの右隣に表示される。
VPNの構成を行うと、[ホーム画面]−[設定]画面の[Wi-Fi]の下に[VPN]が追加され、ここでオン/オフが可能になる。接続先が複数ある場合、[一般]−[VPN]の画面でVPNの接続先としてチェック(デフォルトの接続先に設定)しているサーバ(VPNゲートウェイ)に接続される。
このようにiOSでは、Windows 7/8と異なり、トンネリング・プロトコルの選択が必要になる。そのため、接続先のVPNゲートウェイに設定されているトンネリング・プロトコルが何なのか、管理者に確認しておくとよい。ただ、トンネリング・プロトコルが分かっていれば、設定可能な項目は最低限のものなので、設定に悩むことはないだろう。
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