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Visual Studio 2012の新機能とASP.NET 4.5のコア機能特集:ASP.NET 4.5新機能概説(1)(1/4 ページ)

ついに「ASP.NET and Web Tools 2012.2 Update」がリリース。ASP.NET 4.5も含めて、新機能や改善された機能を解説する連載スタート。

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特集:ASP.NET 4.5新機能概説
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連載目次

はじめに

 2012年9月に開発環境であるVisual Studio 2012(以降、VS 2012)の提供が開始され、それに合わせて開発プラットフォームの.NET Frameworkも4.5に更新された(ASP.NETも4.5に更新)。

 また2012年12月14日には、ASP.NETのラインタイムおよびVS 2012用のWebツールを含んだ「ASP.NET and Web Tools 2012.2」の製品候補版(RC版)がアナウンスされた。これは、以前は「ASP.NET Fall 2012 Update」と呼ばれていたが、プレリリース時に名称が変更されたものだ。

 そしていよいよ2013年2月18日に「ASP.NET and Web Tools 2012.2 Update」(以降、2012.2 Update)として最終版がリリースされた。2012.2 Updateは「http://www.asp.net/vnext」からダウンロードが可能だ。

  「ASP.NET and Web Tools 2012.2 Update」により、ASP.NET 4.5は機能強化され、また、VS 2010以来のメジャー・バージョン・アップとなっているVS 2012では、スマートフォンやタブレット、そしてHTML5に対応するための開発作業をより効率的に実現できるような改善が多数含まれている。

 本連載では、ASP.NET 4.5、および、2012.2 Updateで追加/改善された機能を中心に解説する。

 まず第1回目である本稿では、全体の概要、VS 2012で強化された各種エディタ、そしてASP.NETのコア機能について紹介する。なお、.NET言語によるコードはC#を使用する(本稿は、機能内容を概観するためのもので、プログラミング方法を学習するための記事ではないため、Visual Basicによるコードは割愛する)。

ASP.NET 4.5概要

 ASP.NET 4.5では、WebSocketをはじめとするHTML5関連の仕様が実装され、スマート・デバイスを含むさまざまな環境でリッチなUI/UXを提供できるようになった。またモバイル環境ではPCに比べて貧弱な回線を使用するため、CSSやJavaScriptのファイルを小さくしたり複数のファイルを1つにまとめたりするなどの仕組みも併せて実装された。

 セキュリティ面では、これまで外部ライブラリであったクロス・サイト・スクリプティング(XSS)から防御するためのライブラリが統合され、より簡単に導入できるようになった。

 最近のWebアプリでは、データベース以外にも外部のWeb APIと連携することも多くなってきており、複数のリクエスト/レスポンスを効率よく扱えるように、処理の非同期化を行う仕組みも実装された。

 本連載で紹介するものも含めて、ASP.NET 4.5、および、2012.2 Updateで追加および強化された主要な機能には以下のものがある。なお、2012.2 Updateの新機能については、「*」で表記している。以降の節でも、2012.2 Updateの新機能については[2012.2 Update]と明記している。

カテゴリ 機能
ASP.NETコア機能 HTTPリクエスト/レスポンスの読み書き非同期化
HTTPモジュール/ハンドラの非同期
新しいASP.NETリクエスト検証
遅延リクエスト検証
非検証リクエスト・サポート
AntiXSSライブラリ
WebSocketプロトコル・サポート
バンドル&ミニフィケーション
Webホスティングのパフォーマンス改善
ASP.NET Webフォーム 強く型付けされたデータ・コントロール
モデル・バインディング
HTMLエンコード・データ・バインディング記法
控えめな検証
HTML5対応
ASP.NET MVC4 デフォルト・プロジェクト・テンプレート改善
コントローラを任意のプロジェクト・フォルダに追加
データベース・マイグレーション
Web API
モバイル関連の改善
ASP.NET Webページ2 Validationヘルパを使用したサーバサイド/クライアントサイド検証
OAuth/OpenIDを使用したFacebookなどサイトへのログイン機能
Mapsヘルパを使用した地図情報の追加
モバイル対応
ASP.NET Web API *Open Data Protocol(OData)の対応
*トレース機能の追加
*ヘルプ・ページ自動生成
ASP.NET SignalR *SignalRの追加
ASP.NET Friendly URLs *FriendlyUrlsの追加
Visual Studio 2012 HTML/JavaScript/CSSエディタ改善
ページ・インスペクタ
追加および強化された主要機能一覧

 なお本稿は、2012.2 Update最終リリース版と、日本語版のVS 2012 Express for Webを使用して検証している。

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