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日本HPが発表したHP Moonshot Systemの「異次元」度Webデータセンター向けAtomサーバにとどまらない

日本ヒューレット・パッカードが4月16日に発表した「HP Moonshot System」。Atomベースのハイパースケールサーバとしては圧倒的な高密度とはいえない。しかし製品コンセプトは非常に斬新だ。

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 日本ヒューレット・パッカードが4月16日に発表した「HP Moonshot System」。Atomベースのハイパースケールサーバとしては圧倒的な高密度とはいえない。しかし製品コンセプトは非常に斬新だ。従来型のサーバでは処理効率が悪いようなスケールアウト処理ニーズが今後大きく広がるという見込みのもとに、すき間商品ではなく同社のサーバ事業における第2の柱として開発されたものだ。

 Atomに続き、今後ARM、DSP、FPGA、GPUといったプロセッサを搭載したサーバカートリッジを提供予定で、「まずハードウェアありき」でなく、ビッグデータや遺伝子解析など、アプリケーション側から発想し、それぞれに適した設計をハードウェアに組み込んでいくという。このことを表現するために、HPは「Software Defined Server」という言葉を使っているが、あまり適切とはいえず、逆に誤解を生みそうだ。英語でいうなら「Modular Hyperscale Server with Application-Driven Designs」といった表現のほうが近い感じがする。


4.3Uのシャーシに45枚のサーバカートリッジを搭載できる

 Moonshot Systemは、4.3Uの「HP Moonshot 1500シャーシ」にカートリッジ型の「HP ProLiant Moonshotサーバー」を最多で45枚挿せる構造になっている(ホットプラグ可能)。各サーバカートリッジはハードディスクドライブおよびネットワークアダプタ(2個)を備えており、それぞれが独立した小型コンピュータといって差し支えない。サーバカートリッジを挿し込むだけで、電源供給やネットワーク接続ができるようになっている。シャーシ内にはネットワークスイッチモジュールが2枚入るようになっており、それぞれが45本の接続をいったん受けて外部コネクタモジュールにつなげる。

 第1弾のサーバカートリッジとして発表されたのは、Atom S1260(2コア)を1基搭載したもの。つまり、4.3Uのシャーシ1台で45のCPUを搭載できることになる。同社は今後、1つのカートリッジにAtomを2基搭載したものを提供の予定という。その場合、ハードディスクドライブを搭載するスペースがなくなるので、代わりにフラッシュメモリを搭載する。さらに複数のサーバカートリッジが共有可能なストレージモジュールを提供するという。Atom×2のカートリッジが登場したとしても、密度が圧倒的に高いとはいえない。例えば現在はAMDに買収されているSeaMicroの「SeaMicro SM15000」は10UでAtom N570を256基搭載可能だ。

 だが、HPはMoonshot Systemで、Webフロントエンド用Atomサーバの密度競争をしようとしているわけではない。従来型の同社サーバで獲得しきれていなかったニーズ、新たに生まれてくるハイパースケールアウト処理ニーズのそれぞれに積極的に対応するというのがMoonshot Systemの基本コンセプトだからだ。

 HPでは、Webホスティング/Webフロントエンドのほかに、オンメモリキャッシュ、通信、ビッグデータ、HPC、その他特殊用途に向け、FGPAでの対応を含めて今後多様なサーバカートリッジを開発していく。

 「国内では、メガデータセンターしか使わないかもしれないと当初は考えたが、リアルタイム分析、ゲーム、半導体設計、研究開発など、市場調査をしていると、日本ならではの使い方が多数あることが分かった」と日本HP 常務執行役員 エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 杉原博茂氏は話す。「Internet of Things」という言葉で表現されるような多数のセンサやカメラの取得した情報を処理する世界、あるいはモノ同士が通信する世界、つまり社会インフラにおける利用も広がっていくだろうという。

 これまではハードウェアをまずつくって、何に使えるかを考えていたが、Moonshotでは「顧客のニーズありき」で、従来とは逆の開発手法をとるという。ユーザー組織や販売パートナーからのリクエストをHPの製品開発チームにインプットし、それを基に(シリコンベンダが)特定用途向けのSoCを起こすことも視野に、各種のサーバカートリッジを開発していく。


用途から発想してハードウェアを設計する

 HPでは、2013年末までに、Atomのほか、ARM、DSP、FPGA搭載のサーバモジュールを提供。2014年初めにはGPU搭載モジュールを出す。また、例えばビッグデータ解析など、特定のアプリケーションジャンルに特化したハードウェア構成のカートリッジを出していくつもりという。

 販売に関しては国内で約40名の専門営業を配置。業種に特化した活動を行う。一方、Moonshot Systemの市場開拓パートナーとして14社と提携。2015年には年間6万台の出荷を目指すという。

 Moonshot Systemの価格は、45カートリッジ構成で希望小売価格が1222万2000円(税込)。

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