Dropboxに保存するデータを透過的に暗号化、「秘文」に新製品:「クラウドの利便性と安全性を両立」と
日立ソリューションズは4月22日、情報流出などのリスクに備え、クラウドストレージサービスに保存したデータを暗号化する「秘文 Cloud Data Protection」を発表した。
日立ソリューションズは4月22日、情報流出などのリスクに備え、クラウドストレージサービスに保存したデータを暗号化する「秘文 Cloud Data Protection」を発表した。5月31日から90日間無料のトライアルサービスを開始し、8月30日から販売を開始する。
同社はこれまで、暗号化や持ち出し制御によって企業システム内で利用されるPCやメール経由での情報漏洩を防ぐセキュリティ製品「秘文」シリーズを提供してきた。これに対し新製品の秘文 Cloud Data Protectionは、boxやDropbox、Microsoft SkyDriveといった社外のクラウドストレージサービスを安全に活用するための製品だ。
日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部長の臼杵誠剛氏は、「Storage as a Service」が注目を集めながらも、市場の伸び率が期待以下にとどまっている理由として、「セキュリティ上の懸念がある」と説明した。逆に、クラウドの利便性を損なわずにデータを保護できる仕組みがきちんと提供されれば、利用を検討する企業が相当の割合あることも判明したという。
秘文 Cloud Data Protectionは、こうした背景から生まれた製品だ。秘文 Cloud Data Protection専用のクライアントでデータをAES 256ビットで暗号化し、クラウドストレージサービスと同期する。このため、第三者、あるいはストレージサービスを提供する事業者であっても、内容を参照できなくなる仕組みだ。
暗号化のための鍵は、インターネット上に用意された鍵管理サーバ(秘文 Cloud Data Protectionサーバ)でアカウント/フォルダ単位で管理され、透過的に暗号化/復号化できる。複数の取引先とそれぞれ機密情報を共有する場合にも利用できるという。
秘文 Cloud Data Protectionクライアントの動作環境はWindows 7で、Windows 8もサポート予定だ。また、暗号化されたファイルの閲覧のみが行えるビューワーは、iOSならびにWindows 8に対応している。
当初は、boxやDropbox、Microsoft SkyDriveといったクラウドストレージサービスへの付加サービスとして提供するが、暗号鍵を自社で管理したいという企業向けに、オンプレミス形式での販売も行う予定だ。価格は個別見積もりとなる。
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