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日本の開発者へのエール、HTML5標準化貢献への期待を語る〜W3C Developer Meetup - Tokyo 2013レポートUXClip(31)(1/3 ページ)

日本のWeb開発者がW3Cの標準化にどう貢献していけるのか。国内外の著名人によるパネルセッションで、熱い議論が交わされた。本稿ではその模様をお伝えする。

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導入

 W3C(World Wide Conthothium)の海外中心メンバーと日本人Web開発者の交流イベント「W3C Developer Meetup - Tokyo 2013」が2013年6月8日に都内で開催されました。

 その中で、「Japanese developers contributing to W3C standards(日本のWeb開発者がW3Cの標準化にどう貢献していけるか?)」と題したパネルセッションでは、熱い議論が交わされました。パネラーは国内外の著名人による大変豪華な顔ぶれ。それぞれの意見や提案はとても貴重なものばかりでした。

 本稿ではその模様をお伝えします。

貢献にも色んな方法がある。その気持ちを持つことが大切

 まず、モデレーターを務めた筆者、小松健作(NTTコミュニケーションズ)より、パネルセッションの趣旨について説明します。


筆者

 筆者は日ごろの業務でW3Cの標準化活動にかかわりつつ、HTML5コミュニティ(html5j)を運営しています。そして、その活動を通じWeb開発者のアクティビティの高さや力を肌で感じています。その力を、Webの国際標準化にもっと向けることができれば、日本とW3Cは共にもっとハッピーになれるはず。そんな想いから、このパネルセッションを企画しました。

 「W3Cへの貢献」というと「Webの新たな仕様を書くこと!?」と難しく考えがちですが、実際はもっと身近です。例えば、次のように明日からできることはたくさんあります。

  • デモやサービスでユースケースを明らかにし、世の中に提示・フィードバックしていく(英語だとなお良い)
  • オープンソースに貢献していくことで、Webを活性化していく(jQueryのセレクタのように、オープンソースの規格がW3Cのスペックになることもあります)
  • 日本固有の文化、例えば縦書きテキストのような日本人でないと、なかなか分からないことを提示していく
  • WebPlatform.orgweb platform testsに対し、日本語訳の執筆やTest Suiteの作成などを行う

 何よりも大切なことは、こういった活動を行うに当たり「国際的な視野を意識的に持っていること」です。そのような観点から、5人のパネラーから意見をいただきました。

モチベーションの維持が大切。僕らは世界を変えられる

 最初のパネラーは、html5jでリーダーを務める白石俊平氏(オープンウェブ・テクノロジー)。高いモチベーションを持つことが重要との意見が挙がりました。


白石俊平氏

 白石氏が、コミュニティ運営の中で最も気を使っているのは「メンバーみんなのモチベーションを上げること」とのことです。W3Cへの貢献でも、「モチベーションをどのように上げていくかが重要な鍵」と指摘しました。モチベーションは大きく2つに分けられ、「ボランティアとしてのモチベーション」と「ビジネスとしてのモチベーション」があると話します。

 「ボランティアとしてのモチベーション」については、Test the Web Forward(後述)などコミュニティ主導の活動が進められており、この流れを継続していくことが大切と説きます。「ビジネスとしてのモチベーション」については、日本製ブラウザが少ないこともあり、いろいろと困難な側面もあるが、「日本発でW3Cの仕様を作り、それがビジネスに大きな影響を及ぼす」流れを作っていくためには、努力しなければならないと語りました。

 また、「モチベーションを阻害する考えを持たないようにする」ことも大切とし、例えば「大企業の文化を変えられない」「英語が苦手だから」といったネガティブな考えを持たず、「僕らは世界を変えられる!」というポジティブな思考でモチベーションを保ち続けてほしいと白石氏は締めくくりました。

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