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あなたの知らない超絶便利なWeb開発を叶える仕様Web ComponentsとはGoogle I/O 2013まとめレポート(3)(2/3 ページ)

Web(HTML)を“部品”化する仕様について、構成する4つの要素や、今すぐモダンブラウザで試せるJavaScriptライブラリ「Polymer」などを紹介します。

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【3】Custom Elements(カスタム要素)

 カスタム要素は、独自のHTML要素を定義する機能である。

<element name="x-foo" constructor="XFoo">...</element>

 例えば「<x-foo>」というタグを作成したい場合は、nameプロパティを使って要素を定義する。nameには「-」を使えば良い。


基本的なカスタム要素の定義

 この定義では、「<x-foo>」タグが<section>タグを内包していて、スクリプトも配置できるようになっている。

 使い方は通常のHTMLタグと同様だ。その要素の定義がブラウザが解析できれば<x-foo>タグを使用できる。

<x-foo></x-foo>

 また、JavaScriptを使ってDOMで作成することもできる。その際は、「document.CreateElement」を使用する。

    var elem = document.createElement('x-foo');
    elem.addEventListener('click', function(e) {
    e.target.foo(); // alert 'foo() called'.
    });

 また、必要であればJavaScriptだけでカスタム要素を定義することもできる。次のように「document.register」を使って「x-foo」という名前で要素を登録する。「HTMLElement.prototype」を継承し標準的な要素として「Object.create」で要素を作成する。

    var XFooProto = Object.create(HTMLElement.prototype);
    // Setup optional lifecycle callbacks: ready, inserted, removed.
    XFooProto.readyCallback = function() {
    this.textContent = "I'm an x-foo!";
    };
    // Define its JS API.
    XFooProto.foo = function() { alert('foo() called'); };
    var XFoo = document.register('x-foo', {prototype: XFooProto});

 extendsプロパティを使うと、既存のHTML要素を拡張することも可能だ。<button>タグを拡張して<mega-button>タグを作る場合は、次のようになる。

    <element name="mega-button" extends="button" constructor="MegaButton">...</element>

 既存タグを拡張する場合も、JavaScriptだけで定義できる。「Object.create」を使用するが、「HTMLButtonElement.prototype」を継承し、「document.register」で「mega-button」という名前でタグを登録する。

    var MegaButtonProto = Object.create(HTMLButtonElement.prototype);
    ...
    var MegaButton = document.register('mega-button', {prototype: MegaButtonProto});

【4】HTML Imports

 HTML Importsは他のHTML文書中のHTMLドキュメントをインポートし再利用する機能だ。単一のモジュールにCSSやJavaScript、HTMLをパッケージ化しインポートすることもできるので、複数のアプリやアプリ内の複数の部分を横断して再利用できる。これにより、生産性の向上が期待できる。

 <link>タグで「rel="import"」として、Web上のすべてのファイルを参照できる。また、インポートされるHTMLファイルはCDN(Contents Delivery Network)に置くこともできる。

デモやGoogle Chrome CanaryでWeb Componentsは試せる

 Web Componentsのブラウザでの実装状況について、それぞれの機能のほとんどはChromeとAndroidブラウザにのみ実装されており、HTML Importsに関しては実装されているブラウザは現在存在しない。しかし、次セッションで紹介される「Polymer」によって、すべてのモダンブラウザで利用できるという。

 また、実際にWeb Componentsを組み合わせたデモ「Memgen on Web Components」が披露された。

 最後に、Bidelman氏は「Web Componentsは今すぐ試せる」とし、「Google Chrome Canary」ブラウザを利用することを勧めた。Canaryは動作は不安定で自己責任で利用する必要があるが、いち早く開発中の機能が追加されている。

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