5分で分かる著作権〜まずは基本を押さえよう:5分で分かる製作現場(9)(1/5 ページ)
著作権法は、コンテンツやプログラムの作成者のみならず、利用者にとっても知らないでは済まされない法律です。本稿で基本的な知識を身に付けましょう。
コンテンツやプログラムを作成・利用する全ての人にとって、著作権法は知らないでは済まされない法律です。しかし、現在の著作権法は改正の繰り返しによって極めて複雑化しており、今日のデジタルテクノロジとの整合性が取れていない部分も増えています。著作権法の最重要ポイントに絞って解説していきましょう。
1分−著作物とは何か?
著作権法は著作物の利用と保護を図り、文化の発展に寄与することを目的とした法律です(特許法が発明の利用と保護を図り、産業の発展に寄与することを目的としているのと対比できます)。
著作権法の保護対象になる著作物とは、思想や感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、音楽、美術の範囲に属するものと定義されています。現在の一般的用語でいえば「コンテンツ」に近いといえます。
なお、この定義からはちょっと外れるようにも思えますが、コンピュータプログラム(ソースもバイナリも含みます)も著作物に含まれます。これは、過去にプログラムの不正コピーを防ぐ制度が求められていた際に、すでに国際的に確立されていた著作権制度が流用されたという経緯によります。
事実そのものやデータそのものは「思想や感情を創作的に表現」したとはいえないので著作物ではありません。例えば、市場調査データなど収集に相当の労力が伴うデータもありますが、それを盗用されたとしても著作権法に基づいて訴えることはできません。
大量生産される工業製品も著作物ではない(意匠権で保護すべきもの)とされていますが、実際には、マンガのキャラクターなどを使ったフィギュアを許可なく製造すれば著作権侵害に問われますのでグレーゾーンがあります。あるものが著作物であるかどうかが裁判の争点になることもあります。
また、アイデアそのものは著作物ではありません(そのアイデアに基づいた特定の表現は著作物になります)。例えば、「謎の組織によって体を小さくされた高校生が探偵として難事件を解決する」という設定(アイデア)に基づいて独自ストーリーの小説を書いても著作権侵害に問われることはありません(業界の仁義に反するという話は別です)。
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