「Google App Engine 1.8.2」が公開、専用memcacheを提供:PHPやPython関連の更新も盛り込む
米Googleは「App Engine 1.8.2」を公開した。大規模アプリケーション開発のための機能やツールを大幅に強化し、新サービスとして専用memcacheのプレビュー版を追加した。
米Googleは2013年7月17日、同社が提供するPaaS環境の新版「App Engine 1.8.2」を公開した。大規模アプリケーション開発のための機能やツールを大幅に強化するとともに、新サービスとして専用memcacheのプレビュー版を追加した。
memcacheは、一時的なデータをキャッシュすることで処理性能を向上させるサービス。App Engineにはすでに無料の共有memcacheが提供されている。これに対して専用memcacheでは、ユーザー自身のアプリケーション専用のインメモリデータキャッシュ容量を有料で利用できる。これによってキャッシュのヒット率を高められ、Google Cloud Datastoreの料金削減やアプリケーションの高速化につながるという。
専用memcacheを利用するには、App Engineの管理コンソールを使い、アプリケーション設定のページで有効にする。共有memcacheから移行する場合も、コードに変更を加える必要はない。料金は、1Gバイト、1時間当たり12セント。
開発ツールに関しては、Gitユーザーの要望に応えて「Push-to-Deploy」機能のプレビュー版を利用できるようにした。この機能を有効にすると、PythonやPHPアプリケーションをApp Engineエンジンに展開するのがさらに容易になるという。
一方、「App Engine Modules」は大規模アプリケーションを論理コンポーネントに分解できる新機能。モジュールはApp Engineでサポートしているどの言語でも作成できる。
このほかPHP RuntimeやPython Runtime関連の更新も盛り込まれ、Google Plugin For Eclipseの更新ではEclipse標準のWeb Tools Platform(WTP)とJava EARファイルを完全サポートした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Google Cloud Platformは後発から巻き返せるのか〜Google I/O 2013まとめレポート
PHPにも対応したPaaS「Google App Engine」、オブジェクトストレージ「Google Cloud Storage」、IaaS「Google Compute Engine」などについて、事例も交えて紹介する。 - 開発動向:PaaS構築、アプリ開発支援環境を強化した「Fedora 19」がリリース
Fedora 19がリリースに。プライベート環境でのPaaS構築を支援するOpenShift Originや、Ruby 2.0などの開発環境が盛り込まれる。開発ビギナー向けのテンプレート類の生成ツールも盛り込まれる。 - 「Build 2013」レポート:Azureのサービス強化、Windows 8.1プレビュー、Bing Developer Services……「Build 2013」ダイジェスト
マイクロソフトの年次カンファレンス「Build 2013」が開催中だ。初日には多数のマイクロソフト製品のアップデート情報が公開された。