日本コンピュウェアのAPM新製品、デスクトップ仮想化の性能も監視可能:SaaS型サービスも拡充
日本コンピュウェアは、アプリケーションの性能解析に向けたソフトウェア製品とサービスを拡充した。
日本コンピュウェアは2013年7月、アプリケーションの性能解析(Application Performance Monitoring=APM)に向けたソフトウェア製品とサービスを拡充した。「Data Center Real User Monitoring(DC RUM)」の新バージョンと「APMaaS(Application Performance Monitoring as a Service)」である。
DC RUMは、ネットワーク上を流れるパケットを解析して、ある特定のユーザーのアクセスに対するサーバの反応時間などを調べる。例えば、Webアプリケーションにアクセスした場合、システムを構成するWebサーバやミドルウェア、そのバックヤードにあるアプリケーションサーバなどのうち、どのサーバで稼働しているどのソフトウェアでどの程度の処理時間が掛かっているかを調べられる。ソースコードがあれば、ボトルネックとなっているコードまで特定可能だ。
こうしたパケットを調べる解析手法は、従来のネットワークのトラフィック解析と同じであり、最近では「Application Aware-Network Performance Monitoring(AA-NPM=ネットワーク分析手法を用いたアプリケーション監視)」と呼び、アプリケーションの性能監視手法の主流となりつつある。
新しいDC RUMでは、新たにXen AppおよびXen Desktopや、SAPのトランザクション、Oracle E-Business Suiteについても、AA-NPM手法によって処理性能を解析できるようにした。例えばXen AppやXen Desktopでは、Xenが稼働するホストにエージェントを導入することで、ネットワーク上に流れるパケットが、クライアントを利用するどのユーザーのものかを判別し、サーバで処理に掛かっている時間をユーザーごとに調べられる。デスクトップの仮想化が普及するに連れて、その処理性能に対する不満がエンドユーザーから出てきており、システム管理者の間ではデスクトップ仮想化の処理性能チェックに対する要望が高まっているという。
一方、APMaaSは、クラウド化が進んでいることに対応した。日本コンピュウェアが提供するAPMツールでは、監視情報を格納するストレージ領域を用意する必要がある。システムをクラウド環境で稼働させている場合は、APMのためにさらにストレージ容量を確保する必要があり、これを嫌う顧客があったという。そこで、日本コンピュウェアがクラウド上に確保したストレージ領域に監視情報を格納することで、顧客がAPMのために独自にストレージ領域を用意する必要をなくした。
DC RUMとAPMaaSはすでに提供が始まっている。最低価格は、DC RUMが184万円。APMaaSは1年単位の契約で、229万9000円(200万ビジットまで)である。
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