モバイルアプリの性能を無償で計測、日本コンピュウェアがツールを提供:AndroidとiOSに対応
日本コンピュウェアは、モバイル端末で稼働するアプリケーションのレスポンスやユーザーの行動を計測するサービスの提供を開始した。無償で利用できる「Free Edition」と、有償の「Premium Edition」がある。
日本コンピュウェアは2013年8月26日、モバイル端末で稼働するアプリケーションのレスポンスやユーザーの行動を計測するサービス「Mobile Application Monitoring」の提供を開始したと発表した。無償で利用できる「Free Edition」と、有償の「Premium Edition」がある。モバイル端末がビジネスツールとして普及してきている昨今、同社ではこうした端末向けの監視ツールに対する需要が増えつつあると見て無償版の提供に踏み切ったとしている。
対象とするOSはAndroid 2.2以上またはiOS 5.0以上で、それぞれJavaまたはObjective Cで記述するアプリケーションのソースコードに計測のための専用コードを追加する。これまで同社はモバイル端末向けにも、Webアプリケーションのレスポンスや利用者の行動を調べるツールを提供していたが、ネイティブアプリケーション向けのツールを提供するのはこれが初めて。
アプリケーションの実行時に計測したデータは、日本コンピュウェアが米Amazonのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」上に用意したサーバに格納され、Webブラウザによって情報を閲覧できる。計測可能なデータは、(1)アプリケーションの利用者数、(2)Android端末とiOS端末の割合、(3)利用者の国や地域、(4)3GやWi-Fiなど利用しているネットワークプロトコルの割合、(5)通信事業者(キャリア)、(6)モバイル端末で稼働するアプリケーションがクラッシュした割合、(7)同アプリケーションがクラッシュしたソースコード上の位置、(8)特定のコードの実行に掛かった時間など。Eコマースサイトなどでは、利用者が購入したアイテム数や金額なども調べられる。データの保持期間は7日間である。
Premium Editionではこれに加えて、アプリケーションサーバに専用エージェントをインストールすることで、さらにアプリケーションサーバのレスポンスや処理のボトルネックになっているソースコード上の位置なども計測可能だ。計測データをアップロードするサーバは、AWSと自社内のどちらにも設置可能。データの保持期間はどちらの場合もストレージ容量にのみ依存し、無制限。価格は76万7000円(税込み)からである。
Free Editionを利用するには、まず、同社のWebサイトでフリーアカウントを作成する。その後、開発環境に「Mobile ADK」を組み込み、計測したい内容に応じてソースコードに専用の命令を追加する。
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