Linuxカーネル3.12公開、オフライン重複排除などを実装:GPU対応機能も改善
Linuxカーネルの新バージョン「Linux 3.12」が公開された。Btrfsファイルシステムのオフライン重複排除機能などを実装した。
Linuxカーネルの新バージョン「Linux 3.12」が2013年11月3日、公開された。Btrfsファイルシステムのオフライン重複排除機能などが特徴である。
リーナス・トーバルズ氏はリリースのタイミングについて、「来週は旅行に出かけて非常にインターネットに接続しにくくなるので、リリースを遅らせたくなかった」と説明した。また、カーネル4.0についても触れている。
Linux 3.12で加わったBtrfsのオフラインデータ重複排除は、ファイルシステム内で重複するデータのコピーを削除する機能。仮想マシンのOSのように、同じデータが複数含まれることの多いワークロードでは大きなメリットがあるとしている。
オフラインでの重複排除プロセスは、ファイルシステムがマウントされているときに、システム管理者の制御下でユーザースペースソフトウェアによって実行される。オンラインでの重複排除機能は今後のバージョンで追加予定。
さらに、米AMDのGPU「Radeon」使用時のグラフィックス性能向上、デュアルGPUを搭載したPCでのGPU自動切り替え、グラフィックスモード設定とレンダリング用で別々のデバイスノードのサポート、タイマーレスマルチタスク機能の改良などが盛り込まれた。
一方、カーネル番号についてトーバルズ氏は、「2.x系のときのように際限なく大きくはしない。番号を小さく抑えて覚えやすくするために、どこかの時点で3.xから4.xに切り替える。まだそこまでは至っていないが、20台には突入させたくないので、今後1年ほどで、3.19に続いて4.0というようなことになるだろう」と述べている。
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