日立ソリューションズがAWS環境のセキュリティおよび運用監視サービスを開始:デファクト環境に付加価値を付ける
日立ソリューションズが、パブリッククラウドサービスのデファクトスタンダードになりつつあるAWS環境に、企業利用向けの付加価値を付けて提供するサービスを発表。トレンドマイクロと協業する。
日立ソリューションズとトレンドマイクロは2013年11月28日、Amazon Web Services環境向けセキュリティ事業で協業すると発表した。サービスは同年12月2日から開始する。
具体的には、トレンドマイクロが提供する統合サーバセキュリティソリューションである「Trend Micro Deep Security」を使ったセキュリティコンサルティングや運用監視など、AWS環境上で、企業内セキュリティポリシーの適用を実現する。
パブリッククラウド環境では、企業システムで必要となるシステム監査やセキュリティポリシーを適用するのが難しく、プライベートクラウド環境と比較してIT統制面で選定に至らないケースが少なくなかった。
一方、企業側では、パブリッククラウドでは自社のポリシーに適合しないことを理由に、コストメリットは理解しながらも、運用ノウハウや、従来と同様の監査への対応や法令に適合した運用などが課題となり選定できない状況だった。
Trend Micro Deep Securityは、AWSのAuto scaling機能で生成されたインスタンスにも自動でポリシーを適用できるなど、クラウド環境の運用を前提としたセキュリティ機能があるのが特徴で、ウイルス対策、ファイアウォールやIDS/IPS、ファイルの変更監視などの機能を持つ。
一方、日立ソリューションズでは、2012年11月から「Amazon Web Servicesのための運用支援サービス」を展開しており、AWS環境での実績を積んでいる。今回の両社の提携では、この「Amazon Web Servicesのための運用支援サービス」にセキュリティサービスメニューを追加する。
日立ソリューションズが提供するサービス内容としては、AWS環境上のシステムにおける、法令順守や業界内の規制、監査などへの対応方法とセキュリティ要件の整理や対策指導を行うコンサルティングサービス、擬似攻撃によるセキュリティ診断の実施と報告書の提出、Trend Micro Deep Securityによるセキュリティ対策、運用中に検知したイベント情報に従う一時切り分けとレポート、復旧支援など、日立独自のサービスとトレンドマイクロのソリューションを組み合わせた内容となる。
監視およびバックアップサービスを基本とし、バックアップやコンサルティングなどは個別見積もりで応じる。
日立ソリューションズでは、AWS関連事業の2015年度売上高 50億円を目指すとしている。
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