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低性能端末でも使えるか? Android 4.4 KitKatの新機能39選Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(47)(2/4 ページ)

消費電力の削減につながる新機能や、よりシンプルになったUI、印刷やストレージアクセス、SMSなどの新機能をテーマ別に紹介します。

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ネットワーク&ストレージ

【6】印刷フレームワーク

 Android 4.4から、Wi-Fiまたはクラウド上のプリンターからコンテンツを印刷できるようになりました。印刷対応アプリでは、プリンターの検出や用紙サイズの変更、印刷ページの選択を行い、ファイルや画像、レンダリングされたキャンバスなどの任意のコンテンツを印刷できます。

 開発者アプリを印刷対応させるためのコード変更はわずかで、ほとんどのケースではActionBarに印刷アクションを追加することになるでしょう。加えて、印刷対象を選択するUI、印刷ジョブをキャンセルするAPIも必要に応じて実装するはずです。

 Androidの印刷時のプライマリフォーマットはPDFです。アプリは印刷時に印刷対象コンテンツを適切にページ分割する必要があります。

 Google ChcomeやGoogle Driveなどのグーグル製のアプリは、Googleクラウドプリントサービスで印刷がサポートされています。

【7】ストレージアクセスフレームワーク

 新しいストレージアクセスフレームワークを使用することで、ドキュメントストレージプロバイダーがあらゆるアプリで一貫したUIが提供されるため、ドキュメントや画像などのファイルを簡単に開けるようになります。最近使ったファイルなどの参照も可能です。

 例えば、ドキュメントプロバイダーのクラスを実装することで、クラウド上にファイルがあってもローカルにあっても、同様の方法でアクセスできるようになります。

 ユーザーは、任意のアプリからストレージアクセスフレームワークを使ったアプリが提供するファイルシステムサービスにアクセスできるようになります。

 Android 4.4では、Google Driveとローカルストレージがドキュメントプロバイダーのアプリとしてプリインストールされています。またグーグル製のアプリは、これらのドキュメントプロバイダーを使用しています。

【8】SMSプロバイダー

 開発者がSMSやMMSを使用するメッセージングアプリを開発する場合は、共有SMSプロバイダーと、そのAPIを使えます。これは、標準のメッセージングアプリと、それ以外のメッセージングアプリで、送受信したメッセージが共有されることを意味します。

 Android 4.4ではメッセージ送受信の意味が従来の「送受信」から「プロバイダーへの書き込み、読み込み、送信」といった具合に変わりました。

 Android標準搭載のメッセージングアプリはプロバイダーへの書き込みと読み込みが行え、標準搭載ではないメッセージングアプリはプロバイダーからの読み込みと送信が行えます。

 送信を行うと、デフォルトのメッセージングアプリで送信内容が確認できるように、システムがアプリに代わってプロバイダーにメッセージを書き込みます。

 この新しいプロバイダーは、メッセージングアプリが複数インストールされている状況で効果を発揮します。

新しいネットワーク接続タイプ

 Android 4.4では、新しいネットワーク接続タイプが追加されました。

【9】2つの新しいBluetoothプロファイル

 Android 4.4には、新たな2つのBluetoothプロファイルが追加されました。

 「Bluetooth HID over GATT(HOGP)」はマウスやジョイスティック、キーボードのような即応性があり低電力で動作する周辺機器との接続が行えるようになります。

 「Bluetooth MAP」は近くのデバイス、例えば車載端末やモバイル端末と、ハンズフリーでメッセージ交換できるようになります。

 また、Bluetooth AVRCP 1.3の拡張機能として、BluetoothデバイスからAndroidシステムの音量設定が行えるようになりました。

【10】赤外線が使える「IRブラスター」

 Android 4.4は組み込みのIRブラスターをサポートしています。

 IRブラスターのAPIを使用すると、テレビ、チューナー、スイッチ、およびその他の電子機器を赤外線で制御するアプリを構築できます。各機器に対応する独自コードを記述する必要なく、API呼び出しで機器制御が行える点が特徴です。もちろん、Androidデバイスが赤外線ポートを実装していなければなりません。

【11】Wi-Fi TDLSサポート

 Android 4.4は、Wi-Fi Tunneled Direct Link Setup(TDLS)による同一Wi-Fiネットワーク上のデバイス間の高速なメディアストリーミングおよび転送が可能になりました。

セキュリティ強化

 Android 4.4では、NFCやSELinux、暗号化、VPNなどでセキュリティが強化されました。

【12】新しいNFC機能

 Androidには、これまでもNFC機能が搭載されていましたが、Andorid 4.4では決済などのセキュアなトランザクションが行えるようになりました。

 これは「ISO/IEC 1444304(ISO-DEP)」プロトコルを使用して、決済インフラとして広く利用されている「ISO/IEC 7816」ベースのスマートカードをエミュレーションする「Android HCE」(ホストカードエミュレーション)の働きによるものです。

 HCEは多くのNFCコントローラで既に利用可能であり、Android 4.4端末がサポートするNFCには、HCEを利用した「Tap&Pay」という決済システムが含まれています。

【13】SELinux(enforcingモード)

 Android 4.4では、SELinux動作モード設定が「permissive」から「enforcing」に更新されました(参考:SELinuxの動作モードをコマンドラインで切り替えるには )。これはSELinuxドメイン内の潜在的なポリシー違反はログ出力の後に実行されるのではなく、ブロックされることを意味しています。

【14】改良された暗号アルゴリズム

 Android 4.4では、さらに2つの暗号化アルゴリズムのサポートが追加され、より一層セキュリティが向上しました。楕円曲線デジタル署名アルゴリズム(ECDSA)とScrypt鍵導出関数です。

【15】VPNの機能強化

 マルチユーザーデバイスでは、VPNはユーザーごとに適用されるようになりました。これは、デバイス上の他のユーザーに影響を与えることなく、VPNを通るルート全てのネットワークトラフィックを許可できます。

【16】FORTIFY_SOURCEレベル2をサポート

 Android 4.4では、FORTIFY_SOURCEレベル2をサポートし、全てのコードはこのオプションを使用してコンパイルされるようになりました。

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