お抱えヘッドハンターのススメ:ヘッドハンター丸山の「いつか、あなたに逢いにいく」(3)(1/2 ページ)
プロフェッショナルな仕事人は、お抱えヘッドハンターを持っている! ヘッドハンター歴20年のトップハンターが指南する、ヘッドハンターとの効果的な付き合い方とは。
前回はヘッドハンターがどうやって人材を探し、アプローチしているかについてお話しました。今回は実際にヘッドハンターからあなたにアプローチがあったら、どう対応すべきかを考えてみましょう。
ヘッドハンターと付き合うメリットとは?
ヘッドハンターから直接アプローチがあったら、今すぐ転職する気があってもなくても、まずは会ってみることを私はお勧めします。そして信頼できる相手と判断したら、しっかり自分の味方に付け、長期的に付き合いを続けるのです。
ヘッドハンターと付き合うメリットは、さまざまな企業の求人情報を運んでくれることです。その情報はほとんどの場合、公になっていないものです。現在の会社から動く気がなくても、「あの会社でこんなポジションを募集しているのか」と知ることは非常に有益であり、何のマイナスもありません。
かつては、情報が出るたびにいちいちヘッドハンターから電話がかかってきたり、「お会いしましょう」と言ってきたりして面倒くさい部分もありましたが、現在はインターネットを介して簡単に情報のやりとりができます。ただし、本当にコンフィデンシャルな情報がメールで送られることはありませんが。
ヘッドハンターと付き合うということは、あなたのマーケットデビューを意味します。「今勤めている会社に知られたらまずいかも」と心配する人がいるかもしれませんが、個人の情報はヘッドハンターとその会社にとどまり、外部に漏れることはありません。
プロフェッショナルは「お抱えヘッドハンター」を持っている
信頼できるヘッドハンターとの出会いがあれば、継続的に有用な求人情報が提供されるようになります。これを有効に活用しているのが金融業界の人たちです。優秀なプロフェッショナルであり、かつ常に首切りの危機にさらされている彼ら彼女らの多くは「お抱えヘッドハンター」を持ち、情報集めに余念がありません。
エンジニアと金融マンを比較すると、後者の方がはるかに雇用安定性は低いのですが、変化の激しい業界の最前線に身を置き、スキルのキャッチアップとリセットを繰り返して戦うプロフェッショナルという点では、共通しています。ですから、IT業界のエンジニアにとっても、お抱えヘッドハンターは必須アイテムになるのではないかと私は思います。
実際、お抱えヘッドハンターを持ち、うまく活用しているエンジニアも存在します。例えば、エンジニア出身で3回の転職を経て、現在は40代半ばである上場企業の役員になっている人がいます。彼はIT系コンサルティング起業のプログラマー兼コンサルタントを振り出しに、ITを中心とした事業企画業務、社長室勤務を経て経営企画担当役員へと、エンジニアと経営企画のスキルを組み合わせてキャリアアップしていったのです。3回の転職のうち2回はヘッドハンターとして私がお手伝いし、残りの1回も相談に乗っています。
何かよい情報があれば私から連絡するのはもちろんですが、年に1回は彼の方から連絡が来ます。
「最近、調子はどうですか?」
「何かあったんですか?」
「いや、別にいますぐ転職を考えているわけではないんですが、どんな様子かと思いまして」
こんなざっくばらんな感じでやりとりし、情報収集しているのです。
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