インストールなしでOpenStackに入門してみる/ネットワークコンポーネント「Neutron」とは?:たまおきのOpenStack Watch(2014年4月)(3/3 ページ)
OpenStackって何? 何を目指しているの? 試すには? 機器を購入せずに触ってみる環境を紹介。ネットワークコンポーネントの解説も。
OpenStackコンポーネント解説(6):仮想ネットワーク管理「Neutron」
Neutronは、OpenStackの中でネットワーク関係を拡張するためのコンポーネントです。以前はQuantumという名称でしたが、2013年に名称が変更になりました。
ごく単純なフラットなネットワークであれば、Novaに含まれるnova-networkで構成できますが、OpenFlowなどのSDNとOpenStack上のインスタンスを連携させるにはNeutronを利用します。Neutronは以下のような用途を想定して開発が進められています。
- 3層構造のWebアプリケーションを構築
- OpenStackで構築したIaaS基盤をデータセンター間でネットワーク接続
- VPNやロードバランサーなどのネットワークサービスの提供
現在では、さまざまなSDN製品やネットワーク機器と連携するためのプラグインが提供されています。OpenStack Wikiには、以下のプラグインがリストアップされています。
- Open vSwitch Plugin
- Cisco UCS/Nexus Plugin
- Linux Bridge Plugin
- Modular Layer 2 Plugin
- Nicira Network Virtualization Platform (NVP) Plugin
- Ryu OpenFlow Controller Plugin
- NEC OpenFlow Plugin
- Big Switch Controller Plugin
- Cloudbase Hyper-V Plugin
- MidoNet Plugin
- Brocade Neutron Plugin
- PLUMgrid Plugin
- Mellanox Neutron Plugin
ネットワーク機器ベンダーが提供しているプラグインや、SDN対応のためのプラグインが多いですが、ユニークなのはModular Layer 2(ML2)Pluginです。ML2は、レイヤー2(データリンク層)で動作するさまざまなプラグインの機能を取り込み、ML2プラグインのみでそれらの機能を実現する方向で開発が進められています。現在はOpen vSwitch、Linuxブリッジ、Hyper-V L2エージェントの機能を取り込んでいます。また、ベンダー提供のドライバーとして、AristaやCisco Nexus、Tail-f NCSなどが提供されています。
OpenStackの外部拡張としては、ストレージと並んでネットワークも急ピッチで整備されているところなので、今後の動向に注目したいところです。
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