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キャリア無線LANのラッカスが仮想無線LANコントローラを発表Wi-Fi運用サービスの発展を促進

ラッカスワイヤレスジャパンは5月28日、無線LANコントローラの仮想アプライアンス版「Virtual SmartCell Gateway(vSCG)」を国内提供開始したと発表した。同社はこれにより、ホテル、空港、スポーツ施設、ショッピングモールから一般的な公衆無線LANまで、無線LANサービスがさらに運用しやすくなるとしている。

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 ラッカスワイヤレスジャパンは5月28日、無線LANコントローラの仮想アプライアンス版「Virtual SmartCell Gateway(vSCG)」を国内提供開始したと発表した。同社はこれにより、ホテル、空港、スポーツ施設、ショッピングモールから一般的な公衆無線LANまで、無線LANサービスがさらに運用しやすくなるとしている。

 米ラッカスは、キャリア向けの無線LAN製品で急成長しているベンダ。日本ではauの無線LANサービスで採用されているのが有名だが、世界中で公共施設などに利用されていて、キャリア無線LAN市場ではシスコなどの既存ベンダを追い上げている。無線LANアクセスポイントのアンテナ/電波管理に独自の技術を持ち、携帯電話端末やタブレットでもつながりやすいことをウリにしている。

 ホテルや空港、ショッピングモールなどの施設における無線LANサービスの導入を促すため、ラッカスは無線LAN遠隔運用サービスを広げることに力を入れてきた。つまり、運用サービス業者が自社データセンターにコントローラを設置、各種施設に置かれた無線LANアクセスポイントをインターネット経由で運用するというものだ。運用サービス業者は、広告配信ネットワークやモバイルアプリなどを活用した新たな収益モデルで、導入施設のコスト負担を軽くすることもできる。一方、大規模なホテルチェーンなどでは、自社でこうしたサービスを自社経営の施設向けに運用するケースもある。

 上記のような無線LAN遠隔運用サービスを運営するために、従来は1万台のアクセスポイントを管理できる物理コントローラ装置を購入しなければならず、スモールスタートが難しいという問題があった。

 今回の仮想アプライアンス版は、アプライアンス数、ユーザー数の2種のライセンスで構成。最小で25の無線LANアクセスポイント管理用のライセンスが提供される。サービスの対象の増加に合わせて、ライセンスを追加していけばいいことになる。従って、比較的小さな事業リスクで無線LAN運用サービスに参入することができ、一方で店舗チェーンなどが自ら自社拠点の無線LANを遠隔運用しやすくなるという。


vSCGでは、インターネット経由で(SSH)を使った無線LANの遠隔運用がやりやすくなる

 仮想アプライアンス版コントローラのvSCGは、それぞれ従来の物理装置版と同等の仕様を持っている。1インスタンスで1万アクセスポイント、10万クライアントまで対応できる。4インスタンスまでをクラスタ構成して無停止運用が可能。1クラスタで最大3万アクセスポイント、30万クライアントまで対応できる。

 ラッカスワイヤレスジャパンでは、ケーブルテレビ事業者が新たな収益源として公衆無線LANサービスに参入する、ホテルチェーンなどで施設ごとに無線LANを管理していたところが統合管理を進める、複数言語でのユーザーからの問い合わせに対応できる運用サービス事業者が登場するなどのシナリオを描いている。一般企業向けに社内無線LANの運用を代行するサービスが広がる可能性もある。

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