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12cのマルチテナントなら、既存データベースの段階的移行がスムーズに。柔軟なパッチ適用など運用管理でも大きなメリットOracle ExadataでDBaaS構築! 知っておきたい大切なポイント(2)(2/2 ページ)

Oracle DatabaseによるDBaaS構築で課題となることの1つが、Oracle Databaseの旧バージョンで稼働する既存データベースをいかに円滑に移行するかということだ。12cの新機能であるマルチテナントアーキテクチャを使えば、この移行作業をスムーズに行い、統合後のパッチ適用なども楽に行えるようになる。その具体的なシナリオを紹介しよう。[プライベートクラウド/データベース統合][Oracle Database 12c]

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マルチテナントアーキテクチャを利用したOracle Database 12cへの移行シナリオ

 それでは、具体的なシナリオに基づき、既存のデータベースをOracle Exadata上のOracle Database 12cに移行する手順を見ていこう。ここで想定するのは、Oracle Database 10g R1、同R2に加えて、Oracle Exadata上でOracle Database 11g R2を運用しているケースだ。また、移行先ではOracle Database 12c R1のOracle Grid Infrastructureを利用するものとする。

 まずOracle Database 11g R2の移行だが、Oracle Grid Infrastructureは以前のバージョンのデータベースを実行できるという利点があり、12c R1ベースのOracle Grid Infrastructure上でそのままOracle Database 11g R2を実行することができる。

 一方、Oracle Database 10 R1、同R2は既にパッチ提供が終了しているので、Oracle Database 11g R2にアップグレードしておく。それには、初めにデータベースをアップグレードし、続けてステージング環境でテストを行う。そこで問題がなければ本番環境に移行するという流れだ。

 これで全データベースの本番環境への移行が完了したので、次のステップであるOracle Database 12cへのアップグレードを行う。その検証を行うために、ステージング環境にOracle Database 12c環境を構築してCDBを作成し、アップグレード対象のデータベースをPDBに構成変更してCDB上で検証作業を実施する。

 検証の結果、問題がなければ本番環境上のOracle Database 12cをCDBに移行すればよい。その際、全てのデータベースを一度にアップグレードする必要はなく、個別にOracle Database 12cへアップグレードして検証を行うことで、移行プロジェクトの負担を減らしつつ、ステージング環境の規模も抑えられるというメリットが得られる。

 「マルチテナントアーキテクチャを利用すれば、ステージング環境の構築が容易になり、本番環境への移行を安全かつスピーディに行えます。いったんデータベースをPDBとして構成すれば、アンプラグ/プラグやクローニングにより、実行環境をまたいだデータベースの移動やコピーが容易に行えるからです。これまで、データベース統合というとサーバー仮想化技術が使われるケースが少なくありませんでした。しかし、最近はマルチテナントアーキテクチャのさまざまなメリットや移行方法を知り、Oracle Database 12cによるデータベース統合を検討されるお客さまが増えています」(諏佐氏)

マルチテナントはデータベース統合に最適なアーキテクチャ

 マルチテナントアーキテクチャを利用したDBaaSには、データベース統合後のパッチ適用といった運用管理の負担を軽減できるというメリットもある。パッチ適用の観点からインスタンス統合、スキーマ統合と比較したマルチテナントアーキテクチャの利便性をまとめたのが次の図だ。

 マルチテナントアーキテクチャではPDB単位でパッチ適用を判断できるため、例えばERPとCRMなど各システムの要件に合わせてパッチ適用のタイミングを柔軟に設定することが可能だ。その結果、システムのダウンタイムを最小限に抑えられる。また、ステージング環境構築のスピードや簡単さ、パッチ適用前後の整合性検証に関する手間の面でも、マルチテナントアーキテクチャに分がある。

 諏佐氏も話すように、データベースを集約し、クラウド的な運用管理を行いたいと考えたとき、これまではサーバー仮想化技術の利用を検討されるケースが少なくなかった。確かに、OSを変えずに既存のデータベース環境をそのまま集約できるというメリットはあるが、仮想サーバーのレイヤが増えるためオーバーヘッドが大きく、運用管理が煩雑になるという問題もある。サーバー仮想化技術は、あくまでもサーバーマシンを削減するためのアプローチなのだ。

 それに対して、Oracle Database 12cのマルチテナントアーキテクチャは、データベースの集約にフォーカスした仮想化技術である。データベースのレイヤで仮想化するためリソースの利用効率が高く、運用管理の面でもさまざまなメリットが生まれる。Oracle Exadataを単なるサーバーコンソリデーションに使うのではなく、データベース統合やDBaaS構築の基盤に使うのなら、ぜひマルチテナントアーキテクチャを有効に活用していただきたい。


提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月29日

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