近年、将来も見据えたデータベースクラウド(DBaaS)の導入を検討する企業が増えているが、その際には十分にご検討いただきたいことがある。その1つがOracle Databaseのバージョンだ。DBaaSのライフサイクル全体を最適化するバージョン管理のベストプラクティスを紹介する。[プライベートクラウド/データベース統合][Oracle Database 12c]
社内に散在するデータベースの統合基盤として、またセルフサービス化などによる運用管理効率や利便性の向上を図る目的から、Oracle Databaseによる「Database as a Service(DBaaS)」の構築を検討する企業が増えている。その際、システム基盤として候補に挙がるのは、オラクルのEngineered Systems「Oracle Exadata」だろう。圧倒的なパフォーマンスを備え、オンライントランザクション処理やデータウェアハウスなどが混在する複合ワークロードの処理基盤として最適な選択肢だからだ。そこで、ここではOracle Exadataを利用するケースを例にとり、Oracle DatabaseによるDBaaS構築を考える上で重要なポイントを紹介する。
DBaaSの基盤としてOracle Exadataを活用する際、十分にご検討いただきたいことは、Oracle Exadataに備わるストレージ管理ソフト「Oracle Exadata Storage Server Software(SSW)」とクラスター管理ソフト「Oracle Grid Infrastructure」、そして「Oracle Database」といった各ソフトウェアのバージョンである。
現時点(2014年6月時点)で、SSWについては「11.2.3.3.0」と「12.1.1.1.0」の2つの選択肢があり、Grid InfrastructureとOracle Databaseについては、それぞれ「11.2(11g R2)」と「12.1(12c R1)」のいずれかを選ぶことができる。つまり、SSWとGrid Infrastructure、そしてOracle Databaseの各バージョンの組み合わせは合計8パターンとなる。このとき、これらの組み合わせを「下位レイヤーは、上位レイヤーよりも新しいバージョンで構成する」という基本指針で整理すると、SSW 11.2.3.3.0上に12c系のGrid InfrastructureおよびOracle Databaseを導入するといった非現実的なパターンが除外され、実質的には下図に示す4パターンに収束する。
これらのどれを選択するかだが、まず検討のポイントとなるのは、最上位レイヤーとなるデータベースのバージョン選定だ。これについて、日本オラクルの諏佐嘉之氏(データベース事業統括 データベースエンジニアリング本部 Database & Exadata技術部 技術レディネスグループ プリンシパルエンジニア)は次のように説明する。
「各レイヤーのバージョン選定において、まず検討指針になるのは『Oracle Exadata上で稼働するデータベースによって何を実現したいのか』ということです。Oracle Databaseのバージョン選定の観点で言えば、『Oracle Database 12cの新機能を利用するかどうか』ということになります。例えば、DBaaSを構築するための機能は従来のバージョンでも提供していましたが、Oracle Database 12cには『マルチテナントアーキテクチャ』と呼ばれる仕組みが組み込まれているため、より効率的に実現することができます。また、500を超えるOracle Database 12cの新機能を利用できる他、SSW 12.1.1.1.0の全ての新機能が使えることも魅力でしょう」
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月22日
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