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「業界業務プロファイル」とともに東京DCを12月中旬にオープンへ「IBM as a Service」としてのSoftLayer

SoftLayerの日本リージョン(東京)が12月中旬にオープンする。日本IBMではこれを機にSoftLayerを軸にした業界業務に特化したプロファイルを用意、検証済みのシステム構成やパートナーソリューションの組み合わせを用意する。

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 2014年11月12日、日本IBMは「SoftLayer」初の日本拠点となる東京データセンターの開設および日本国内市場での提供体制に関する記者説明会を開催した。

 会見では、SoftLayerのCEOであるランス・クロスビー氏自ら登壇、東京データセンターの開設時期が「2014年12月中旬ごろ」になることを明らかにした。日本IBMの既存サービスを提供するデータセンターは幕張に拠点を置くが、SoftLayerサービスは別サイトで運営されるという。「既に1万5000台のサーバーが搬入されている状態」(クロスビー氏)だとしている。

 SoftLayerは単なるパブリッククラウドではなく、ホステッドプライベートクラウド、あるいはベアメタルクラウドサービスも提供している。共通のアーキテクチャで、従来のオンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの3層のハイブリッド構成を全てサービスとして提供するユニークなIaaSサービスだ。

 IBMでは2014年末までにこのSoftLayerサービスのためのデータセンターを世界40拠点に開設する計画を発表していた。東京データセンターはその1つである。

 この日、日本IBMでは、SoftLayerの日本データセンター開設、日本の企業ユーザー向けの本格的な販売促進を目的に、SoftLayerサービスを軸にした「業界業務プロファイル」を発表した。


日本IBM執行役員 クラウド事業統括担当の小池裕幸氏

 日本IBM執行役員 クラウド事業統括担当の小池裕幸氏によると「業界業務プロファイル」は、クラウドデザインパターンというよりは、運用などの業務プロセス面を含めたガイドラインのようなものだという。

 サーバー要件やネットワークの設定、セキュリティの対応などのシステム構成パターンはもちろんだが、運用やバックアップのプロセス、監視体制などを標準化しており、要件によっては他の運用支援サービスやセキュリティ関連のサービスを含めて定めている。また、各業界の標準への対応やベンチマーク評価済みの内容になっている。

 第一弾では、金融、ゲーム業界、HPC、マーケティング、SAP ERP、IoTサービスデリバリ、エンジニアリング、CRM、建設ドキュメント、顧客分析、EDI受発注の11のプロファイルを公開しており、「今後もプロファイル数を随時増やしていく考え」(小池氏)だという。

 例えば巨大データの解析などに使われるHPC用途のプロファイルはベアメタルで構成し、データ圧縮転送のサービスを組み合わせたり、あるいは金融業界向けでは業界標準のプロセスを盛り込んだ内容になっている。


金融業界向けプロファイルの例

インテグレートパートナー、接続サービスパートナーなど

小池氏はこの日の会見冒頭、現在業務を推進するのは、クラウドサービスを活用してプロセスの革新を進める「ビジネスリーダー」、アプリケーションを組み立てて開発する「デベロッパー」、ビジネス環境の変化に対応するハイブリッドクラウド環境を構築する「ITリーダー」の三者であると指摘、これに応えられるクラウドサービスを提供していくことをあらためて強調した。

 その上で、企業における昨今の情報システム調達の変化を「Composable Business」と表現、「これからは(Javaアプリケーションをゴリゴリと書くのではなく)IaaS、PaaS、SaaSを問わず、部品を自由に組み合わせて迅速に利用するようになる」との見解を示した。「減価償却ベースのITではなく、最新のITテクノロジーをサービスとして利用する」(小池氏)という言葉がこの考えを端的に表しているといえるだろう。

 小池氏は、エンタープライズでのパブリッククラウドに求められる要素を「品質と品格」であるとし、SoftLayerは日本の企業情報システムが求める管理性能やセキュリティなどの品質と、オープンなソフトウェア環境を提供する品格を兼ね備えているとした。

 クロスビー氏は、他のクラウドサービスプロバイダとの違いとして、「全てのデータセンターが常に共通のサービスカタログを提供する。APIを含めて、グローバル展開に対応するクラウドサービスである点」を挙げる。もう一つ、他のクラウドサービスプロバイダとの違いとして挙げられるのは、各データセンター間のデータ転送にプライベートクラウド利用では完全に無料、パブリックでは受信が無料、などコスト負担が少ないという点だろう。

 各データセンター間の通信環境への投資は、グローバルで拠点を構える企業向けの利用を念頭に置いたものあると考えられる。クロスビー氏は、ある拠点で構築した環境をすぐに他のDC拠点に展開、データーは必要に応じて利用者の近くに安全かつセキュアな状態で転送できることの革新性を強調した。

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