「日本のIT管理者に直接ヒアリングした」ESETが法人向け新製品を2015年秋にリリース:クラウド版の管理コンソールも用意
キヤノンITソリューションズは2015年4月16日、ESETの法人向けセキュリティ対策ソフト「ESET Endpoint Protection」のバージョン6を2015年秋から提供することを発表した。この新バージョンには、ESETが重要と考えるポイントに加え、日本の現場からの声も多数取り入れたという。
キヤノンITソリューションズは2015年4月16日、法人向けセキュリティ対策ソフト「ESET Endpoint Protectionシリーズ」の最新版であるバージョン6を、2015年秋より提供すると発表した。発表会では、スロバキアを本拠地とするESETのCEO、リチャード・マルコ氏と、同社CSO/CMOのイグナシオ・スバンパト氏が登壇し、セキュリティの最新動向を解説した。
「シンプル」で「使いやすく」、そして「パフォーマンス」を追究するESET
「ESETは、1987年に中央ヨーロッパにあるスロバキアからスタートした企業。歴史上、最初期のコンピューターウイルスが登場した時代からセキュリティにかかわっている」と、マルコ氏は振り返る。現在では180カ国で売り上げは5億ドル、世界では第5位(ガートナー調べ)、日本では第4位(ミック経済研究所調べ)のシェアを持つ企業であると紹介した。その中でも日本ではキヤノンITソリューションズとパートナー契約を結んでおり、同社が販売を行ってきた経緯がある。
ESET Endpoint Protectionシリーズの最新版を作るに当たっては、2014年11月にリリースしたコンシューマー向け製品をベースに、さらにクライアント管理機能「ESET Remote Administrator」(ERA)を拡充した。クライアントの保護機能としては、脆弱(ぜいじゃく)性対策機能「エクスプロイトブロッカー」、通信を解析して防御を行う「ボットネットプロテクション」、ファイルやパケットでは判断できないようなマルウェアをメモリ上で監視する「アドバンスドメモリスキャナー」、IDS(侵入検知システム)機能である「バルナラビリティシールド」などを搭載。マルコ氏はこれらの機能でPCを保護しても通常の業務にパフォーマンス面で影響を与えないことを強調し「ESETはパフォーマンスの点で評価が高い」と述べた。
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ERAについては、これまで専用アプリケーションのインストールが必要だったものを、Webブラウザ経由で管理できるように「ゼロから作った」(マルコ氏)という。この機能についてスバンパト氏は「日本を含む実際の現場にヒアリングを行い、実際に求められているものを提供した」と述べる。
特に日本のエンタープライズ向けに望まれていた機能として、前のバージョンにロールバックする機能や、よりよいレポート出力などに注力したという。さらに、これまで利用していたセキュリティ対策ソフトウエアをESETにリプレース、マイグレーションするための「RIP&Replace」ツールを日本でも展開すると発表した。
キヤノンITは国内法人市場にさらにコミット
日本での販売を手掛けるキヤノンITソリューションズは、今後法人市場に向け、さらに体制を強化する。キヤノンITソリューションズ 執行役員 基盤・セキュリティソリューション事業本部 セキュリティソリューション事業部長の近藤伸也氏は「法人向けではこれまでB2B市場が多かったが、今後は大規模ユーザーに向けても販売体制を強化する」と述べる。
法人向け市場においては、管理サーバーを置く必要のない「クラウド対応ERA」を2015年秋からラインアップに加えることを発表。先行評価版は2015年6月末にリリースされる予定とのことだ。
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