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「クラウド」で拡大し続けるストレージ投資――IDC、2015年第1四半期の国内ディスクストレージシステム市場実績を発表ODMダイレクトが好調

2015年7月7日、IDC Japanは2015年第1四半期の国内ディスクストレージシステム市場実績を発表した。外付型、サーバー内蔵型、ODMダイレクトともにプラス成長となった。

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 IDC Japan(以下IDC)は7月7日、国内ディスクストレージシステム(外付け型、サーバー内蔵型、ODMダイレクトの合計)市場の2015年第1四半期実績を発表した。売上額は774億8000万円で、前年同期比10.8%増のプラス成長となった。

 IDCの発表によると、ディスクストレージシステムの売上額は、外付け型が561億8200万円(前年同期比9.1%増)、サーバー内蔵型が184億3200万円(同6.9%増)、ODM ダイレクトは28億6600万円(同137.4%増)と、いずれも前年から増加した。特に、ODM ダイレクトは、国内クラウドサービスプロバイダーでの導入が進み、大きく売り上げを伸ばした。

 ODM(Original Design Manufacturer)は、他社ブランドでの設計・製造を担うメーカーを指す。通常、ODMはベンダーから委託を受け、相手先ブランドで製品の設計・製造を行う。しかし近年は、ユーザーがODMから直接製品を購入する、いわゆる「ODM ダイレクト」も増加している。「中抜き」により、製品の調達費を抑えるのが狙いだ。

 なお、セグメント別売上額を見ると、メインフレーム向けは85億1500万円(前年同期比23.5%増)、オープンシステム向けは476億6700万円(同6.8%増)と、いずれも増加。メインフレーム向けでは官公庁・金融の大型案件の影響が大きかったが、オープンシステム向けは、仮想化やクラウドの拡大により、引き続き需要増が予想される。

 また、国内外付け型ディスクストレージシステムの出荷額シェアは、上位から、富士通(27.6%)、日立製作所(15.9%)、EMC(14.0%)、NEC(10.3%)、ネットアップ(7.0%)となり、メインフレームやオープンシステム向けの大型案件の影響で富士通が高いシェアを獲得した。

 ODMダイレクトには、中間業者がいない分、メーカーとのコミュニケーションや製品の検証・設置などに関わる手間が増えるという課題もある。しかし、中抜きにより価格が抑えられるだけでなく、仕様が同じ製品を2回目以降に購入する時は、設計などのコストが削られる分、価格が下がるというメリットがある。これは、スケーラビリティを求めるクラウドサービスプロバイダーに最も適した価格設定方式といえる。今後も、クラウド利用が拡大し続ける限り、ODMダイレクトがシェアを伸ばしていくことは間違いないだろう。

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