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「アプリケーションアクセラレーター」か「NVMe+RDMA」か PCIeフラッシュストレージ技術の最前線データベース高速化のいま(4)(1/2 ページ)

PCIe型フラッシュストレージも大容量化が進み、価格がこなれてきた。標準プロトコルか独自ドライバーか、実績か先進機能かと、選択肢が増えてきた魅力的なデバイスといえるだろう。新「Arrowhead」採用のハイエンドデータベースサーバーでの適用も。

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特集:データベースパフォーマンス最大化の技術

特集:データベースパフォーマンス最大化の技術

 組織の重要な資産の一つである「データ」を支えるデータベースシステム。特集ではハード・ソフトの両面からデータベースシステムを最適化、高速化する手法を紹介。データベース管理者が主導してデータ資産の価値を高める方法を考える。

 今回はPCIeフラッシュストレージの新技術や選択肢について紹介する。


 フラッシュストレージはサーバーとの接続形態によって、SAS型、PCIe型、DIMM型などに分類できる*。第2回では、それらをデータベースシステムの特性ごとに使い分けてデータベースパフォーマンスを改善する事例として、アットホームの取り組みを紹介した**。本稿では、@IT編集部主催セミナー「@IT DB高速化道場」(2015年9月11日開催)から、PCIeフラッシュストレージに関する二つのセッションを紹介する。

* 関連記事「今、フラッシュストレージを選択したい人へのヒント」(@IT)では、フラッシュストレージの適用方法ごとに分類を示している。
** 「データベース高速化のいま(2)」(@IT)



ハイエンドデータベースシステムを支えるPCIeフラッシュストレージの草分け「Fusion ioMemory」

  PCIeフラッシュストレージの草分けともいえる存在が、「Fusion-io(現・サンディスク)」だ。同社は2008年からPCIeフラッシュスト レージを提供。2014年にサンディスクに買収されて以降は、SanDiskのストレージ製品のラインアップの一つとして展開している。


Fusion ioMemoryは2008年からPCIeフラッシュストレージを提供している

 サンディスク シニアフィールドマーケティングマネージャ 山本哲也氏は、「クラウド基盤で実証されたデータベースの高速化 ─PCIe アプリケーションアクセラレータ Fusion ioMemory─」と題した講演で同社製品の特徴や導入事例を紹介した。

「アプリケーションアクセラレーター」として発展するFusion ioMemory


サンディスク シニアフィールドマーケティングマネージャ 山本哲也氏

 旧Fusion-ioの系譜を組む最新のPCIeフラッシュストレージが、「Fusion ioMemory」である。SanDiskではこの製品を「アプリケーションアクセラレーター」と称している。フラッシュディスク技術を使ったデータベース高速化、アプリケーション高速化技術としては、PCIeフラッシュストレージ搭載品を含むSSD(Solid Stata Drive)が早くから注目を集めてきたが、山本氏は「SSDはHDD(Hard Disk Drive)のものまねに過ぎなかった」と説明する。

 「SSDはHDDと同じインターフェースを使うため、HDDと同じ仕様で動かせ、物理的な交換も楽だったが、CPUと接続する経路がボトルネックとなり性能を存分に生かすことができなかった。その点PCIeは最小限のボトルネックでCPUとつながるため、フラッシュの高速I/Oの強みを最大限に発揮できる」

 こうした特徴により、データベースの大幅な高速化はもちろんのこと、データベースインフラの統合やコンパクト化によるコスト削減メリットも期待できるという。

 講演ではコスト削減の実例として、北米のある通信キャリアで「UNIXサーバーとOrcle Databaseの組み合わせ」を「PCサーバーとFusion ioMemoryの組み合わせ」に置き換えた事例の紹介があった。データベースの高速化が実現したことで、システムそのものをコンパクトにし、全体のIT投資額を削減しているケースだ。


ハイエンドデータベースシステムでのコスト削減で実績を持つ

 この他、同製品は東京証券取引所の売買取引システム「arrowhead」刷新に際して採用されたことで話題になった富士通のハイエンド向け垂直統合システム「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for HA Database」にも搭載されている。


Fusion ioMemoryを搭載した「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for HA Database」は新arrowheadに採用されている

 同社がアプリケーションアクセラレーターと称するのには、理由がある。同社では、アプリケーションごとの特性や課題に即した技術開発を積極的に推進しており、例えばWebアプリケーションなどでの採用が多いMySQLと組み合わせて使用する際には、書き込み処理の問題を回避。ATOMIC Writeという機能を使うことでMySQLのデータベースの容量を半分に削減し、書き込みのムダを排除することで、パフォーマンス向上とデバイス寿命拡大を実現する。この機能は、現在は明示的に設定しなければ使えないが、MySQL 5.7で自動認識される予定だという。

 この他、PostgreSQLでの性能検証にも参加、検証結果を広く公表するなど*、データベースアプリケーションごとの対応や情報発信に積極的だ。

* 「PostgreSQLエンタープライズコンソーシアム 2013年度活動報告」。ワーキンググループ1の性能検証ではPostgreSQL 9.3での検証内容が公開されている。



 ミクシィやドワンゴといったオンラインサービス事業者の他、IIJ、IDCフロンティア、GMO AppsCloudといった国内大手データセンター業者、クラウド業者で採用されており、運用ノウハウを含む実績が多い点も特長と言えるだろう。

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